空間圧縮的幸福大爆発
どれぐらい意識を失っていたのだろう?
薄らと意識を取り戻していく中で子守歌が聞こえて来る。
誰かに膝枕をされ胸の辺りを優しくトントンされている。
優しい声で
「気付いたのかい?驚かしてすまなかったねぇ。
あまりにもビックリする事を口にするものだから
顔が崩れてしまったよ。」と微笑んだ。
僕は震える声で
「あぁぁ、ごめんなさい。あの…その…告白の答えは貰えますか?」と尋ねた。
女のお化けは笑いながら
「お化けに告白するのかい?ふふふ、そうだねぇ。お漏らしが治ったら考えてあげてもいいぞ。」と言った。
僕は股間を押さえて照れて
「頑張ってみます!」と言った。
その僕の顔を見て、また女のお化けは笑った。
月明かりに照らされるその笑顔はとても綺麗だった。
そこから僕は沢山の質問をした。
何故、話しが出来たり触ったり出来るのか?
答えは体から[魂道]と言う線みたいのが出せて
繋がると話したり触ったり出来るみたいだ。
繋がる人は稀みたいだけど。
次に名前を聞いた。
愛姫と言う名前みたいだ。
江戸に住んで居て、江戸小町と言う茶屋で働いていて、死んでしまった理由は、町で起きた流行病が原因で、好きな物は甘い物、好きな花は牡丹、とにかく質問した。
すると愛姫は
「あぁ〜もうさっきから質問ばかりだのぉ。
妾にも少し話しをさせぇぃ。久しぶりに話しが出来るんだからのぉ。坊やの事も妾に教えてくれんか?」と質問をさえぎってきた。
僕はコクッとうなずき自分の事を愛姫に話した。
それから2人で今の話しをしたり、江戸で起きた事を話したり、お化けになってからは暴れ回ったり、妾は[日本一の大妖怪]だぞと少し嘘くさい笑い話しも含めて沢山話した。
僕が話しの途中でふと疑問に思い
「何で愛姫ちゃんはお化けになっちゃったの?」
と聞いた。
愛姫は照れて
「あぁーまぁあれだ!妾は恋をした事が無くてのぉ、その病気で苦しむ中に、強く願ってしまったのかも知れないのぉ〜。恋をしたいと…。それが未練でお化けになっちゃったのかも知れんなぁ〜」としどろもどろに答えた。
僕は真っ直ぐに愛姫を見て
「恋かぁ。僕頑張るね。あっ…でも恋をしちゃったら成仏しちゃうからなぁ。困ったな。」と悩んだ。
それを見て愛姫は
「阿呆!お漏らしを治してからだと言ったろうに。また顔を崩して見せてやろうか!」と意地悪な事を言った。
その時の僕のビクッとした顔を見て愛姫は大笑いした。
その愛姫の可愛い笑顔を見て僕も大笑いした。
楽しい時間はあっという間に過ぎて朝日が昇って来た。
愛姫は外を少し見て
「そろそろ獣も妖も居なくなる頃合いだのぉ〜。帰るなら今のうちに家に帰りなさい。その下着では気持ち悪かろう。」とニッコリ笑った。
僕は頷き帰る支度をし始めた。
それでもやっぱり帰りたくない僕はゆっくり支度をしていると愛姫が
「また遊びにおいで。取って食ったりしないからさ。昔にえらい坊主に結界を張られてからどこも行けなくて退屈だしのぉ。」と言った。
僕は満面の笑みで「また来ていいの?」と返すと
愛姫は優しい顔でコクッと頷き
「いつでもおいで。まだまだ話し足りないからの。」と言った。
僕は何度も振り返って手を振り山道を降りて行った。
隠して置いた自転車に乗り、立ちこぎで家まで飛ばして帰った。
まだ少し湿ったままのパンツで…
続