表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

こんなですけれど私 サンタクロースなんです

挿絵(By みてみん)


 クリスマスイブの空は

 雲も無く晴れ渡っています。

 都会の空は明るすぎて

 見える星は少ししかありません

 本当はもっといっぱいの

 星たちが輝いているはずなのに

 風は冷たいけれど我慢しなくちゃ

 よい子たちが待っているから



 サンタクロースと言えば

 白いお髭のおじいさん

 大きなお腹に赤い服

 トナカイの引くソリに乗り

 肩に担いだ袋の中には

 よい子のためのプレゼント

 だけどあんなに太っていたら

 煙突からは入れないでしょう



 こんなですけれど私 サンタクロースなんです

 歳のころは永遠の二十二歳

 十七歳じゃお酒が飲めないからね

 本当の歳? それは ナ・イ・ショ

 正しい制服はズボンなのだけれど

 私はミニスカ&ハイヒール

 だってその方が可愛いでしょう?



 毎年イブは大忙し

 よい子のためにプレゼント配り

 デートしている暇なんか無いの

 私の憧れはクリスマスデート

 やさしい彼が予約してくれた

 素敵なお店でお洒落なディナー

 お酒もちょっと飲んじゃったりして



 ほんのり赤味を帯びた頬を

 あなたの肩にピッタリつけて

 やさしい温もりを感じながら

 イルミネーションの美しい

 都会の街を散歩したいの

 考えただけで幸せなとき

 でも私には無理なこと



 さてと、妄想はこのくらい

 よい子たちが待っているから

 屋根付バイクにまたがって

 後ろのボックスにはプレゼント

 まるでピザ屋のお兄さんみたい

 だけれどこれが私のスタイル

 もちろん煙突からなんて入らない

 だってマンションに煙突は無いでしょう?



 サンタクロースは妖精だから

 どこからだって入れるのよ

 窓からだって入れるし

 壁だってすり抜けられるの

 だから安心してね

 あなたの家にも入れるから

 煙突が無くても心配しないでね



 さてさてこれで最後よね

 よい子のみんなのプレゼント

 役得って言うのかしら

 最後の一つはあの人へ

 もうすぐ朝になる時間

 あなたは眠っているかしら

 今すぐ届けに行くからね



 たどり着いたあなたのマンション

 眠っているとは思うけれど

 玄関前で化粧を直す

 だってあなたに会うのですもの

 一番綺麗な私でいたい

 鏡で全身をチェックしてから

 そっとドアをすり抜ける



 リビングルームに飾られた

 ふたりで買った小さなツリー

 寝室からはあなたの寝息

 そっと近付きあなたを見詰める

 寝顔も素敵な私の彼氏

 このままずっと見ていたいけれど

 もうすぐ朝が来てしまうのね



 枕元にそっと置く

 愛を込めたプレゼント

 あなたの寝顔にキスしたいけれど

 そんなことをしちゃダメよね

 あなたを起こしてしまうから

 後ろ髪を引かれる思いで

 あなたの部屋を後にするの



 目覚めたあなたはどう思うかしら

 私からのプレゼント

 明日からは普通の女の子

 必ず連絡ちょうだいね

 寝不足だけれど大丈夫

 目の下に出来たクマだって

 化粧でなんとかごまかすから






お読みいただきありがとうございます。

楽しんでいただけたなら幸いです。


ログイン無しでも感想を記入いただける設定にして有ります。

よろしければ一言だけでも記していただけるとありがたいです。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ