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蒼空の鉄騎兵―斜陽の戦線にて―  作者: Karabiner
ジークフリート戦線
37/68

Falcon hunt 2


 『――――――というのが敵航空勢力による被害状況だ』


 シュタウヘン少将から俺達【第701試験戦闘団】を狩るために連合国軍が大量の航空機を投入したことによって西部戦線の沿岸部を中心に味方部隊の被害が増えているという話を聞かされた。


 「ということは、我が隊に出撃命令が下されるのでしょうか?」


 敵航空機部隊は艦上戦闘機が部隊の中核を成していて【第701試験戦闘団】を見つけられないために腹いせのように味方部隊に機銃掃射を加えていくのだという。


 『心苦しいが、そのとおりだ』


 あくまでも【第701試験戦闘団】を狩るために敵が大量の航空機を投入してきたというのは仮設でしかないのだが国防軍上層部は、その仮説を鵜呑みにしてしまっているため、【第701試験戦闘団】をおとりに使って味方部隊の損害を減らしたいという考え方でまとまっているという話だ。


 「部下のためを思えば、その命令を受けないという選択肢が正解なんでしょうね。だがその選択肢は―――――」

 『すまないが、最初から用意されていないようだ』


 受話器の向こうのシュタウヘン少将の声は沈痛な声だった。


 『だが、空軍ルフトバッフェの第3航空艦隊、帝都防空艦隊が作戦への協力を申し出てくれた。作戦は立案中ではあるが相当数の航空機の作戦参加が見込めるはずだ』


 なにも暗い話ばかりではない、と暗にシュタウヘン少将が言った。

 空軍ルフトバッフェを投入すると言っても戦闘機は、防空戦闘で忙殺されているから、動員できる機体は夜戦用の機体の可能性が高かった。

 航空艦隊は、2部隊に分けて運用されていて戦闘機で編成された昼間戦闘部隊と、双発の重戦闘機で編成された夜間戦闘機とがあり、おそらく使用可能なのは後者の方だ。

 それならーーーーー


 「ひとつ考えが浮かんだので言っても良いでしょうか?」

 『というと?』


 シュタウヘン少将が続きを促す。

 

 「使えるのは、夜間戦闘機のたぐいでしょう。なので、航空魚雷または航空爆弾を装備させ目標は、敵艦撃沈とします」


 受話器の向こうから唸り声。


 『連合国軍の艦船は、対空砲火が濃密だと聞く。それでは、空軍ルフトバッフェが同意するまい』


 それはその通りだ。

 航空機の安全の確保ということを考えれば、空軍は《ルフトバッフェ》は、航空機の作戦参加を渋るだろう。

 機体を失いたくはないしパイロットを養成するには、長い期間と多くの資金を費やす。

 だが、航空機の安全が保証されていればどうか?


 「ならば、航空機の安全が確保されているとすれば?」

 『そんな方法があるというのか?』


 代わりに失う物はーーーーー第701試験戦闘団のパイロットの命だろうがな。


 「えぇ、ただ用意していただきたいものがあります」


 作戦を達成するための条件は

 ・対空レーダーを使用不可にすること。

 ・敵の機銃手の視界を遮ること。

 があげれれる。

 

 『詳しく話を聞こうじゃないか』


 やや懐疑的では、あるがシュタウヘン少将は俺の話に食いついた。


 「俺が今、立案した作戦はーーーーー」


 シュタウヘン少将がこの話の後、強く空軍ルフトバッフェに協力を依頼したことにより作戦の実施が決定したのは2日後のことだった。

 

 

 



今後の更新の予定については、活動報告を見ていただきますようよろしくお願いします。

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