女装して潜入しやがれ!!その3
べレス:世界を旅する少年、よく女の子に間違われる 遺伝子が他の人間とは作りが違う【アウトサイダー】
フロル:白いコートを着た綺麗な姿の【アウトサイダー】の少女、以前はマーモットと呼ばれていたが、【機関】を抜けた際名前を捨てた
ガレット:元【ギルド】のボス、とっても怖い顔をしてる筋肉ムキムキ
Dr.ヘレン:いろんなことをしってる。戦闘もできる、治療もできる女性。
ホーネット:【機関】の人事を取り仕切ってる、フロルと同じくらいの歳、陰湿な性格で人の不幸を喜ぶ。
【ギルド】:無秩序を楽しむ集団、世紀末ヒャッハーな格好をしてる。
【機関】:地下に大都市東京を再現している、楽園を追い求めてその力で外の世界へ出てもう一度暮らそうと願っている多くの人々の集団だが、裏では世界制服をしようと企んでる。
【アウトサイダー】:【機関】が外で暮らす人々を呼ぶ時の一般的な総称
銃から轟音が響く。
「え、わぁ!キャ!!」
べレスは前を向いたまま銃口の方向を手で弾き変えて、弾を回避そしてすかさずそのまま腕の関節を取ると地面に相手を倒した。手から落ちた銃を蹴り飛ばす。
「騒がないで下さい、殺したくありません」
相手の首筋に日本刀の刃を突きつける、相手の肩が少しだけ震えてるのがわかる。
「人を殺そうとするくせに、自分の死は覚悟はできてないんですか…。」
べレスは呆れて押さえつけてた関節の拘束を解くと日本刀を腰の鞘に収める。そして耳に付けてる無線機で通信を始める。
「目標を回収した、戻る」
『そうか、なるべく早く戻れよ』
女性は関節を押さえながら立ち上がって吠える。
「まて!まだ帰すわけには…」
「面倒な人だな」
ガレットから習ったテコンドーの回し蹴りで女性の頭を打撃、攻撃を受けた女性は蹴りの勢いで吹っ飛び壁に激突、そのまま気絶した。それと同時に警報が鳴り出す。下の階にいた女性たちの半分くらいがべレスの場所に駆けつける。
「何事!!」
良く見ると女性が激突した壁には火災警報装置のボタンがあった、そこにあたった為警報がなった。
駆けつけた女性の一人が気絶している仲間の姿を見て、即座にべレスがやったと判断。
「あなた何てことを…」
気絶していた女性が仲間によって起こされる。
「そいつは男よ!!、さっきの歓迎のときに股間うっかり触ったんだけど…」
「やーい痴女」
「うるさいお前は女装変態野郎だろうが!!」
痛いところを突かれた、べレスも好きでやっているわけではないが他人から見ればそう思われても仕方ないことだった。それならばここから早く脱出していつもの服に着替えたいところだろう。
女性の一人がふと思う、本当に男かしらと?
「あなた本当に男なの?完全に見えないわ」
「そうですね、一応男です…」
「ならなんの目的で?ここに」
「仲間の為にですよ、仲間は家族みたいなものでね」
女性たちがひそひそ声で話し出す。
「ここ一応男は殺すって掟だけど、どうする?」
「いやぁでもあの場合は…殺さなくとも、かわいいし」
数分後。
「いますぐ出て行くなら見逃す…そして最後に聞きたい」
「なに?」
「どうしたらそんなに可愛くなれるの?」
「知るかそんなこと…生まれつきじゃないんですか?生まれたときからブスな奴はブス、かわいい子は可愛い子になるんだと思いますよ。」
べレスの一言は明らかに女性に対する侮辱やいろんな意味合でムカつく一言だった。女性同士では時にえげつない争いが起きるらしいが、こういった場合はどうなのだろう?ほとんどの女性がその場でムカついたが怒りをこらえて我慢した…べレスが可愛い子供にしか見えなかったからだ。
数十分後、べレスはアジト帰ってくるとゴム手袋ををはずしてへレンに指定された機材を渡した。渡されたへレンはサングラスを外すと早速ノートパソコンの改造を始めた。【機関】の通信や映像を傍受するためのルーターを即席で作り上げノートパソコンに内蔵した。
「あ、お帰りべレス」
「フロル…ただいま、ガレットは?」
「昼寝してる」
耳を澄ませてみると隣の部屋からかすかな鼾が聞こえてくる、若干うるさい気がしてくる。さらに寝言が聞こえてくる。
「うー…べレス甘えんなよ…」
それを聞かれてるとも知らずに寝言は続くいったいどんな夢を見ているのだろう聞いてると段々R-18な方向になってきたのでべレスは日本刀をガレットのケツにぶっさして来た。
「アッー!!」
「この変態!!」
いま白いワンピースを着ている女の子のようなべレスが言ってもドMには「ありがとうございます」の一言で返されてしまいそうだ。ガレットが寝ている部屋を出てフロルに話しかける。
「僕の普段着はどこにやったのフロル」
「…もうしばらくそのままでいてくれない?」
「却下」
しぶしぶクローゼットからフロルはべレスの普段着を取り出して渡す。
「ふむやっぱりこの断罪○ミラル○の服が一番だ」
「やっぱりそうだったんだ…」
夕日が水平線の向こうへ沈んでいく頃、へレンの顔が真っ青になった。最悪の事態が起きている事が判明して全員に報告した。
「あいつが来る!!生きてやがったんだ!!」
「まさか…」
「ホーネットだ…現在地は幸いまだ遠い…」
もうそろそろもっとシリアスな感じにしたいなぁ。