どのくらい歩いたのだろう?
登場人物
べレス:世界を旅する少年、よく女の子に間違われる
マーモット:黒いコートを着た綺麗な姿の少女
ガレット:【ギルド】のボス、とっても怖い顔をしてる筋肉ムキムキ
【ギルド】:無秩序を楽しむ集団
【機関】:詳細不明、楽園を追い求める
愛しさも淡い夢めこの空にとけてしまえばいいのに
そんなことを誰かが言った…。
「べレスあなたはいずれこの世界に愛さえる存在になるわ
その才能を無駄にしないでね。」
「お母さん?」
母は僕の目の前でなんとも言えない光の粒子になって消えた。
……夢か…こんな夢見たくない、亡くなった人間のが生きてると錯覚して
目が覚めると錯覚が魔法のようにとけてなくなって、不意にその瞬間
悲しみが溢れてくる、いまでも両親が死んだ事を悔いているのか僕は。
茶色い若干湿った地面から起き上がって土ぼこりを立てる、服に土が
付いたままでは、僕も嫌だ 二人はまだ眠っているようだ。
よほど住宅街で気張って戦っていたのだろう、もう家から離れてどのくらいか
もしまたあの場所に戻るとしたら、その時どんな理由で戻るだろう。
風が朝日と共にさらっと一吹きする、置いてあった刀を背負って
朝食の携帯食料を食べる、この携帯食料は戦時中に作られた特殊な物で
一口で3日は何も食べたり飲んだりせず動き回れる。
おそらく野戦が長引くことを想定して作られたものなのだろう
保存性にも長けていて賞味期限とかいう厄介なものも無い、食べ終わる。
「すまないがマーモットを起こしてくれないか?」
後ろから声がする…誰だろう?それにまったく気配がなかった。
後ろを振り返ると黒髪でマーモットと同じコートを着た男性が立っていた
仲間だろうか?とりあえずマーモットを起こしてあげよう。
「マーモット、お仲間が来たよ」
「…あぁん…?お客さん?」
「寝ぼけてないでしっかりしてよお仲間だよお仲間」
「へいへい」
だるそうに起き上がってすくっと立つ、やたらと目が細くてまだ眠いようだ
仲間の方を向くと目をこすってたり見開いたりして、一生懸命自分を起こそうとする
そして何の用だとマーモットは尋ねた。
「ホーネットか…何の用?」
ホーネットと呼ばれた男性はコートのポケットから、手紙を渡す
マーモットはその手紙を、声に出して読み始めた。
「【機関】からか…なにかしら?えーと
”帰還命令です、人工衛星の復旧作業が最終段階に入りました力仕事ができる人間と
エンジニアを連れてきてください”狙いったような手紙ね…もうここに揃ってるわ」
「そうか俺は先に【機関】に戻って君の現状を報告させてもらうよ」
そう好きにして頂戴とマーモットはホーネットに言う
ホーネットはさっさと行ってしまった…ほんの少しだけいただけなのに
空気がピリピリしていたような感覚がする、もしかして仲悪い?
遅れて大きなあくびをしてようやくガレットが起きる。
「あーまだ眠い…あ!首がカチカチだー寝違えたかな?」
「直してあげようか?」
「おお!べレス頼む」
僕は傾いてるがレットの首を勢いよく逆の方向に持っていった
グキリという音を立てて、ガレットの首が直る
直ったはずだったがまたガレットは眠ってしまった…
「おい、何で二度寝してるんだ!起きろ!」
「いや、これは気絶してるんじゃない!?強くやりすぎたでしょ思いっきりグキリ
っていってたよ!!」
「あーやりすぎちゃった」
絶対わざとだ、そんな顔をするマーモットをみて今日も普通の一日が遅れそうな気がして
なぜかほっとする、間もないうちにガレットが起き上がる…早!
「相変わらずの辛口ー」
三人全員が起きたところで出発、目的地は【機関】ちょっとした好奇心が沸いてくる
人工衛星とかいってたな…いじらせてもらえるだろうか。
しばらく歩くとゴツゴツした岩山に着く、足場が非常に悪く踏み外せば怪我をする
足場のしっかりした岩を選んで進まないと、落っこちてしまいそうだ。
しかし高いなぁ最後尾のガレットが泣きそうな顔をしてこっちを見ている
「下を見ない下を見ない…」
どうやらこっちを向いてるのは高いところが怖いからみたいだ…こんなんで
どうして【ギルド】のボスなんてやってたんだろう。
先行してるマーモットの姿が小さくなる慣れているのだろうかどんどん進んでいく
ようやくの思い出岩山のから抜け出す。
「べレスここで一旦休憩よ、次は楽しいロッククライミングだよ」
マーモットは上を指差す、この岩山どうなっているのだろう…途中まで
登山のような道のりだったがここにきて山道がなくなる。
代わりに切り立った絶壁が目の前にある、これを上るのか?
結構きついだろうな…天辺の方は雲がかかっていた。
遅れてガレットが来る、ガレットに絶壁のことを教えてあげた。
「…」
無言の三点リーダー、そして額から汗が以上に吹き出る…
「高いところ怖いの?」
マーモットが聞いても、無言のままだ
「昇○拳で上れたらな…」
よし、いまその昇○拳をしてやろうじゃないか…降りる時はしらないけどね。
「昇○…」
「まってくれぇぇぇぇぇ!!いい方法があった!!」
拳に力を入れて技名を叫ぶ前にガレットはなにか閃いた様だ
どうせろくな考えじゃないんだろうな…僕は腹のそこから呆れる覚悟をする
マーモットも僕と同じ顔をしていた。
「戦前、かの有名なロシアのプロレスラー、ザンギ○フはダブルラリアットで
空を飛んでいったという伝説がある…それを歌にした曲まであるというではないか」
「なぁにぃ!ガレットにしてはまともなこというじゃん!」
うおぃ…ちょっとおかしいだろう!そんな迷信がどうしてまともなんだよ!
おかしいでしょうに!マーモット目を覚ませよ!!
「いってきます 半径85cmはこの手の届く距離♪」
「シャラープ!!」
空気を呼んでこれ以上歌わせないように突っ込みを入れたがまだ歌っている…
回転速度が増していく…ま、まさか本当に…
「飛んだわ…」
「えぇぇぇぇぇ…」
ガレットは本当に飛んでいった、歌声は離れていくと共に小さくなりつつある
本当にどういうキャラなんだあいつは…そうかあれが本当のバカって奴なんだな
僕は悟ったぞ!!天性のバカがあそこにいると。
「さぁて私も行くかな」
ん?両手を広げてどうしたんだろマーモット…まさか…。
「半径85cmはこの手の届く距離♪」
もう突っ込まない…疲れてきたよ僕…なんでもありだな二人とも
もう好きにしたら良いじゃない…僕だってやりますから。
「えーいちくしょーう!!良いだろうやってやるよ!!真・昇○拳!!」
二人とは違う技で絶壁を上り始める僕は結局最下位で、頂上に到着
二人は笑顔で僕を迎えた。
「ここが【機関】の門よ」
硬い鉄の扉が目の前に現れる、そして開く
中には降下式のエレベーターがある…どうやら外からの侵入者を完全に避けて作られてている
降下式のエレベーターが止まって【機関】の内部がようやくお目にかかる。
全て金属張りの天井、壁、地面、とっても広い
中にいる人々は皆同じコートを着ている、外でこんな集団を見たことは無い
何もかもが新しい世界だ、そうぞうとはまったく違う
人が十分不自由なく、暮らしていける環境がなかにはあった。
マーモットは施設を案内してくれるそうなので、そのまま付いていく事にした。
今回はギャグ回って感じですね…
それじゃまた次回はシリアスにいきましょうそれでは。