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現在、この世界には、大きく分けて五種類の生き物が存命する。人間・混血者・獣・妖・ハンターだ。人間と混血者は共存し、残りの三種と死闘を繰り返しながら生きてきた。
この中で最も恐れられているのは、ハンターである。
ハンターとは、人間のような姿をした獰猛な化け物だ。体長はウサギくらいの小ささで、眼球がなく口が顔の半分を占めているのが特徴だ。下半身には草で繕ったスカートのような物を巻き、茂みに身を隠しながら人間が通るのを待ち構えている。そして、群れで襲いかかり、骨の髄まで喰らい尽くす。
これまでに数多くの人々が餌食となったが、恐れられている理由はこれだけではなかった。
たとえば、獣。獣を頻繁に狩りすぎると、彼らの生殖が間に合わず絶滅に追いやられるが、ハンターはそうではなかった。どれだけ始末しようとも一向に数が減る気配はなく、それどころか増殖しているのだ。しかし、ハンターには生殖機能がなく、また拠点となる場所も発見されていない。
調査する度に謎だけが深まり、比例して死人は増えていった。
そんなハンターを相手に先駆けで戦ってきたのは、王家と呼ばれる一族だ。王家は人々を守るために闇影隊という組織を結成し、そのほとんどが英雄となった。
今では、闇影隊は他国にも設置されている。
闇影隊育成訓練校・歴史の教科書・15ページ記載――