密談 その1
<オーライン城内の一室>
男A「今回の使者には君が選ばれたらしいね」
男B「はい。先程、父バラキューダスから皇女と皇子のもとへ使者として参るようにと下知がありました」
男A「バラキューダス卿は宮廷省長官にとどまらないで宰相の仕事をこなしているな。それと君への信頼は思ったより厚いようだ。今回の使者は事実上の密使でもある。決して令息だからといって任されるような軽いものではないはずだ」
男B「ハイウエ卿から推薦があったと聞いております」
男A「なんと、バラキューダス卿だけでなく我が親父殿の信頼も得ているとは、君は世渡りがとても得意なようだ(笑)」
男B「お戯れを……」
男A「確かに皇女と皇子からすれば、命を狙われて城から脱出したところに、もう大丈夫だから戻れと言われても、すんなり受諾出来ないだろう。俺でも罠を疑う。となれば皇子アコーダーと親交が深く、皇女カレンとも顔見知りである君以上の適任者はおるまいよ」
男B「私が使者に選ばれた主たる理由を、そのように伺いました」
男A「せいぜい安心させて、皇子皇女と与する冒険者たちを纏めて引っ張り出してくれ。その方が俺にとっても都合が良い。期待しているよ」
男B「戻りましたら最初に報告に参ります」
男A「君は本当に機嫌を取るのが上手だな(笑)」
男Aは上機嫌で部屋を後にした。




