表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/11

あいうえおあお、あめんぼあかいなかきくけこ

「はい、フロイデ、さ·し·す·せ·そ·さ·そ」


「さししゅ…ふぇえぇ」


「うん、大丈夫、ゆっくりお口を動かして。」


「しゃ…ふみゅぅう!!」


発音出来るように練習をマテウスさんとしてますが、どうにも上手くできなくてイライラ。悔しいやら情けないやらで、涙が出てきます。


「よしよし。焦らないで、フロイデ。慣れれば直ぐ出来るようになるから、大丈夫。」


「うぇ、ひっくひっく…ふぇえぇ…」


「どうする?今日はやめる?俺は時間もたくさんあるから、すぐにこの練習しなくてもいいと思うけど…」


「ひっく…やる…はやくちゃんとまてうしゅさんのなまえもよびたいの…じぶんのなまえもきちんとしょうかいしたいの…」


もちろん、魔力のこともありましたが、私の名前も、マテウスさんの名前も私には発音が難しいサ行とラ行が入ってます。自分の名前は言えて当たり前、保護者で婚約者のマテウスさんの名前も何度も呼ぶことになるのできちんと発音したい、という思いで練習をし始めたのです。

そう言うと、マテウスさんは嬉しそうに私の頭を撫でて抱きしめてくれます。


「嬉しいよ、フロイデ。でもね、君はまだ生まれて間もないんだ。ここの空気にも、世界にもまだ慣れていないハズ。出来ない事があって当然、でも、その出来ない事を頑張ろうとする姿勢は素晴らしいよ。」


「まてうすしゃん…」


「さ、今日は色々あって俺も疲れたなー」


「!!まてうすしゃん、やすむの!やしゅまないと!」


大変!私は自分の事ばかりでマテウスさんの体調を考えていなかったのです!そうです、軽いとはいえ私を運び、私の練習に付き合ってくれたのです、疲れていないハズはないのです!


「うんうん、休まないとね。」


「べっと!」


「そうだね、一緒に行こうか。」


「ねる!」


私はクスクス笑うマテウスさんに抱き上げられて、寝室へと行き、何故か一定のリズムでぽんぽんと撫でられ、いつの間にかマテウスさんより早く眠りについていたのでした。

あれぇ?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ