オーガナイゼーション
登場人物
べレス:世界を旅する少年、よく女の子に間違われる
マーモット:黒いコートを着た綺麗な姿の少女
ガレット:【ギルド】のボス、とっても怖い顔をしてる筋肉ムキムキ
ホーネット:【機関】の人事を取り仕切ってる、マーモットと同じくらいの歳
【ギルド】:無秩序を楽しむ集団
【機関】:地下に大都市東京を再現している、楽園を追い求めてその力で外の世界へ出てもう一度暮らそうと願っている多くの人々の集団。
【機関】は地殻変動できあがったとても大きな岩山の中にあった、想像もしなかったこんなに広い施設を所持して拠点にしてるなんて、これだけ大きければ人も沢山いるだろう。
昇降機を降りてエントランスホールと呼ばれる大きな広場に出る、天井、壁、地面が全て一つの純白のタイルで造られていた磨かれたように綺麗だ、大きなアーム型のカメラがマーモットに近寄る警備システムの一種だろうか?「人物照合中」というアナウンスが流れる女性の声だ、しばらくすると照合が終わって「お帰りなさい」と機械が言う、次にカメラが僕に近寄った…このままだと嫌な予感がする。
「彼らはお客さんよ、イブ」
マーモットがカメラに向かって言う「了解」という女性の声がまた聞こえる、嫌な予感は外れたあのままマーモットがなにも言わなかったら、きっと警報とかが鳴って攻撃されてたんじゃないだろうか?そういう予感がしていた。
「ねぇマーモット、イブって誰?」
「この施設を管理している最先端技術の人工知能よ、人見知りが激しくてね見慣れない人間をすぐ殺そうとするの」
なにそれ、いったいどういう人工知能だよ…機械が人見知りとかありえないでしょう、作った人末期だな、あとで人工知能の管理されている場所にでもいって、データを書き換えてやろうか。広くて大きな純白のエントランスホールを抜けると、今度は間逆の黒い部屋に出た、いや違う部屋じゃない…これは町だ戦前の町、東京が地下に再現されている、しかもご丁寧に夜だ天井が黒いのは夜を再現するためなのだろうか?町の電飾が綺麗に輝いてる。
「たまげた、これ全部が【機関】のなしえた業なのか?」
ガレットが驚いた口調で言う、僕にしてみれば現実から目を背けた人間たちがここで楽をしているようにしか見えない、だけどもし”楽園”を探している事が本当ならば多少は外の世界を認識しているだろうと認めてあげても良い。
「今日はみんな疲れたでしょう、私の家に案内するわそこで今日は眠れるわよ」
マーモットの家は地下東京の中心部にあるらしくそこまで歩いて約一時間…遠い、道行く人たちを見たけど全員が黒いコート、つまりは【機関】の制服を着ているわけではないようだ、それに幸せそうに見える通り過ぎ際にみた両親に手をつながれて歩いてる子供がうらやましくて妬ましくなってくる…ああなんて酷なんだろう僕は。
「到着よ、あら?ホーネット来てたの」
「やぁマーモット明日の仕事は休んでいいそうだ、その代わりそこの二人に用がある例の人工衛星の修復の最終段階を手伝ってもらう」
キタコレ!!人工衛星をいじらせてもらえる!!明日が楽しみだな。
「えーとこっちの小さい女の子…いや男の子か、この子がエンジニア?」
「そうよ、やたらとガラクタいじりが得意らしいわ、背負ってる刀だって自分で作ったものよ」
この人僕が男だってわかるのか、親以外に性別を当てられたのは初めてだなぁ、でもなんかこの人嫌な感じがするなんでだろう…ゆっくりこっちに手を伸ばして頭を撫でようとしてる…!!
「おっと危ない子だなぁ…」
「こう見えて実は16歳なんだけどなぁ」
気がつけば僕は刀を鞘から抜き取ってホーネットを切りつけようとしていた、ホーネットは人差し指と中指に刀を挟むようにしただけで止めた…できれば敵に廻したくない相手だ、一瞬でそう思わせられるホーネットはにっこり笑っているのに…なんだろうこの恐怖は。
「俺はガレットだよろしくな」
「うん、よろしくガレットさん明日は期待してるよ」
ガレットは僕と違って彼の殺気というか…恐怖?には気づかない、まぁバカなガレットのことだ気づかなくても仕方ないか。僕は改めてマーモットの家を見るレンガで造られていて西洋風な家だ、以外と大きい、これを一人でいままで独占していたのかな?羨ましいと思う反面家族もいなくてさびしくなかっただろうかという心配の気持ちもあった。
「自己紹介が遅れたね、僕はホーネットここの人事を主に任されているんだ、その他にも色々な仕事をしたりしているけど…そういえばまだ他に仕事が残っていたな。」
そういうと彼は僕に近寄って耳元で囁くように聞いた「名前は?」
「べレス…」
「そうか次会うときが楽しみだよ、今後に期待してるよ」
気持ち悪い…あんな奴本当にこの世にいるんだな。マーモットが家の鍵を開けて玄関に入るそれに続くように僕たちは家に入った、なんだろうこの懐かしい臭い…家…僕が住んでいた外の世界の家そっくりの臭い…ここにいると思い出す懐かしいあの日々。
この家は二階建てで二階にマーモットの部屋がある、一階には全部空き部屋でマーモットは好きに使って良いと言った。なんだか彼女がひどく寂しい人間に見える、ガレットは空き部屋のことなど気にせず
自分の気に入った部屋で爆睡してしまった。僕はマーモットのことが気になって二回にある彼女のいる彼女の部屋まで行く事にした、ドアをノックすると中から「どうぞ」と言う声が聞こえる、中に入ってまず目に飛び込んできたのは他の部屋のとは違う風景、普通の人間らしく普段着ているような服がハンガーにかかっていたりして少し安心した。
「ホーネットが嫌い?」
唐突な一言だった、僕はすぐに素直に首を縦に振って返事をした。
「なんか…気持ち悪いあの人…」
「あいつは人の不幸を本当に喜ぶような人間だから気をつけて…以前私も彼に嫌なことされたから」
「どんな事?」
彼女はすぐには返事をしなかった、暗い窓のほうを向いてから返事をした。
「ずっと私生活を監視されたの…誰に頼まれたわけでもなく、ただ暇つぶしといってね私は嫌になって部屋にあったものとかほとんど捨てたわけど一つだけ捨てなかったものがあるわ」
「なに?」
「両親の写真よ、まだ赤ん坊の私を父が抱いてて母はその横で笑ってる」
部屋の棚から写真を取り出すと僕に見せてくれた、外の世界の家とマーモットの両親が笑って写っている、僕の両親は記憶にあるうちに死んだけど彼女はその記憶すらない…きっと悲しいだろうな。
僕が彼女と同じ立場だったら到底耐えられない、死んでしまいそうだ。
地下の町は休むことなく電飾をキラキラ輝かせていた。
シリアスすぐる…やっぱこういうの耐えられないwwww
おkギャグ5シリアス5のバランスの取れたお話を次回はお約束しますww