マテウスさんと。
さて、家に入ると一人暮らしにしては広いですがお屋敷というほど広いわけではないようです。住みやすそう。
「さ、フロイデ。君の部屋に案内してあげよう。」
「あい、まてうすしゃん。」
とりあえずマテウスさんに降ろしてもらい、ゆっくり歩いてくれるマテウスさんの後ろを歩く…よりも飛んだほうが早いのでふわふわ。
「…フロイデ」
「あい?」
「飛んだほうが楽かい?」
「あい。らくです。ふわふわしてるほうがはやい?かな?」
「そうか…」
考え込むマテウスさんの周りを不安になって飛び回るとこちらに気付いたマテウスさんに笑われてしまいました。むむう。
「大丈夫だよ、不安にならなくてもおかしくなんてないし、君は君だ。自由にしてて。」
「でも…」
「君が君だから俺は好きになったんだ。まだ君のことについて知っていることは少ないから、もっといろいろな君を見たいな。ゆっくりでいいから、俺のことも知ってほしいし、ね。」
「…んむ…わかりました」
そして私のお部屋に到着。準備してくれていたのかクローゼットに机、フカフカしている椅子、色合いは私をイメージしてくれたのかクリーム色が主体で小物は寒色。でも…
「まてうすしゃん、ベッドは?」
「…ああ、しばらくは俺と一緒に寝ようね?」
「ふぇっ?」
…そういえば私は赤ちゃんなんですね。普通に話せて歩けるから忘れてました…
「…あーい。」
二歳児が保護者なしに寝ることは不自然ですね。ここは魔族でも過保護なんでしょう、きっと。
「他は何か必要なものはあるかい?」
「んと…かくのとかほしいです。あとは…ほん?」
「じゃあ、ノートとペンと…どんな本が良いかい?」
「…ちしきけい?」
「物語とかじゃなくていいんだね。そういうのなら書庫があるから後で案内しよう。」
「しょこ!」
本がいっぱいあるのはうれしいですね。知識は武器です。お勉強は楽しいです。
「フロイデは知識系なんだね。魔族にも種類があるのは知っているかい?」
「しらないです。」
「魔族には力、知識、魔術のそれぞれの適性があるんだ。俺は魔術適性。君は知識適性があるみたいだね。別に魔術適性がないからって魔術が使えないわけじゃないし、力の適性がないからって力が弱いわけじゃないんだ。」
「とくいなことがありゅってこと?」
「うん。そういうこと。今度、兄貴にでも会わせてあげるよ。兄貴は力適性があるから。」
「…むきむき…」
「ぶっ!くくくくく…」
ムキムキなお兄さんを想像してそうつぶやくとマテウスさんが吹き出して笑っています。違うのでしょうか…
「くく…答え合わせは本人に会ってからな。」
「あい。」
楽しみです!