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カンテン

 「ヤベェ……緊張してきた」

 「それな……正直ここまでいけると思ってなかった」

 

 本戦のトーナメント表にDブロック代表【カラスは巡視者】がある。

 チームで選んだ名前が他のブロックで勝ち上がってきたチーム名と並んでいる。


 優勝は確定事項だけど、この光景を見たら感慨深いものがある。

 ここまでくるのにすごい長かったと感じる。


 そんなふうに浸ってた時だった。


 「あんたらナイトメア・ディザスター好きなんか?」


 ナイトメア・ディザスター? なんだその厨二病が考えたやつは。


 「知らんの? お前らが見てたそのDブロックを突破した【カラスは巡視者】って奴だよ。そのチームのハンターが悪夢を使ってるから“ナイトメア・ディザスター”やって。今まで無名だったチームが勝ち上がってきて周りはダークホースと騒いでんで?」

 「「まじか!!」」


 あおりとハモってしまった。けどそれほど驚いた。

 自分らは勝つことに必死だったからな。周りの目なんて気にしてなかった。

 けど話題にされるのは嬉しいな。あおりも先ほどまで現実味が湧かないみたいなこと言ってたけどめっちゃニヤけてる。


 「サバイバーは連携が取れててすごいし、特にカーボーイの人と教授の人やな! この二人が飛び抜けて上手いんや!」


 あおりがすんごいニヤけてる。その教授を使ってるのは正真正銘あおりなのだ。

 ちょっと気持ち悪いと思っちまったけど、心の中に留めておこう。


 「ま、けどこのチームはハンターにある! 今のところずっと4吊り! たぶんサバイバーの人たちもハンターを信頼してるから伸び伸びとプレーできるんやろうな! まぁ、逆も然りやけど」


 あ、あかん。あおりがキモいニヤけ方するのわかるかも……口角上がる。


 「雄馬、キモい顔してんぞ」

 「マジかよ……」


 デリカシーな……顔が良くてもモテない理由だわ。

 いや、モテてんのか……クソが!


 「ホンマすごいわ! 大会とか無名のやつが勝ち上がるのワイめっちゃ好きやねん!」

 「そ、そっか!」

 「やっぱダークホースって大会に一枠は必要だよな〜」


 ダークホースか〜〜いざ、言われてみると無名の俺たちが上がってきたらそう思われるよな〜〜

 きもちぃぃぃぃいいいいい!!!


 「あんたら、大会は初めてか?」

 「そうだな」

 「じゃあ俺になんでも聞いてくれ! 俺は常に第五人間の大会の中心にいる男! “カンテン”だからな!!」


 ばーんと手の甲を地へと向け人差し指で俺たちを指し示す。

 な、な、なんかかっこいい!!


 「俺は大会の常連だからな。いろいろ教えてやんよ」

 

 そういうことならいろいろ聞いちゃおっかな。勝ち上がるのに夢中で他の対戦相手の情報とか全然知らないし。


 「それじゃ、この本戦に出場してる人たちについて教えてくれない? そういうの全然調べてなくて」

 「おう! いいぜ! そういう情報は任せろ!」


 初対面の俺に快く情報を教えてくれるカンテン。各ブロックを突破してきたチームの情報は俺を心から滾らせた。


 話を聞くだけで強敵だと伝わる。一筋縄では勝てない相手。やべぇ……滾る。

 合法的にゲームをするための実績獲得のために参戦したけど、いまは純粋に早く戦いたい!! と思っちまった。


 「すごいな……こんな情報を集めるカンテンもすげぇーけど。教えてくれて本当にありがとうございます」

 「よせやい! そんな堅苦しいの! 俺たち大会であった仲や! もう友達や!」

 「イェーイ! 友達〜!!」

 「友達〜!!」


 なんだその理論は。あとあおり! 適応能力高すぎやって! なんか俺がノリ悪いみたいなやつに思われちまうだろ!


 あ、そういや。


 「このチームは? 他は教えてもらったけどこのチームはまだ教えてもらってないな」

 「あ、確かに。このGブロックの【鬼没は御守り】ってやつ。いっちゃんネタに走ってるチーム名だよな笑」


 全8チームいる中でこのチームだけ教えてもらってない。


 「まさか! このチームは常に第五人間の大会の中心にいる男でも知らないのか!?!?」

 「あーそれはなーって! 絶対イジってるやんそれ!」

 「いやいや〜あんなカッコいい登場されてイジるわけないじゃん笑」

 「深みを出してきたな! そんなん言われたら恥ずかしかなってくるやんか!」


 よし! いい感じ。多分ノリいいやつだと思われた!


 「んじゃ〜なんだよ〜このチームは教えてくれないの〜?」

 「えっとな、このチームは俺のチームなんだ」

 「なるほどな〜だってよ雄馬」

 「へぇーカンテンのチームか……」






 

 



 「「へぇ??」」

 「俺のチーム」


 聞き間違えではなかったようだ。けど驚きを隠しきれない。カンテンのこと勝手にどんな大会にでもいる、いろんな情報を持ってる観客だと思ってた。

 あおりも俺と同じことを思っていたんだろう。あのあんぐり顔みたら分かる。


 「これから一回戦始まるんや。お前ら気に入ったから俺のファンにしてやるよ! 絶対後悔させへん試合見せてやっから!」


 まだ脳が処理しきれてない。言葉が出なかった。


 そんな時にアナウンスが流れた。


 《まもなく本戦がはじまります。第一回戦のBブロック【GMRL】とGブロックの【鬼没は御守り】のメンバーは招集場所にお集まりください》


 「おっ! 呼ばれた呼ばれた! んじゃーな!!」


 カンテンは手を振り招集場所に駆けていった。

 俺とあおりは未だ立ち尽くしたまま。


 俺たちは3試合目。



 カンテンと試合をするとしたら決勝の舞台だ。


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