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浅羽摩利の苦悩(2)

 *浅羽摩理*


 「なんでバレてんだよぉぉお゛!?」

 『もうしわけありません! な、何故か全ての全容をバラされて……』

 

 話は小平の制裁が終わったところに戻る。

 電話の相手は渡部部長だった。

 枚田の制裁の件で彼は電話してきたのだ。


 「誰だよ!? 誰がそれを全部知っていたんだよ!?」

 『ひ、枚田という……新しく雇った従業員で……鷹葦のマネージャーを任せていました』


 ひ、枚田!? あの枚田か!? 私が切ったあの……


 クソが……面倒なことしよって!


 『それで……聞きたいんですけど……向井くんの事故って……彼が悪いんじゃなかったんですか……?』

 「は? どういうことよ!」

 『だから、あなたが私にいったじゃないですか……向井がやらかしたって……』


 は? こいつ何いってんだよ? こっちの最爽がやらかしたに決まってんだろうが。


 

 浅羽摩理。彼女が副社長という地位まで登ってこれたのは……いつでもどんな時でも“冷静”に思考を動かし対処してきたからだ。

 そのため、向井と最爽とのコラボ事件も現状を冷静に判断して対処した。

 やり方は卑劣でもそういう冷静さが彼女の売りだった。

 だが、今回の炎上、小平による制裁により彼女の冷静さは失われていた。


 「は? 何を今更! こっちの最爽がやらかしたのを隠蔽したんだよ! あんたはバカだから簡単に騙されたわ!」


 躍起になって放った。

 

 『こ、こ、この野郎! お前が俺を騙したから俺は今窮地に陥っているんだぞ! 何してくれるんだ!!!』

 「はぁ〜? 騙される方が悪いんだろ!? 恨むなら自分の頭の悪さを恨め! 私はお前なんかに構ってる時間はもうない!!」

 『な……僕を見捨てるんですか!?』

 「アホ狸が粋がるなよ。こっちはこっちでやばいんだよ……」

 『ち、ちょ、ちょっと…ブチっ

 

 そのまま電話を切った。

 けど、これってどうなるのよ……小平が促したあの謝罪ツウィートも荒れに荒れている……当然よ! 事件の犯人が罪を認めたと同じよ! 荒れないはずないわ!


 どうすれば……どうすれば……あぁぁぁぁぁあ!!


 そんな時だった彼女が現れたのは。


 「私が留守の間にやらかしてくれたわね……」

 

 私の目の前にはこのラピスベリーで私ですら頭が上がらない存在……


 「しゃ、社長……!?」

 「話を聞こうかしら。ま、嫌でも情報は入ってきてるけど」


 

 ****


 

 「本当に申し訳ございませんでした!!!」


 私は深く深く頭を下げた。

 当然、今回の騒動についてだ。


 「う〜ん。流石にやばいって〜本当に何してくれてんの〜」


 社長は回る椅子に座りながらぐるぐる回転しながら話した。

 

 「わ、私はラピスベリーを発展のために……」

 「だからって人を騙してする? ふつー? 君やばいよ〜?」

 「あ、ははは……」

 「いや、笑えんて」


 毎度毎度何を考えているか読めない……本当に私は人と話しているのだろうかと思える。


 「いや〜ね? さっきエターナルの社長から直々に連絡があったわけよ〜。やべ〜やべ〜って。こっちもやべ〜やべ〜って思ったからすぐ帰ってきたわけよ。

 せっかくうちの配信者達たちの番組の枠もらったのに……」

 「ば、番組枠!?」

 「そそ、8チャンの関テレ。本当に苦労したんだよ〜? 何回も頼み込んで頼み込んで〜からの打ち合わせ打ち合わせ〜で」


 関テレといったら超有名なテレビ局! そんな局で我々Vtuberの番組を設けることができた!? 

 長いこと帰ってこないと思ったらすごいことをしてきている!?


 「けど参ったな〜この騒ぎじゃ番組なんていってられないね。

 はぁ〜全部パーか……本当にやってくれたな……」

 「ま、申し訳ございません!!!」


 さっきの顔はやばい……!? 反射的に謝ってしまうほど、殺気がこもっているような顔であった。


 「もういいよ、聞き飽きた。せっかくなんか頑張ってるように感じたから副社長任せたのに……もういいや、“明日から来なくていいよ?” 後処理も私たちで頑張るから」

 「!?」


 この言葉は……クビ……!?


 「……そうですか。今までありがとうございました」


 今の段階でクビ……致し方ない。切り替えよう。

 ここで副社長まで上り詰めたからこそラピスベリーから離れるのは残念だが、ラピスベリーで副社長を張っていた経歴はデカい!

 この経歴は私の武器になる。この武器さえあれば再就職も簡単だろう。

 それに私の学歴は誰もが欲しがる啓應大学を卒業している。

 どこの会社も喉から手が出るほどの人材だ! 

 

 私は今悩まされている炎上から手をひけるだけで意気揚々としていた。

 そして次の未来のために歩き出し、社長の部屋から出ようとした。


 「あ、いってなかったけど〜ラピスベリーっていろんなところから、商品の宣伝とか頼まれるわけよ〜だからいろんな会社とコネクトあるわけね〜君の所業は広めてあるから、他のところ雇ってくれるといいね〜」

 「え……」

 「はぁ〜この炎上どうしよ〜」


 バタン


 浅羽摩利の未来は社長室の扉と同時に閉まった。


 ラピスベリーの会社はここ一つしかない。そのため全国各地の会社から『宣伝してくれ〜』『PR頼む〜』というのがやってくる。


 浅羽の所業は社長によって広められた。それは全国の会社に広まったと同義。


 彼女の雇う会社などどこにもない。


 最後まで読んでくださりありがとうございます! 次回も読んでくれると嬉しいです!

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