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アルベールside10

 すみません。いつもより少し短めです。



 あれから、準備に余念なく進めていった。父上や母上、陛下まで巻き込んでいるのだから、準備万端で望むことが出来た。


 当日のリリーのエスコート兼、護衛はノベトリー伯爵家の長男ビクトルになった。

 本当は俺がエスコートしたかったが、今は出来ないのは分かっているので、我慢した。

 セドリックは事情をある程度知っているので、こちら側で動いてもらわなくていけない。


 もうすぐ間近でリリーと顔を合わせられると思うと、緊張してしまう。

 俺の噂や見た目だとか、立ち振舞いが嫌われないか心配になる。


『そんなに緊張してどーするんだ?』

「リリス嬢を前にしたら暴走しそう~」

「暴走したら、僕が止めてやる!」

「······」

「リックはアルに返り討ちだよ~」

『確かに~』

「そんなことないって!!」

「······」


 こいつら、他人事だから楽しそうに話しやがって······。

 でも、強ち間違ってはいないかもしれない。リリーを目の前にしたら、本当に暴走するかもしれない。

 その場合はセドリックではなく、ジンに止めてもらおう。




ーーパーティー当日


 暑過ぎず、いい風がそよぐ日になった。


 今までは遠くから見つめるだけで、近くで久し振りにリリーに会える日。

 準備は出来た。後はやるしかない。


「おっ、招待客が続々とやってきたな!」

「そう言えば、リックはビクトルにバレずに来れたのか~い?」

「バレなかった!僕だってやる時はやるんだよ!!」

「······」

「きっと、ノベトリー夫人がフォローしてくれたんだろ~?」

「ぐっ······」


 バレていなければいい。身内だからこそ慎重に行動してもらいたい。セドリックには今後の課題として検討していかなくてはいけないな。


『おい、リリス来たぞ~』

「!?」


 ノベトリー家の馬車が着いた。屋敷の三階の一室からこっそりと見ているが、遠目からでもハッキリと分かった。

 体格の大きいビクトルが先に馬車から下り、リリーの小さな手を引いて下りてきた。


 ······天使がいた。


 ふんわりとした明るいベージュの髪を少し纏めてあり、瞳より薄い水色のドレスはガーデンパーティを意識して広がりすぎない、動きやすいものを着ていた。


 いつ見ても綺麗な澄んだ青空のような瞳だ。あのキラキラ輝く瞳に俺だけを写して欲しい。


「······ビクトル、でかくないか?」

『バランス悪いペアだな~』

「ビック兄さんが相手の時は、仕方がないんだよ······」

「······」


 俺とだったらビクトル程、バランス悪くはならないだろうな。


「あれ?ちょっと引き摺られてないか??いや、浮いてる??」

「······」

「ビック兄さん!何してんだよ~!!リーを気にしろよ~!!」

『あっはは~。カバンぶら下げてるみたいだな~』


 もっと寄り添って、リリーに合わせて歩けば良いものを······。

 今後は俺以外とはエスコートさせないようにしなくてはいけないな。というか、絶対にさせない。


「あ"ぁーー兄さ~ん!!僕もう行く!?」

「まだダメだよ~?」

「リーが可哀想だろう!!」

「リック~!リリス嬢はあんまり気にしてない」

 

 こいつは······。俺だってリリーの元へ行きたい。だが、それでは本当にリリーを守るという事にはならない。


「セドリック!!」

「!?」

「全てを無駄にするつもりか?」

「ぐっ······分かったよ」


 学園が始まるまで時間はある。後でノベトリー夫人に報告して、鍛え直さねばならないな。

 


「ジン、アイツの様子はどうだ?」

『ほいさ~。アイツは屋敷の裏から入ってきたよ~』

「俺達も行くぞ」

「よ~し」

「······リー」


 予定通り、屋敷の裏の警備はわざと手薄にして、アダンが侵入しやすくなっていた。

 勿論、使用人達の配置や動きも目的の場所まで誘導出来るように計算されている。

 これでアダンとリリーを引き離すことが成功する。


『じゃあ~俺はリリスをあの庭に誘導したら、アル達に合流するわ~』

「······あぁ、あの庭に」


 リリーは気に入ってくれるだろか······。

 初めてノベトリー家に行った時と同じ、青と白の花が綺麗だった庭を思って作った。

 あの庭で待っていて欲しい。



 最後まで読んで下さって、ありがとうございます。

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