第2班(侵入班)
<オーライン城内カレン 近況>
カレン「まったくもー、殆ど進んだ気がしないわね」
カーク「それはそうだろ。ちょっと進んだら新しく敵が出てくるし、戦いになったらなったで相手もこっちも遠慮気味で御見合いする事も多いしさ」
カロ「……埒があかん」
カレン「…………」
ソアラ「カーク様もカローラン様もカレン様を責めている訳ではありませんよ」
カレン「拗ねてはいないわ。この状況を打破する方法を考えてたのよ」
カーク「それで、良いアイデアでも出たのかい?」
カレン「……決めたわ」
そういうとカレンは矢庭に近くの部屋に飛び込み、窓から顔を外に出して周辺、特に上方を見た。
カレン「こっちよ、ついてきて」
次は隣の部屋に飛び込み、窓から身を乗り出して外に出ようとした。
カーク「わーー、ここは1階じゃないんだぞ」
慌ててカークとカローランがカレンを止める。
カレン「飛び降りるんじゃないわ。逆よ、外壁を伝って上に登るのよ」
ソアラ「えーー、無茶です、カレン様。外壁は人が行き来するようにはなっていません」
カレン「分かってる。だけど修繕用に足を引っ掛ける出っ張りがあるわ。昔登った事あるのよ……その後、皆にすっごく怒られたけど」
ソアラ「ですけど……、今はギルバードさんたちの砲撃が城に当たって振動も凄いし、やっぱり無茶ですよ」
カレン「確かにね。だから身の軽い私とカークだけで行こうと思う。ソアラとカローランはここに残って追いかけてくる敵がいたら足止めして欲しいのだけど、どうかしら?」
ソアラ「……カークさん、カローランさん、お2人はどう思いますか?」
カーク「僕はどっちでも良い」
カロ「ワシはカレン殿が暴走したら少々強引な手を使ってでも止めろと、ギルから言われとる」
カレン「暴走……そうね、私は1度パーティーを抜けると言って宿屋から姿を消したし、昨日だってプレセアとソアラとも別れて1人で行こうとしたものね。だけど今回は……」
黙りかけたカレンにカローランが質問をする。
カロ「勝算はあるんかいのう?」
カレン「勝算は……無いことも無いわ。無茶は承知だけど皆のおかげでここまで来れたし、カークと一緒なら何とか出来ると思う」
カロ「繰り返しになるんじゃが、ワシは暴走を止めろと言われとる。……じゃが、今回はカレン殿を信じてもエエのかもしれん。今までとは違う気がするわい。カーク、無茶でも行くか?」
カーク「まあー、やりがいはありそうだね。僕が頑張れば良いんだろ。行こうか、カレン!」
ソアラ「お2人がそう言うなら……。私からは頑張ってください、としか言えません」
カレン「皆、ありがとう」
カレンの胸が熱くなる。
カーク「ありがとう、は早いって」
カレン「終わったら、また言うから良いでしょ」
カレン(感謝の気持ちで一杯だけど、まだ何も成してない。喜ぶのは後よね)
カロ「これを持っていけ。軽くて丈夫じゃぞ」
カローランが持っていたロープ2巻をカークに渡した。
カーク「助かるよ」
カークは礼を言って、受け取ったロープ1巻は自分とカレンとを繋いて命綱とし、もう1巻は片側に錘代わりに短剣を結んで縄鏢にした。
カレン「じゃあ行ってくる」
4人の意思確認が出来たところで、早速カレン、カークの順に窓から飛び出して城壁に張り付いた。




