アウトサイダーの家族
べレス:世界を旅する少年、よく女の子に間違われる【アウトサイダー】
マーモット:黒いコートを着た綺麗な姿の【機関】の少女
ガレット:【ギルド】のボス、とっても怖い顔をしてる筋肉ムキムキ
ホーネット:【機関】の人事を取り仕切ってる、マーモットと同じくらいの歳、陰湿な性格で人の不幸を喜ぶ
【ギルド】:無秩序を楽しむ集団
【機関】:地下に大都市東京を再現している、楽園を追い求めてその力で外の世界へ出てもう一度暮らそうと願っている多くの人々の集団。
【アウトサイダー】:【機関】が外で暮らす人々を呼ぶ時の一般的な総称
マーモットの部屋でお話…彼女のいろんなことがわかった、こういう時は何か励まして上げられるような事を言うのが一番良いけど、ろくな言葉が思いつかない。
だけどいまはその、ろくでもない言葉を彼女に言ってあげよう。
「僕が家族になる、マーモットの家族になる!」
すこしだけ大きな声で言う、一瞬時が止まるような感覚と共に顔が自然に笑顔になる、彼女は無表情で僕を見るが、しばらくするとクスクスと笑いながら涙を目に浮かべて返事をした。
「うん、ふつつかものだけどよろしくね。シャワー浴びるか…」
話が一段落したら彼女はコートを部屋のハンガーにかけて沢山の銃を持って、一階に降りてシャワールームに向かった僕はシャワールームを見たことが無い、外の世界にはそんな物なくて代わりに戦時中使われてた兵士を負傷した体から回復させたり、汚れを落としたりする変なカプセルがあった…そういえば最近入ってなかったなぁ。シャワールームも同じような物なのだろうか?一階に下りてマーモットを引き止めて話しかける。
「僕もシャワーっていうの試してみたい!一緒に入ろう!!」
「…あのねべレス!そういうこと気安く言っちゃダメだよ!物事にはデリカシーって物とか、大人の事情とか色々あるんだけど…その、うまくいえないけどシャワーっていうのは裸で入るから裸を他の人に見られたら恥ずかしいでしょ?だから一緒には入れないの、交代で入りましょう。」
よくわからないけど、断られてしまった…シャワーって裸でする事なのか?確か、お母さんが女の子の体をじろじろ見たり、むやみに触っちゃダメだって言ってたのを思い出した。そうか!これが大人の事情って奴なんだな!!よく理解したぞ、だが「ダメだといわれて引っ込むな」というお父さんの言葉も忘れちゃいけない…むぅこの場合どっちが正しいんだ?まぁとりあえずなんだか悪い気もするけど、試して見るか。
マーモットが入っていったシャワールーム前の脱衣所に入る、中ではマーモットが服を脱いでる途中だった…僕を視界に捕らえると服を脱ぎかけのまま銃を握り締めて、僕に銃口を向けた。うんこれはまずいな…選択肢を誤ってしまったようだ要するにこれが死亡フラグって奴なんだろう、だけどすっごいわかりやすい死亡フラグは回避可能だ、銃弾をよければ済む話だ。
「…今回だけよ」
あれ?撃ってこない…今回だけ?なるほど一緒に入ってくれるってことか、なんか緊張するなぁ…マーモットと同じように服を脱ぐ、マーモットは衣服を全部脱ぐとタオルを一枚体に巻いてシャワールームに入る、僕もそれと同じようにして入る。
「…男の子は腰からしただけでいいのに」
「なんか言った?」
「いや、なにも」
他の人間とお風呂に入るのは初めてだ、私はこの子とは違って常識人なので羞恥心というものがあるがこの子からは無邪気以外の何も感じられない、だから邪見にはしにくい故に困る…シャワールームに入って蛇口をひねると、丁度良いお湯が体にかかる。べレスにもお湯をかけてあげる、後はシャンプーや石鹸を使って頭から足の先まで体を洗って浴槽に入れば良いのはわかっているが、べレスは初めてだからそれが分らない…仕方ないので私が洗ってあげる事にした。
「なんだか恥ずかしいなぁ…」
「べレスが一緒に入るっていったんでしょう、我慢しなさい」
しかしこうしてタオルを巻いてると、本当に女の子みたいだそれに女の私が嫉妬するほど白い肌…嫉妬を通り過ぎてここまでくるとむしろ愛おしくなってくる、彼の体を一通り洗い終えて一緒に浴槽に入る私は彼の保護者ではないというのに…だが家族だ。
「カプセルよりも気持ちいなぁ…」
べレスの口から感想が出る、【アウトサイダー】の彼はこっちの地下都市の生活に慣れるのに時間がかかるだろう、【機関】のこともある…。
明日からは忙しくなりそうだ、今気がついたことだがべレスとの身長差は十cmくらいあるどうでもいいように思えてしまうが時として身長差はこういった状況を逆転する最大の武器になる、やってみるか。浴槽でべレスの後ろから抱きつく。
「ふにゃぁぁぁ!?マ、マーモットそんなにくっついたら恥ずかしいってば!!」
「そう…私は恥ずかしくないわこうすれば裸見られずに済むし、それに…かわいいべレスを好きに出来ちゃうから」
「…うー」
顔を赤くして浴槽の中にもぐるべレス、やっぱりかわいいもったいないなぁこの地下都市でもし女の子だったらきっとモテまくりなのに。
シャワールームから出る…乾いたタオルを取り出して体を良く拭く…シャワーがこんなに恥ずかしいものだとは思わなかった、正直いま後悔してます、はい本当にすいませんでした。調子に乗って悪かったもう二度とやりません…。
だが願わくばあのやわらかい胸の感触だけはあってもかまわない!!全世界の男性がきっとそう思うはずである。
急に目が覚めてしまったぞ…まだ夜か、いや地下なんだからいつも夜というべきか?頭が混乱してくるなぁ、まぁまだ時間はあるが…ここは一つ町をめぐってみるか、二人はどこだろう?二階には確かマーモットがいてべレスはどこだ?
しばらく家を探索してると二階でべレスとマーモットが一緒に寝ていた…起こさないでおこう。玄関のドアを開けてこっそり家を抜け出す、久しぶりの一人ぼっちだ…一人ぼっちの夜ー♪なんてな…。
「確かこの地下都市は東京をモチーフに【機関】が作り上げたものだっけ?」
ということはだ”秋葉原”なるものがあってもいいはずなのだ!”そうだ!秋葉原にいけ!”俺の中の何かがそう告げる…しかし道がわからない、こういう時はオタクっぽい服装の人間に親しみを込めて聞けば教えてくれるはずだ、そう思っていると丁度良くボー○ロイドのコスプレをした女性が目の前を通りかかる。
「失礼、秋葉原はどこでしょうか?」
「えーと、ここもう秋葉原ですよ?もしかして【アウトサイダー】の方ですか?」
「アウトサイダー?聞きなれない言葉だなぁ」
「外の者って意味です…初めてなら案内しますよ?」
「いや結構だ、大通りの場所はもう分った」
女性はそうですかというと、歩き去っていった。
俺は大通りを目指して歩き進む。
今回はなんだろう、申し訳ないwww
言いたい事はそれだけですwww