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初恋はオバケ  作者: 星 見人
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同調と勇気(破壊と創造)


「それじゃ、みんなくれぐれも事故とかには気を付けて夏休みを楽しむように!夏休み明けみんなの元気な顔を見せてくれよ!」


先生のこんな言葉で僕の夏休みは始まった。


家に帰ろうと準備をしていると、友達のふとしが声をかけて来た。


「なぁ!今日、近所の有名な心霊スポットに、肝試しに行きたいんだけど、みんなで行く?」と言った。

すると違う友達の大介だいすけ

「あぁ、いいよ!でも大樹たいじゅは怖がりだから行かないよ!と言うより行けないよな!」

と馬鹿にするように言って来た。


僕は少しムッとして

「行くよ!オバケなんて怖くないからね!」と強がって見せた。


すると2人はニヤッとして

「OK!決まり!夜の7時に公園集合!逃げ出すなよー。」と言った。


僕も

「OK!そっちこそ逃げ出すなよー!」とまた強がって見せた。


家に帰り準備をして、家族に太の家でお泊まりすると嘘をついて公園まで自転車を飛ばした。


公園に着くと、もうみんなが待っていた。


太が「怖がって来れないかと思ったぜ!」と薄ら笑いを浮かべて言って来た。

僕は「怖くないって言ってるだろ!時間だって守ってるし。」とふてくされた。


大介が「おい!早く行こうぜ。楽しい夏休みの始まりだ!」


3人で山道まで自転車を飛ばして行く。


山道に着くと自転車を山に隠して暗い山道を3人で恐る恐る上がっていく。

途中でみんなで怖いながらも、驚かし合って楽しみながら上まで登っていった。


すると不意に視界が開け、古びた民家が目の前に現れた。

家の周りを杭とロープで囲ってあり、お札や立ち入り禁止のテープが貼られている。


3人がその空気感に生唾をゴクリと飲み動かないでいた。


太が怖がりながらも

「さぁ、行きますか。」と震える声で言った。

僕達もコクッと頷き、民家に突入して行った。


玄関の戸を開けて中に恐る恐る入って行く。

何とも言えない圧迫感に押し潰されそうになりながら懐中電灯で辺りを照らし見て回る。


歩くたびにギシギシと床が軋む。

大介が

「何も起きないな?やっぱり噂は噂か?」と言った。


太もひきつり笑をしながら

「ははっ…なんて事無いや。」

などと強がりを見せていたその時だった。


パキパキ… パキパキ… バキッ!バキッ!

物凄いラップ音が始まった。


3人は顔を見合わせ

「うわぁ、どうする?どうする?」と慌てた。


すると奥の襖の方からガタガタと音がしだした。

3人はいっせいにその襖を懐中電灯で照らした。


ガタッ!ガタガタ!

襖が揺れてゆっくりと開いていく。


スゥーと言う音と共に開いていく襖から真っ白な手が出てきた。


「うわぁー!お化けだー!」

と言う言葉と共に2人は逃げ出した。

僕は動けずにその場に固まってしまった。


怖くて目をギュッとつぶって、震えていた。


ゾリ!ゾリ!ゾリ!と音を鳴らしながら近付いて来る。

気配からしてもう目の前だ!「何用じゃ!?」

その綺麗な声に僕は目を開けた。


目の前に居たのはテレビでも見た事の無いようなとても美しい女の人だった。

僕が見惚れていると

「何用じゃと聞いておる!」と少し強く言われた。


僕は言葉が出ずアワアワし勇気を出してやっと絞り出した言葉は…


「好きです!付き合ってください」だった。


女の人も僕も固まり、何秒かの沈黙の後、、、

女の人が驚いた声で

「えっ!?えっ!?えーーーーーーー!?」と叫んだ。

その瞬間女の人の顔がお化けみたいに崩れ、

目玉が飛び出し、口から血を吐いた。


それを見た僕は衝撃を受けおしっこを漏らし、失神した。



            続



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