反撃
前書きに書くことが思い付かなくて日々苦戦します。
「…親父か………?本当に親父なのか………?」
8年前、勝手にマックスに頼んで。勝手に俺達を見棄てて。勝手に旅に出た。
そんな傍若無人な父親が帰ってきた。
「当たり前だ。自分の息子を間違える親がいるか?」
自信満々に言い切る。
8年間も会ってなかったのにその自信はどこから来るのだろうか。
「まあ、そんなことより、ディノ。少しの間、そこを動くなよ………」
そう言ってバルハラスは刀を構える。
ゴアアアアアアアッ!!
4頭の竜が同時に吠える。
「さて………お前達は俺を何分間楽しませる事が出来るかな?」
バルハラスは口元を吊り上げて笑い、
突進した。
〜城内、客間〜
ダダダダダ…
バンッ!
「で、伝令っ!!竜が新たに南から4頭!北から1頭が襲来っ!!」
兵士が息をきらせて報告する。
「なにっ!?東側と西側以外にいたのか!?ええい!!さっさと駆逐せぬか!!討伐隊を向かわせよ!!」
大臣が憤慨し命令する。
「そっ、それが、既に全員出払っていまして………」
「何だと!?竜ごときにどれだけ手間取っているのだ!?ならば仕方ない!!貴様らが行け!!」
「大臣。それは無茶です」
階段から降りてきたマックスが畏まって言う。
「竜と戦うには対処用の訓練を積まないと、何もせずに殺されます」
「ぬぅ………ならばマックス。貴殿ならどうする?」
「そうですね………城に残している最後の切り札でも使いますかね」
マックスは皮肉たっぷりに答える。
「…ほぅ………確かにそうするしかないな。ではマックス。南側からくる4頭の竜を始末してこい!!」
「わかりました」
マックスはフッ、と笑うと城の階段をかけ降りていった。
かけ降りていくのを確認した後、近くの兵士に命令を下す。
「総隊長!!兵士を出来る限りの人数で、北側からくる1頭の竜を足止めさせよ!!死人を出さぬようにな!!」
「ハッ!!」
命令された総隊長は即座によく鍛練された兵士を10人選び出し北側へと走っていった。
〜西側〜
ギャオオオオオオオッ!!
断末魔を上げて竜が1頭倒される。
「〜〜〜っあ!やっとくたばったか!!」
「よそ見するな!!まだ2頭残っている!!コリン!!まだ行けるか?」
「もちろんです。隊長!タイミングは任せます!」
コリンは自信満々に答えた。
「よし………俺の合図で右の竜の懐に突っ込め。後は判るな」
「はいっ!」
「じゃあ行くぞ………………今だっ!!行けぇっ!!」
「おおおおおっ!!」
コリンは隊長の合図と共に走り出した。竜が気づいてこちらを向き、炎を吐く。
ゴオッ!!
紙一重でそれを避けて更に接近する。後ろから付いてきていた隊長が一気に加速し、コリンを追い抜きながら竜の頭に斬りかかる。
反応した竜が隊長に向かって再び炎を吐こうと身構えた時、
「今だっ!!コリンやれぇっ!!」
隊長が大声で叫ぶ。
「おらああああっ!!」
コリンが竜の胸を目掛けて刀を突き立てる。
ドスンッ!!
赤い鮮血が一気に飛び散り、コリンの視界が真っ赤に染まる。
血が止めどなく溢れ、覆いかぶさるように竜が崩れ、倒れる。
「コリンが殺った!!残りは一体だ!!」
『おおっ!!』
隊長の掛け声と共に残りの討伐隊員は駆け出した。
「………お〜い………誰か〜………気づけ〜………剣が抜けないよ〜………助けて〜………圧死する~………………え?無視………?」
倒れた竜の下敷きになったコリン。
もちろん、誰もこんなことになってるとは知るわけもない訳で。
ガン無視された。
〜東側〜
バキンッ!!
「ちいっ!!」
振り下ろしてきた竜の爪を間一髪、刀で防御したジョン。しかし、それはあまりに無理矢理過ぎた。
耐えきれず刀が折れる。
「くッ!!」
衝撃で数メートル飛ばされた。
なんとか両足でふんばり、すぐ行動できるような体勢を構え、一息つく。
それから、折れた刀を残念そうに眺め、思案する。
既に刀の予備は使い果たした。
念のため、予備を3本も持ってきていたのだが、全然足りない。
それもそのはず。
竜の攻撃、火球以外の攻撃を全て刀で防ごうとするのだから。
爪、尻尾、突風…いや、流石に翼で起こした突風は無理だったが、前の二つは一応、何とかなった。
…が、そうでもしなければ、こちらから攻撃できない。
一時期、盾を使う案があったが、採用はされなかった。
両手用は重すぎて機動力が下がり、攻撃もままならない。
片手用では、使用者がギリギリ扱えるようにしても、竜の攻撃を防ぎきれない。また斬撃も浅くなる。
だからこそ、両手用の刀を使用している。攻撃を切り払う用に防御することで、盾と同等の役割を発揮しつつ、斬撃も深い。いわゆる現段階での完成された竜との戦闘方法。
次に、なぜこんな戦闘方法をしているのかというと、誰かが囮役に徹しなければ隙は生じないからだ。
隙を作り、誰かが攻撃。距離をとる。その隙に囮役が攻撃。反撃がくる。防ぐ。又は避ける。そして隙ができる。
決定打はなかなか生まれないが、最も効率的かつ自分達が一番生存率の高い戦法。
…囮役が竜の攻撃を防ぎきれる程、強ければの話だが。
今回はその囮役を自分がしただけ。
しかも、この方法で竜を一頭、倒した。
だが、その役に必須な刀を失ってしまった。
「ロゼル!!刀の予備は無いか!?」
「ある!けど、借りるだけじゃないよな?」
「ちっ………後でメシ奢る」
「………それだけですか~?リーダぁ~?」
にやりとロゼルが笑う。
「…隣に美女をつける」
「さっすがリーダー!!頼りになるぅ〜!ほいっ!!」
そう言ってロゼルは腰に差していた予備の両刃の剣を投げる。
ガアアアアアアッ!!
竜がここぞとばかりに、ジョンに追撃を仕掛けた。
が―――、ロゼルの投げた剣が先にジョンの手に収まる。
「はあっ!!」
槍投げのモーションで剣を投げる。
投げ出された剣は、砲弾まがいの速さで竜の頭を貫く。
一瞬遅れて貫いたところから鮮血。
追撃を仕掛けようとしていた竜は急所を貫かれ絶命し、滑り込むようにして倒れる。
ズウウウウウゥン!!
少しの間、からの
『…うおおおおーーーっ!!』
歓声。
「東側の竜を全て殺ったぞーっ!!」
「ああ!!俺達の勝ちだ!!初めて勝ったんだ!!」
討伐隊員が人それぞれに喜びを分かち合う。
「………ふぅ〜」
「お疲れさん。リーダー」
ロゼルがポンッ、と肩を叩く。
「ああ。………ったく。こんなことなら借りなきゃよかった。しかも刀じゃなくて両刃の剣…」
「まあ、約束は約束。貸しは貸し。ちゃんと守って下さい」
グフフ、と気持ち悪くロゼルは笑う。
「…はあ………」
ジョンはそんなロゼルをただ呆れて見るしかなかった。
読んで頂きありがとうございます。
戦闘シーンの感じを文字で表現するのは難しい!!
なかなか納得がいくように書けないのが辛いです。
じゃあ最後に………
感想等、常時受け付けていま〜す。出来るだけ返信しま〜す。
こんな軽いノリでこれからも書いていきます。
ではでは、ありがとうございました〜。