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初恋はオバケ  作者: 星 見人
16/22

初恋成就未来永劫幸福


 次の日の朝、僕は起きると

「おはよう、今日出版社に行ってくるよ」と愛姫あいひめに言った。

愛姫は「おはよう、うんっ!がんばるんじゃぞ」と言ってくれた。


2人で朝ごはんを作り、2人で食べて僕は出版社に向かった。


出版社に着いて、編集の人と色々と話しフィクションでもいい事を伝えると、契約の方向で話しがまとまった。


そして家に帰り愛姫に伝えると自分の事の様に喜んでくれた。


愛姫も「妾もやりたい事が見つかったぞ」と話し出した。僕が「何?何?」と聞くと、「カフェじゃ!妾、料理は得意な方だし、昔茶屋で働いてたから、ここでカフェがしたいのじゃ」と言った。


僕はニッコリ笑って

「愛姫ちゃんならきっと上手くいきそうだね。了解!早速改築してカフェを開こう」と言い愛姫を抱きしめた。


愛姫はビックリして

「ちょ〜っと離れるとすぐに寂しがるのぉ」と言った。


僕は抱きしめながら

「きっと上手く行く!きっとふたりなら全部上手く行くよ!」と言った。


それからドンドンと時は流れ、全てが上手く行き出した。


出版社と契約が結ばれて、江戸時代の小説が、売れ行き上々で日雇いのバイトをしないでも、家族で食べて行けるようになった。


そしてカフェの方は、心霊スポット跡地のカフェとして話題になり、怖い物見たさのお客さんが毎日いっぱい来てくれた。


もちろん、看板メニューのお芋の煮っ転がしと愛姫の妾口調はお客さんに大人気になった。


そして僕達の生活はと言うと、あれから無事結婚して、子供も産まれてとても幸せな毎日を送っていた。


毎日、大好きな物に囲まれ生きていき、これ以上無いと思えるほどの幸せに包まれて生きていく。


きっとあの子供だった頃、この場所で愛姫に逢わなければ全く違う人生を送っていたに違いない。


そしてあの時、僕がみんなと逃げていたら、まだ愛姫はこの場所でお化けとして居たかも知れない。


あの日出した僕の勇気は色んな物を変える素晴らしい物だったんだ。

そんな事を考えながら僕は生活して行った。


そしていつも通りに一日が終わり、隣に子供を寝かせて2人で布団に入った時の事だった。


「のぉ?大樹たいじゅ?」と愛姫が話し始めた。

「なぁに?」と僕も返した。


「ちゃんと言ってなかったから、ちゃんと言っとこうかと思っての。妾は何百年もずーっとここに一人じゃった。ちょくちょく肝試しに来る奴は居ても大体逃げ出してしまう。でも、大樹は違ったのじゃ」


僕はうんうんと頷く。


そしてこう続けた

「それで妾はこう考えたのじゃ。妾は大樹を待っていたんじゃと、大樹が生まれ、妾を迎えに来るのを、妾は待っていたんじゃと。ありがとうな。迎えに来てくれて!」と僕を胸元に引き寄せ、ぎゅーとして言った。


「まぁ、ちと待たせ過ぎたけどの!」と笑いながら言った。

僕も笑いながら「ごめんね。遅くなって。これからもずっと一緒だよ」と言った。


「大樹。愛しておるぞ」「僕も愛してる」と言い二人は眠りについた。


そしていつもの様に朝の「おはよう」をして愛姫はお店に行き僕は書斎で小説を書いた。


出版社に新作を頼まれたので原稿用紙にタイトルを書き終えるとお店の方から愛姫の声が聞こえてきた。


「大樹ー!お客さんいっぱいなのじゃ!手伝っておくれ〜!」

僕は「はーい!今行くー!」とペンを置き、お店に向かった。


書斎には窓から差し込む光が、花瓶に入った牡丹の花を照らす。


そして原稿用紙に書かれたタイトルを照らす。



その照らされたタイトルの名前は

[初恋はオバケ] だった。



            終


最後まで読んで頂きありがとうございます。

何とか最後まで書き終わりました。

これで大樹のお話しはおしまいです。


書いてる途中で愛姫の地獄での話しを思いついたのでもう少し書こうと思います。

少しでも気になったら読んでください。

読んでくれてる方々いつもありがとうございます。

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