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初恋はオバケ  作者: 星 見人
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21/22

愛姫地獄廻戦伍


 戦いを終え、愛姫(あいひめ)は部屋に帰りくつろいでいた。


妖力で作った、大樹抱き枕を抱いてゴロゴロしていた。


「大樹(たいじゅ)〜!もうすぐじゃぞ!もうすぐ逢えるぞ!」と言い、

ぎゅーっと抱き寄せ

「これこれ!まだそんな所触ったらダメじゃ!」

と、言いながら妄想にふけっていた。


すると何やら視線を感じ、そちらに目をやると閻魔が立っていた。


愛姫が抱き枕の隙間から顔を覗かせて、恥ずかしがりながら「なんじゃ?!」と言うと、


閻魔は「あー!明日の説明をしようかと思って来たのだけど、お取り込み中の様だったな!」と焦りながら言った。


愛姫は「大丈夫じゃ!少しはだけておる!少し後ろを向いておけ!」と言うと閻魔は慌てて後ろを向いた。


愛姫は服を直しながら

「まったく!女子の部屋に入る時ぐらいノックせい!」と言った。


閻魔はすまなそうに、コクッと頷いた。


愛姫が服を整えて「もう大丈夫じゃ。説明を頼むぞ」と言い、座り直した。


閻魔はクルッと振り返り話し始めた。


「次の罰は、私もどう言った内容だかわからん!

この罰を受けた者が地獄に戻って来た事は一度も無い!

無事に生まれ変われたのか?そのまま闇に飲まれてしまったのかは私にもわからない…、、

それでも受けるのか?」


愛姫はニッコリ笑い

「勿論じゃ!受けぬ理由がないの!」と笑った。


閻魔は続けて

「もし、罰が終わり、生まれ変わったとして、会えなかったらどうするのだ?

もうその大樹とやらは愛姫を忘れてるかも知れん…

しかも人間に生まれ変われる保証も無い。時代も違うかも知れん…

会えなければ無意味では無いか?

それでもやっぱり受けるか?

このまま地獄に居れば役職も与えて、自由に過ごせるぞ。」と言った。


愛姫は呆れた様に

「閻魔よ。そなたは何かを想い続けた事はあるか?」と聞くと閻魔は首を横に振った。


愛姫は続けて

「人が何かを想って行動する事に、無意味な事などひとつも無いのじゃ!

妾の心は大樹と離れてからずっと大樹に向いておるのじゃ。だから何の心配もしてないぞ!

妾の行動ひとつひとつが、大樹に向かって動いておる。

何時だって大樹に向かって真っ直ぐに進んでおる!」と閻魔に向かって言った。


閻魔はコクッと頷き

「わかった。ならば明日永遠の闇の罰を受けるのを許可する!」と言い外に出て行こうとした。


閻魔は立ち止まり、くるっと振り返り

「必ず成功するんだぞ。もう会えなくなるのは寂しいな…私も君のファンだからな…」と愛姫に言った。


愛姫はニコッとして

「成功した先に大樹が待っておるなら、成功するに決まっておるじゃろ!」と閻魔にピースサインをした。


閻魔もニコッと笑い部屋を後にした。


次の日、愛姫は永遠の闇の罰の扉の前に立っていた。沢山のギャラリーに囲まれて。


「愛ちゃん!がんばれ!」

「必ず成功しろよー!」

「会えないのさみしー」

と、声援や悲しみの声を受けて、閻魔の説明を聞いていた。


閻魔は

「説明は以上だ!後は愛姫!君の頑張りに任せるしか無いな。がんばれ!」

と、言い愛姫の肩をポンポンとした。


愛姫はコクッと頷き、グッと拳を握り、高く上げて

「それじゃ!行って参る!みんな!元気でな!」

と、扉を開けて中に入って行った。




            続



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