細胞恋愛衝動活性
家に着いた僕は急いでお風呂場に行ってシャワーを浴びた。
僕はシャワーを浴びながらニヤニヤしていた。
身体中の細胞が恋をしてるのを感じていたからだ。
シャワーを浴び終わり部屋に戻ろうとするとばぁちゃんが立ってブツブツと何か言っていた。
「なんまいだ…なんまいだ…なんまいだ…」
手に数珠をつけて僕に向かって言っていた。
僕は特に気にせずに
「ただいま!ばぁちゃん」と言って部屋に入って行った。
部屋に入ると大きなリュックを用意して、荷物を詰め始めた。
漫画や雑誌やゲーム、いろいろ愛姫の事を考えて
あれやこれや詰めていく。
お小遣いを貯めていた貯金箱を壊して、
お金もポッケに突っ込んで、リュックを背負って準備万端。
僕は急いで外に出て自転車に乗って町に向かった。
風を切りながら立ち漕ぎでニヤニヤしながら自転車を飛ばして行く。
変なのはわかってる。でもニヤニヤが止められないのだ。
町に着くと花屋さんに寄って牡丹の花を三輪買った。
それから本屋さんに行って愛姫が喜びそうな本も買った。
また自転車に乗って今度は山道を目指して
また立ち漕ぎで自転車を飛ばして走り出した。
すると途中で太と大介に会った。
「おーい!大樹!無事だったのか?ごめんな…俺達、怖くて置いて行っちゃって…心配で今から大樹の家に行こうと思ってたんだよ」と言った。
僕は「ううん!全然大丈夫だったよ。」とニヤニヤしながら言った。
太が「所でそんな大荷物でどこに行くんだ?」と聞いてきたので、
僕は山を指差してニヤニヤしながら
「あそこだよ。急いでいるからまた今度ね!」
と自転車を山に向かって漕ぎ出した。
太と大介は顔を見合わせて「取り憑かれたのかな…」
と体をブルブルっと震わせて言った。
僕はあんなに怖かった山道を自転車を押しながらドンドンと進んで行く。あと少しあと少しと。
山を上がっているからなのか、恋をしてるからなのかわからない胸の高鳴りと共に。
やっと古びた民家に着くと荷物を両手に持って民家に向かって行く。
玄関を、ゆっくり開けて「愛姫ちゃん…居ますか?」と少し心細く言った。
シーンと静まりかえってる。
少し経つとガタガタ、パキッっとラップ音がし出した。
僕は震えて「愛姫ちゃん!僕だよ…やめてよ…」とか細い声で言った。
それでもパキッ、ガタガタと音がする。
僕は勇気を出して家の中にグングン入って行った。
すると…いきなり天井から「ばぁっ!」と愛姫が顔を逆さまにして降りて来て僕を脅かした。
僕は心臓が口から飛び出しそうな程驚いたが
その驚かす顔があまりにも無邪気でそして美しかったのでますます好きになった。
愛姫が
「なんじゃ。気絶もしないしお漏らしもしないのか。つまらんのぉ〜」といたずらな顔で言った。
僕は心臓のドキドキがバレない様に
「ふふっ!もう強くなってるからね。約束通り逢いに来たよ。」と牡丹の花を愛姫に渡した。
愛姫は顔をパァ〜っとさせて
「おぉ〜おぉ〜綺麗な牡丹じゃの。ありがとう。坊や」と言ってくれた。
僕は「花だけじゃないんだ。退屈だって言ってたから沢山楽しめそうなのを持って来たよ。どこに置いたらいい?」と聞いた。
愛姫は喜び奥を指差して
「あそこにお供えしてくれんか、あそこに置いてくれれば妾も受け取る事が出来るからの」
とワクワクしながら言った。
僕は沢山の荷物をお供えして
「愛姫ちゃん!これで一緒に遊ぼう」と言った。
愛姫は僕にゆっくり近づきニッコリ笑って
「うん!ありがとう。坊やは優しいのぉ〜」と言いながら頭を撫でた。
僕は全身の細胞が喜び弾け、爆発しそうな感覚を感じた。
続