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三人寄れば  作者: マルク
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エピローグ

 

 翌日――。

 フィリアは沈んだ面持ちで例の少年達との待ち合わせ場所に立っていた。約束を守れなかった、結局また弱虫と罵られる。正直会いたくなかった。しかし後ろに立つ二人がそれを許さない。会いたくないけど会わねばならない――堂々巡りの葛藤だ。

 しばらくして通りの向こうから少年の姿が見えた。フィリアの心臓が大きく跳ねる。その背後にはやはり取り巻きがいた。悪いことしたわけでもないのに鼓動がどんどん早くなっていく。

「大丈夫だよ」

 突然エルリックが言った。振り返るとニコリと微笑んだ。変わらない笑顔――自然と気持ちが落ち着いていく。フィリアは一つ深呼吸をすると「うん」と笑顔で応えた。

 そして訪れる対峙の時。少年の一味が眼前にたちはだかった。大丈夫と言われたがやはり心臓はトクトクといつもより早い。

 フィリアは周りにわからないように小さく深呼吸し、言い出すタイミングを計る。

 少年の視線はフィリアを射抜くように鋭く、約束を果たしていないことを容赦なく弾劾するようである。が、言わねばならない。

 瞬間、少年が僅かに首をもたげた。ここだ――。

「あの――」

 しかし、いきなりそれに被せるように少年が口を開いた。

「昨日はごめん!」

 ふぇ? いきなりな上に意外な言葉。不意を突かれたフィリアは口をポカンと開けたまま少年を見遣った。尚も少年は続ける。

「ドロップ取ってごめん! 許して下さい!」

 しかもお辞儀まで。よく見れば取り巻きまでもが頭を下げていた。

「え? え? え? え? え? え?」

 異様な光景を前にフィリアはあたふたと右往左往している。すかさずエルリックが助け船を出した。

「ね、ねぇ――急にどうしたの?」

「実は……」

 言って少年は昨日屋敷で見たことを話し始めた。そして結論を言ってしまうと、一瞬だが二階に飛んでいったフィリアの姿がとてもかっこよかったからとか。

 世の中誰がどこで何を見ているかわからない。まさに、壁に耳あり障子にメアリーだ。フィリアはポリポリと恥ずかしそうに頬を掻いた。しかしそれよりも弱虫と言われなかったことに安心した。

「そ、それで――あの……」

 言って少年は僅かに俯く。何か言いたげな様子だ。

「どうしたの?」

「いや、だから……その――」

 ここに来て突然歯切れの悪くなった少年に三人はズズイッと詰め寄った。そして声を揃えて問い質す。別に昨日の仕返し的な意味はない。単に興味津々なだけである。

「――さい」

 ん? 今何か聞こえたぞ? フィリアは耳を傾け再度問いかける。

「何?」

「お、俺たちを…………子分にしてください!」

「……………え?」

「昨日すごいかっこよくて! あ、の、だから子分にしてください!」

 少年は取り巻きと共に頭を下げた。話の展開に付いて行けていないフィリアの頭はショート寸前である。しかし一方でアベルとエルリックは少し興奮気味だった。

「ど、どうするの!?」

「フィリア、親分になるの!?」

「え、えと――」

 問い詰められたフィリアはたじろぎながらも考える。考えて考えて、答えを探す。そして――。

「あの、親分は――いいや」

 その答えに一同は思わず彼女の顔を見遣った。そして待っていていも変わりそうにない返答に、アベルとエルリック、少年一味、それぞれ理由は異なるものの同じように残念がっていた。

 しかし当の本人はそんなことを気にせず、まだ話しは終わってないと言わんばかりに続けた。

「わたし、隊長がいい!」

 

 

 如何でしたか? ダメでした? あ、じゃあ出直します(笑)


 でも一応あとがきなんでもうちょい――。

 つっても書くこと無いんであれなんですけど、とりあえず三人組の冒険?はこれで一段落。次回があるのかないのか、そしてあれば何が待ち受けているのか、気長にお待ち頂ければ幸いです。

 では、また。

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