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プロローグ
どうも、初めましてこんにちは。
私は鈴木由紀子、24歳独身OL。何の変哲もないメガネでボサ髪の社会の歯車の一人でありました。
かっこいい彼氏がいたことも、かわいい友人がいたこともない枯れた人生に満足していたところです。
なのに。
「なに、この状況…」
パァッと光る魔法陣らしきものが足元に現れ私の空を包んでいく。よくある小説のパターンだけど、こんな枯れたオバハンを連れて行って何をするのだろうか。ちょうど会社からクビになり、不況嫌だわー、最悪だわーとホームレスになりかけていたところでのことだからこの世界に家族もいないから抵抗もしないんだけど。
「うーん、異世界に転勤すると考えて生きようかな。」
まあ、このまま死んでも特に未練はないかな。そう考えながら心地よい暖かさの光に身を任せた。