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エアリィさんとデート。



「ん、もうそろそろ時間かぁ」



読んでいた本をぱたむ、と閉じて立ち上がり体を軽く伸ばす。

え、何読んでたかって?

タイトルは『もじをならおう』と『かずってな~に?』だ。

明らかに子供向けの教本ってか絵本だけど今の僕にはコレがちょうど良いレベル。

僕が文字を読めないと知った美由里が貸してくれたんだ。

や、悔しくは無いし久しぶりに美由里と『妹がセンセイ!?わくわく個人授業』とか遊べたからいいんだけどね。

……内容は至って健全ですよ?



「っと、早く準備しなきゃ」



最早デフォルトになりつつある黒の上下に着替える。

麻袋を漁ったら大量に出てきたんだ。

蔦の刺繍や襟元のデザインとか、細部がちょっとずつ違うのがポイント。

今日は蔦が互いに絡まりながら伸びていく模様のでいいかな。

新調した白塗りの衣類タンスの中から目的の1着取り出す。

家具は昨日の午後に取り揃えた。

みんなでいいものを選んで買ったせいで懐は寂しくなっちゃったけどね。



――今日はエアリィさんとデートだね。



昨日のじゃんけん大会、見事初戦を制し一番乗りを飾ったのがエアリィさんだ。

今日の昼12時から明日の朝11時まで、僕の身柄はエアリィさんの預かり。

何をしようか尋ねたら、デートがしてみたいって言われた。

散々デートの良さについてミナから聞かされたらしく、恋する乙女モードに入ってた。

っと、待たせちゃ悪いよね。

手早く着替えて広間に降りると、エアリィさんが落ち着かなそうに耳をピクピクさせていた。



――うわぁ……まるで絵画のお姫様みたいだ。



サラサラと揺れる薄い金髪をポニーテールにしていて、いつもの落ち着いた雰囲気とは違った勝ち気っぽいというか活動的な感じがまたイイ。

淡い緑のノースリーブのブラウスと白のフレアスカートで女性らしさを演出しつつも、媚びないかわいさがエアリィさんの素の美しさを存分に引き立てている。

でも浮き足立ってるっていうかちょっと不安そうな姿が、庇護欲をそそって心にキュンキュンくる。

様子を窺ってみると、エアリィさんはまだ僕に気付いてないみたい。



――ちょっといたずらしてみよっかな?



足音を消して後ろから忍び寄る。

バレないように魔法で認識阻害しておく。

むっふっふ、驚いてくれるかな?

そ~っと背後に立って認識阻害を打ち消し肩を優しくむにっと触ってみた。



「エアリィさぁん?」

「うなぁっ!?」



わ、びくんって飛び上がっちゃったよ。

いたずら成功、とニンマリしながら体を離すとエアリィさんがバッと振り返る。

思いっきり驚いてたけど、やったのが僕だって解ると呆れたように息を吐いた。



「ユーリ君、余り脅かさないでくれ。ただでさえユーリ君と……その、初デートで緊張しているんだ、心臓が破裂してしまうよ?」

「あはは、ゴメンなさい。エアリィさんガチガチだったから、ちょっと緊張をほぐしてあげようかなって思いまして。似合ってますよ、その服。とっても素敵です」



気恥ずかしさをごまかしながら、先制パンチを放ってみる。

前の僕なら黙ってるとこだけど、今の僕はミナと付き合ってる分ちょっぴりオトナ。

だからこういう時は僕がリードするのが当然だよね。



――うん、我ながら発想というか思考がキモイ。



前の僕なら間違いなく「リア充爆発しろ」って言うなぁ。

まずミナっていう小さな女の子に手を出した時点で鬼畜なのに、これからエアリィさんとデートするのがみんな公認って最早ギャルゲーの主人公状態じゃないか。

そんな風に早くも思考を走らせる僕。

やっぱりなんだかんだで僕も緊張しているみたいだ。

特有のパニックも出た所で意識を戻すと、エアリィさんは俯いて顔を真っ赤にしてた。

昨日解ったんだけど、エアリィさんは相当な照れ屋さんだ。

歯の浮くようなセリフには反応しないけどストレートな言葉には弱いみたい。




「かわいいですよ、まるでお姫様みたい」

「うぅ……は、恥ずかしいから余り見ないでくれないか?」

「無理です、こんなに綺麗でかわいいエアリィさんを放っておいたらバチが当たっちゃいますよ」

「う、にぅ……」



きゃー、にぅですってよ奥さん!

かわいいっ、たまらんっ!

もじもじしながら上目でチラチラと僕を見る姿はもう小動物そのもの。



――よし、今度四次元麻袋を漁ってネコミミ帽子を探そう。そしてエアリィさんに被せる事に決定。



色々とダメな決心を固めた所で、右手を前に差し出した。

きょとんとするエアリィさんに、満面の笑みを向ける。



「さ、一緒にデート行きましょうか。お手をどうぞ、お姫様」



長く綺麗な耳の先まで真っ赤にして俯きながら、それでもおずおずと僕に手を伸ばす。

重なった掌から伝わる体温がこそばゆい。

優しく手を引きながら、僕は街へと繰り出した。

太陽は今日も眩しい。

今は乾期の真っ只中で、地球で言う6月近くに相当するらしい。

ちょっぴり開放的な気分を味わいつつ、隣を歩くエアリィさんに微笑んだ。



「まずは買い物でもしましょうか」





あっちへふらふら、こっちへふらふら。

立ち寄った露天商を冷やかしながら買い食いを楽しみ、たまにある怪しげなマジックアイテムを眺めては隣の屋台から漂う匂いにお腹を鳴らす。

そんな気ままなデートをしていた。

お互いに緊張も解け、手を繋ぎながら商店街を練り歩く。



「あ、エアリィさん。なんか美味しそうですよ、焼き鳥みたいなの」

「それはクック鳥の胸肉を果物や香草で臭いを消し下味を付けたものを、木炭で炙り塩を振って味付けしたものだよ。大陸北部では一般的に食べられている料理だね」

「博識ですね、流石エアリィさん。おじさん、それ6本下さい!」



意外というか、エアリィさんはとってもグルメで美味しいものを探して旅をしていた時期があったんだって。

色々食べ歩いたから料理についての知識は勿論、作る腕前もなかなかすごい。

宮廷料理人にもなれるんじゃないかな?

おじさんから焼き鳥を受け取りエアリィさんと半分こ。

かぶりつくと肉汁と脂がジュワーって口の中に広がって、程良い塩加減と共に香草の香りが喉から鼻に抜ける。

美味しいです、シェフを呼べ!

なんちゃって。

そんな風にまったりしていると、ミナと入ったアクセサリーショップを見つけた。



――エアリィさんにも、何か素敵な装飾品を選んであげたいな……よしっ。



「ん、どうしたんだいユーリ君?」

「ちょっと行きたいお店があるんです。良ければ行ってみませんか?」

「ふむ……なにやら面白そうだね。じゃあユーリ君、先導を頼むよ」



手を引いて扉を潜ると、この前の店員さんが出迎えてくれた。

連れている女の子が違うから変に思われないか心配だったりするけど、まぁそこは割り切っていこう。

数々の珍妙な品物に目を輝かせるエアリィさんは、僕の手を握り締めてぶんぶん振りたくる。

自由に見て回っていいですよ、って告げたらすごい勢いで左の棚へ向かって行った。

なるほど、あそこは猫コーナーか。

取り敢えず装飾品の棚を覗いていると、窓際に飾られているブローチに目が止まった。

向日葵を象った虹水晶のブローチ。

主張し過ぎず華やかに咲く姿が、まるでエアリィさんみたいだ。



「花言葉は『憧れ』宝石言葉は『尊敬』です。これを贈るなら『私は貴方を慕い共に歩んで行きます』といった意味になります」



いつの間にか隣に控えていた店員さんが説明をしてくれる。

憧れと尊敬か……うん、なんとなくぴったりな気がする。



「これを下さい」

「お買い上げありがとうございます」



銀貨20枚を支払いブローチを受け取る。

贈る事を考えたらドキドキしてきた。

ちょっと落ち着かない様子で店内を探してみると、先程の猫コーナーにかじりついているエアリィさんを発見。

目をキラキラさせながらにゃーにゃー言ってる姿はもうクリティカルですよ。

お気に入りは猫のぬいぐるみらしく、もふもふしては目を瞑ってトリップしてる。

異世界トリップした先でトリップした人を見るなんて不思議な感じだ。



「ご機嫌ですね、エアリィさん」

「にゃ?あぁ、ユーリ君。見てくれ、このかわいい猫達を。なんというか、ここはもう楽園だよ」



にゃ?って、にゃ?って!

僕はもう猫っぽいエアリィさんに楽園を感じますよ!

ぬいぐるみの値札を見れば銀貨1枚。

全体的にこの店は高級な物を取り扱ってるみたいだ。

まぁ、ギルドの儲けがある僕には関係無い値段だけどね!

あ、今のフラグっぽいからブレイクしておかないと。



――べ、別に僕がお金持ちだって自慢したい訳じゃないんだから!勘違いしないでよっ。



ふぅ、これでよしっ。

振り返ると既にステンバイしていた店員さんと目が合う。



「このぬいぐるみも買います」

「はい、ありがとうございます」



チャリーン、と銀貨1枚を支払う。

向き直りエアリィさんに微笑んでみせた。



「僕からエアリィさんにプレゼントです。ぬいぐるみ、大事にしてあげて下さいね」

「い、いいのかい?……大切にするよ」



むきゅっとぬいぐるみを抱き締め、上目遣いに微笑むエアリィさん。

こうかはばつぐんだ!

僕の精神力と鼻の粘膜に大ダメージを与えて、エアリィさんはるんるん気分で店を後にした。

鼻血が出そうになるのを堪えながら、慌てて後を追う。

辺りに音符マークを撒き散らしながら歩く姿に満足しつつ、僕達は帰路に着いた。

両手で幸せそうにぬいぐるみを抱き締めてたから、手を繋げなかったのは残念だったけどね。





そうして帰ってきた僕達は一旦部屋で普段着に着替えて、晩御飯の準備に取り掛かる。

いつもの白Yシャツと黒スラックスに身を包んで、如何にも学生アルバイト臭全開な僕はせっせと皿を出したり料理を運んだり。

厨房ではナギさんとエアリィさん、シーナが忙しそうに料理を作っている。

基本的に料理をあんまりしない僕、椅子を使わないと流し台に届かないミナと美由里は戦力外通告を受けたので、3人で簡単な準備をしていた。

それもすぐに終わり、やる事も無くぼーっとしてたら膝の上に2人が乗ってきた。

左膝にミナ、右膝に美由里。

それぞれ占領区域らしい。

紫銀の髪を撫でると、くすぐったそうに頭を震わせて抱き付いてくる。

長い黒髪を梳くと、甘えた声を上げながら体を密着させてくる。

なんか2人も猫っぽいな。



「あ、そうだ」



良い事を思い付いた僕は2人を降ろして自室へ向かい、麻袋の中に手を突っ込んだ。

がさごそがさごそ。

お、発見。

ってか何でも出てくるなぁ、この麻袋。

取り敢えず目的のアイテムを手に入れてダイニングへ戻る。

ミナはきょとんとしてたけど、美由里は僕が持っている物に気付いてニヤニヤしていた。



「よし、今から猫ごっこでもしようか」

「猫ごっこ?」

「そ、猫ごっこ。今からにゃーしか喋っちゃダメだよ?」



首をへにゃりと傾げるミナの頭に灰色のネコミミを装着。

僕と美由里は黒のネコミミだ。

よく解ってないミナに美由里が説明する。

元々は美由里とのごっこ遊びの中で生まれたもので、ネコミミ付けてにゃーにゃー言うだけなんだけど、これが案外楽しい。

会話っぽくする為に相手の表情やにゃーにゃーのアクセントなんかも加味して喋ると、本当に猫語を話してる気分になるんだ。



「ニャニャン」

「にゃ、にゃ?」

「にゃーにゃー」

「にゃっ、にゃにゃっ」

「にゃーにゃ」

「フニャア」



会話だけ聞くとなかなかカオスだ。

首を傾げたり、優しく猫ぱんちしたり、ほっぺをむにむにしたり。



「にゃっ♪」

「にゃーにゃー♪」



左右から丸めた手でほっぺをむにゅっとされる。

両手を上げてちょっと威嚇するように体を前に倒してみる。



「フシャァァ!」

「にゃぅん」

「ふにゃっ」



にゃーにゃー言いながらちょっぴり後ずさるミナと美由里。

すぐさま抱き寄せておでこをぺしぺし丸めた手で叩くと、ほっぺを擦り寄せてぐにぐに押してくる。

なんだかんだでみんなノリノリだ。

そんな風に遊んでいると、背後からのんびりした声が掛かった。



「あらあら、みんな楽しそうねぇ。ご飯が出来たわよ?」

「「「はぁい」」」

「ほら、エアリィちゃんも起きて」



振り返るとエアリィさんが鼻血を垂らして固まっていた。

どうやら呼びに来た時に僕達の猫ごっこを見て色々と脳内でリミットブレイクしたらしい。

幸せそうな顔で気絶したエアリィさんが意識を取り戻すまで、たっぷり10分は掛かった。

この後シーナから猫ごっこ禁止令が発布されたのは言うまでもない。





楽しい夕食を取り後片付けも終え、まったりとした時間が流れる。

僕は自室にエアリィさんを呼び出して、ちょっとした雑談を交えながらブローチを渡すタイミングを伺っていた。



――心臓がドキドキし過ぎて痛い!



早鐘どころか8ビートを刻む心臓のせいで碌に自分の考えも纏まらない。

隣に座るエアリィさんは少し気恥ずかしいのか、頻りに脚を組み替えている。

その様子も魅惑的で、鼓動を早くする要因になっていた。

僕のドキドキが微かに聞こえているのか、エアリィさんも段々口数が少なくなってくる。

次第に会話も途切れがちになり、互いにぼそぼそと喋り合う。

その会話さえ無くなって、聞こえるのは自分の心臓の音と隣に座るエアリィさんの吐息だけ。



――もうタイミングを測る余裕も無いや。勢いのまま渡そう!



不意に立ち上がった僕に驚き体をぴくんとさせるエアリィさん。

その正面に跪き、エメラルドのように輝く瞳を見つめた。



「エアリィさん、僕は貴女が好きです」

「……うん?」



突然の告白に脳が追い付いていないのか、首を傾げる。

言葉の意味が理解出来るに連れ、段々と白い肌に赤みが差していく。

釣られるように、僕もほっぺが熱くなってきた。

僕の行動と言葉を完全に理解したエアリィさんは、飛び上がるくらい驚いた。



「え、な、ま、何を」

「何度でも言います。エアリィさん、僕は貴女が好きです」

「……~~~~っ!?」

「僕にとって、エアリィさんは色んな意味で特別な存在でした。命の恩人で、姉のような人で、尊敬出来る先生で……。僕がこの世界の人じゃないって言っても信じてくれました。僕がこの世界のものじゃない魔法を使っても怖がらずに接してくれました。エアリィさんが僕を支えてくれたように、僕もエアリィさんを支えられる人物になりたい。エルフの掟なんか関係ありません、エアリィさんの隣を歩くのは僕です、他の誰にもエアリィさんを渡したくなんかありません!……僕の事を受け入れてくれるなら、このブローチを受け取ってもらえませんか?」



懐からブローチを取り出して右手の掌に乗せる。

贈る言葉は『貴女と共に、貴女と永久に』だ。

頭を下げて右手を掲げる。

果たしてエアリィさんは受け取ってくれるだろうか。

ミナがいるのにエアリィさんも好き、だなんて虫の良い事を言う僕に幻滅してないだろうか。

答えはすぐに来た。

右手をそっと包み込む感覚。

顔を上げると、エアリィさんに抱きすくめられた。



「私、エアリィ・ピアナは生涯をたった1人に捧げる事を誓う。彼の者の名はユーリ。彼を私の伴侶とする事を偉大なる祖神に誓おう。……ユーリ君、私は君を伴侶にすると誓った。もう逃げられないよ?」

「……本当に僕で良かったんですか?」

「あぁ、君が良いんだ」

「ミナやシーナ、ナギさんや美由里にも気持ちが行っちゃう浮気者ですよ?」

「構わない。たまに帰ってきた時に、君が安らげる場所になれれば、それで良い」

「僕、すごくえっちですよ?」

「君が望むままに、私の身体を貪ってくれていいよ。私の全てを、君にあげたい」

「……僕は貴女を置いて、先に逝ってしまいますよ」

「最期の瞬間まで側に居るよ。君の最期を看取るのは妻である私の役目だ」



だから、と体をぎゅっと抱き締められる。



「私を、君の妻にして欲しい」

「……喜んで」



深く、口付けを交わす。

舌を絡めて、唾液を交えて。

お互いの魂まで溶け合わせ、より深く繋がり合えるように。

背中に回した手をそっと前に這わせると、小さく体をぴくんと震わせる。

唇を重ねたまま、服の裾をたくし上げる。

白いブラに包まれた魅惑の双丘が、ぷるんと姿を現した。

優しく触れる度にぴくんぴくんと体が小さく跳ねる。

先端を軽く摘むと次第に堅くなり、ブラを押し上げていく。

唇を離すと荒い息がエアリィさんから漏れ、僕を潤んだ瞳で見上げる。

抱きかかえてベッドに横たえると、エアリィさんは恥ずかしそうに頬を赤く染めながら、自分で胸をはだけた。

ツンと上を向いたピンク色の乳首がなんとも悩ましげに映る。



「ユーリ君……私の初めてを、全部もらってくれないかな……?」



返事をするのももどかしく感じ、僕はエアリィさんにのしかかった。





「……朝か」



気だるい体に鞭を入れて起き上がる。

お腹やらシーツやら、べたべたのぬるぬるでガビガビだ。

後でアクアリングに放り込んで置かなくちゃ。

隣には安らかな寝息を立てる裸のエアリィさんがいる。

あの後の事は……まぁ、恥ずかしいから色々とナイショだ。

続きはウェブでっ。

というか知らない間に回復魔法でも発動してたりするのかな?

幾ら若いっていっても絶倫過ぎる。

異世界補正か無意識の防衛策か。

ま、まぁ、ミナやエアリィさんも悦んでくれてるみたいだしいいか。

と、1人でどうでもいい事を考えているとエアリィさんがもぞもぞ動き出した。



「う……ん、ユーリ君……」

「おはようございます、エアリィさん」



眠そうな顔で僕を見上げると、とろ顔になって僕の手を取り自分の胸に押し付けた。



「ふぁっ……♪」

「って、朝からなにをっ!?」

「ふふ、君の体温が恋しくてね。……寝てる間に溢れた分のえっちなミルク、また注いでくれないかい?」

「そ、それは……」

「は・や・く、旦那様♪」



ぷちん、と理性の糸が切れた。

結局ベッドから出たのは太陽が登り切ってからだった。


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