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Desperado World  作者: νBLACKν
たとえばそういうスタート
8/21

生物的危険 その2

登場人物


べレス:世界を旅する少年、よく女の子に間違われる


マーモット:黒いコートを着た綺麗な姿の少女


ガレット:【ギルド】のボス、とっても怖い顔をしてる筋肉ムキムキ


【ギルド】:無秩序を楽しむ集団


【機関】:詳細不明、楽園を追い求める



べレスが意識を失ってまた雨が強く降るようになる、蜘蛛の大群は

退けたが、巨大化したしたのは蜘蛛以外の昆虫も同じだった

巨大な蛾や蟷螂かまきり、さらには土中をうごめく蚯蚓みみず

マーモットが銃の弾を装填、その間ガレットが拳を振るい暴風を起こすことによって

休むことなく四方八方から迫る敵を撃退していった。


「はぁはぁそろそろ体力も限界だな…マーモット弾はまだあるか?」


「あるわよ…べレス振り落とさないでよね、いくわよ!!」


マーモットはコートの中からサブマシンガンP90を二丁取り出し右手に一つ

左手にもう一つ、火力はかなり増すが安定力に欠ける

ガレットは意識が無いべレスを背負って暴風を起こし続ける、移動しながらの

大群との戦闘いままで経験した事の無い恐怖、これが悪夢であってほしいと願うが

世の中そんなに甘くは無い、現実という名の敵の大群が二人の目の前に

巨大な昆虫となって無数に現れる。


ようやくの思いで敵の勢いが無くなる、一瞬の隙を突いて隣家へと逃げ込む

巨大な昆虫たちはまだ諦めていないようだ、それもそのはず昆虫というのは

巨大であればあるほど動くためのエネルギーを常に補充しなければならない。


自分たちを探す昆虫たちを隣家の窓から覗うマーモット

しばらくして、隣家の奥に行き敵がいないか安全を確認する

「オールクリア」というとガレットがべレスを隣家のベットへと寝かせる

そして数時間が経つ、ようやくべレスに意識が戻り二人はほっと一息。









目が覚めると見知らぬ部屋の一室に寝ていた…なんだ、あの後どうなったんだ?

マーモット、ガレット…二人とも無事か。


「おはよう…どう気分は?」


「いまは良好かな…」


僕の寝ていたベットの近くに窓があった、窓から外をみるとまだ雨が降っている

意識を失ってから時間はそう経っていないようだ、巨大な蜘蛛たちの大群は

退けられたようだが、二人の顔色がひどく悪いまだなにかあるのだろうか。


「ねぇ意識が無い間に何かあったの?」


「蜘蛛だけじゃないんだよ、巨大なのは」


「どういうこと?」


ガレットから話を聞くと耳を思わず疑いたくなったその話が本当だとすると

ここから一刻も早く出たほうが良いんじゃないだろうか。

そう思いながらマーモットに次はどうするか聞いた。


「無論ここから脱出するわ、だけど出ればまた襲われるのが落ちよ」


いったいどうすれば…この状況を逆転できるなにかはないのか…

待てよそもそもなんで昆虫が巨大化した?戦争の影響か?

なんだこの違和感…体の中でなにかが這いずり回ってるような違和感がする

…工業地帯でなぜ襲われなかった?他の昆虫はともかく蜘蛛は工場の屋根の上にいた

だったらそこで襲われるはずだ…まさか。


「みつけた、ここから出る糸口!これから工業地帯に向かう」


「正気なの!!ここまでくるのに何度も死にそうになったのよ!!」


「そうだぞ!どうしてもいくって言うなら理由を教えてくれ!」


「理由は、昆虫どもの弱点があの工業地帯にはあるからだよ」


もし僕の読みが正しければ奴らは工業地帯にあった踏みつけた鉄板の中にある!

マーモットは銃を手にとって、いつでもいけるという感じでうなづく。

ガレットも自分の顔を両手で叩くと張り切っている…よし行こう。


「準備はいいね!玄関開けるよ」


「おう」


「いいわよ」


玄関をそっと開ける昆虫たちに気づかれないように音を立てずに行動する

だがしばらくして地響きがする…いやな予感しかしない。


「走れ!!」


地面のコンクリートを突き破って胴体が大通りの端から端まである位大きな蚯蚓が出てきた

やれやれこれも戦争の影響って奴なのかな?まさに生物的危険バイオハザードだ。


「いままで見てきた奴で一番でかいぞ!!」


「わかってるわよそんなこと!!」


「話すより走って!!」


やたらと早い…ん?おいおいまてよそりゃぁない…いま後方にいる蚯蚓は

口一杯に地面の大きな岩を咥えて投げつけようとしている。


「マーモット!!岩撃って破壊できる?」


「やってみる!」


「ガレットは岩が砕かれたら拳で吹き飛ばして!!」


「わかった!!」


岩が蚯蚓の口から放たれる、マーモットの銃が火を噴き始める

弾が岩にぶつかり火花が散っている…まだ砕けない。

まっすぐ僕たちに向かって飛んでくる岩、雨の影響で寸前のところで届かない

結局地面に落ちたところでようやく砕ける、だが最悪なことに砕け散った岩が

道を塞いでしまった。


「…あー!これじゃ進めないじゃない!!」


「俺こんなところで食われたくないぜ!!」


こうなったら一か八かだ…


「二人とも必ず戻るから…先に行っててくれ」


「べレスあなたどうするつもり!!?……まさか」


「生憎、そのまさかだよ」


僕は蚯蚓の口に向かって走っていく、息がとても臭い…まぁしばらくの間我慢だ

僕は蚯蚓に自ら丸呑みにされた。








二人は呆然とする…仲間が目の前で食われるそれでも飽き足らないのか

蚯蚓は二人に向かって前進しはじめる


「くっそぉぉぉ!!べレス……砕けろぉぉぉ!!」


ガレットの拳で岩が砕かれる、道が開けて工業地帯まで残り700メートル

全力疾走するが前方に他の巨大な昆虫たち…

今回は逃げるのではなく、道を切り開くようにして戦わなくてはならない。


「あああああああ!!邪魔だぁぁぁぁぁ!!」


叫ぶと共に銃を前方に乱射、昆虫たちに当たる

昆虫たちの体液が飛び出て二人に返り血のように浴びせられる

それでもいまはべレスの、残した言葉の通り工業地帯に不屈の闘志で

向かい走り続ける。


「ついたぁぁぁぁぁ!!」


「やったぁぁぁぁぁ!!」


鉄板に身を転がすようにして二人は倒れる巨大な昆虫たちはもう追ってはきていなかった

ただ一匹を除いて。

そう蚯蚓だ…べレスを飲み込んだ蚯蚓。


「こいよ、化け物相手になってやる」


「べレス…」


意を決して、身構える二人もはや万策尽きる

弾丸を撃ち込んでもまるでビクともしない。









突然蚯蚓の動きが鈍くなり苦しみだすように、その場で転げまわる

しばらくして、動かなくなる。


「!?…どうしたのかしら…」


「まさかべレス?」


蚯蚓の胴体の部分が膨れ上がって中からべレスが飛び出し地面に着地

体液まみれだがピンピンしていて、二人の姿を見るとにっこりと微笑んだ。


「あー臭かった…心臓ぶっ刺してきてやったよ」


二人はべレスに駆け寄ると自分たちより背の低いべレスの頭を撫でた。


「よくやったな!、お前が飲み込まれたときは生きた心地がしなかったぞ」


「無事でよかったわぁ…」


「よせ!頭を撫でるな!!子供じゃないんだよ僕も!!」









さてここからが本題だ、虫たちはこの工業地帯に近寄らない

それには訳がある、いま地面一杯に敷き詰められているこの鉄板

実はただの足場の鉄板ではなくこれは、住宅建築の時に防虫性能がある

コルク樫の木が中に内臓されて入っているのだ。


コルク樫の木にはスペリンという虫たちが嫌がる物質が含まれている

蜘蛛たちが降りて襲ってこなかったのもスペリンのおかげというわけだ。


「ガレット鉄板何枚か担いで」


「了解べレスちゃん」


「ちゃん付けにするな、次いったらケツに刀ぶち込むぞ」


「さーせん!!」


ガレットが鉄板を担いだのを確認して、工業地帯を出る

スペリンのおかげで昆虫たちに襲われることなく住宅街を脱出

僕たちは今日もまた生き残った。


だが虫たちが巨大化した理由、この荒廃し腐敗しきった世界で

なぜあのような大きさになったかはいまだ分らない、この700年で

進化を遂げたというにはあまりにも進化しすぎである。


昆虫たちはいまもあの住宅街で新たな獲物を待っている。




昆虫編はおわりです、次回からはもっとちゃんとした

人間とかを出そうかと思います。

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