奥さん! 普通の大根の話を忘れてましたっ!
野菜の話しかしていない、当エッセイに今日もようこそー。はっきり言って『料理をしない人』にはまったく興味の持てない話ばかりですね。しかも、スーパーしか行かない奥さまには微妙に刺さらない。
さぁ、ニッチなとこを今日も掘り進めましょー。
今日は、白い普通の大根さんです。前回は色つきの大根でしたからね。むしろ、目利きに関しては普通の大根の方が知りたいでしょうし。
さあさあ、開幕。
大根さん、原産地がいまいち分かっていません。ただ、ピラミッド建設の人足たちはラディッシュのような二十日大根を食べていたらしいです。スゴいですね。
どうやら大別してヨーロッパ型と中国型があり、中国から日本に渡ったものがさらに進化した日本型に別けられるようです。
面白いことに白い大根は英語で Japanese radish となってます。独自進化して日本の物になっちゃったみたい。日本の中でも各地域で分化して、やたらながーい守口大根や十キロもある桜島大根とさまざまな品種があります。
なんかのテレビでヨーロッパでも白い大根が出回っているとか。daikonで、通じるとか見た気がします。
だいたいスーパーでは青首大根ですね。最近の家族構成だとやたら大きい大根は売りにくいですからねー。ハーフカットでも多いって人もいそうです。
ではでは、目利きタイム。……の前に大根の部位と食味についてー。大根が一本を葉っぱ側の上部、真ん中の中部、細くなっていく下部と、三等分にわけます。
上部は、水分多めで甘味があり辛みは少なめ。
中部は、甘味、辛みがバランス良くあります。
下部は、水分少なめ、辛みが強めです。
上部は大根サラダやスティックで、みずみずしさを味わいたいですねー。
中部は大根ステーキなんかどうです? めんどくさそう? 適当に隠し包丁入れて、蓋して蒸し焼きにしたら、焼き肉のタレでも絡めとけば完成ですよ。味付けにまよったら『黄金○味』に頼っとけばいいんです。肉も野菜もー。
下部は大根おろしー。辛いのをパリパリの油揚げにどーんと乗せて『雪虎』完成。しょうゆ掛けて、じゅわーでお酒をきゅー!
は! すいません。トリップしてました。でも酒の肴に良いですよ。
と、部位によって違いがありますので、スーパーのハーフカットを買うときも参考にどうぞ。
さて、目利きに戻りましょう。まず、葉っぱが付いてるなら新鮮で萎れて無い物。大根の肌が白くてツヤツヤしてる物が良いですね。割りと水分が飛びやすいので、日が経ったものはすぐにしんなりしてます。ひげ根を取ったあとの穴があまり多くないもの。この辺は一般的な話かな。
直売所向け目利き、ステップアップです。
先程のひげ根の跡以外に、ぶつぶつと穴のようなものが広がっている大根が売られてたりします。これは病気やセンチュウという、土中の生物の刺し跡です。なぜかうちでは『かし』と呼んで、大根の他にもカブに出ます。
『瑕疵』からきてるのか……。まぁいいや。この『かし』が広い範囲に沢山出ていたら、他の大根の半額でも買わない方が良いでしょう。
固くなっており、苦味やえぐみがあります。
この『かし』がびっちりと出ていたカブは、包丁が通りませんでした。カボチャより固いんでやんの……。
本来、出荷してはいけない物ですが、どこにでもズルくて強欲な人がいますので。農家にも残念ながらいます。直売所に買い物行く奥さんは、自衛のために覚えておくと良いですね。
あとはー、ひげ根の跡が一直線な方が、素直に真っ直ぐ育っていますのでより美味しいです。
奥さま上級者向けは、生産者に『品種特性』を聞いてみる、ですね。みんな一緒だと思いがちですが、同じ種メーカーの中でもAとBでは全く違っています。
私の例ですと、二つ品種を同じおでんにしたとします。Aはコンビニのおでんの様に、煮崩れせず箸でしっかりつかめますね。
しかし、B。同じ時間煮たはずが、輪切りの大根の真ん中がへこんでいるではないですか。そして、箸で持ち上げようとすると自重で二つに切れてしまいました! こんなに違うんです。
Bは早く煮えやすく、とても柔らかい。しかし、けんちん汁の二日目などでは『煮溶けた』様になり形が無くなってしまったりします。
一般家庭でならBは良いのですが、見栄えの大事な飲食店さんだと困ってしまいますねー。
どちらが良い悪いではなく、使い分けが大事ですね。
うーん、なんか面白い話は出来ませんでしたねぇ。あ、ひとつ豆知識? 粗拾い?
時代劇で青首大根が出てくると、げんなりします。青首大根は、昭和になってから出てきました。江戸時代は首も白いのです。では、また。
ブクマ、評価ありがとうございます。