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【連載版】連勤術師の悠々自適な生活  作者: ラクシュミー
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6.新居完成

 村に来て、2ヶ月後。ようやく私の城が完成した。

 すぅ〜。

「ん〜、良い匂い。新築の匂いだ〜」


 新居は、私の希望を詰め込んだログハウス。作ってくれたのは大工仕事の得意な人達を中心とした、おじぃ軍団。もちろん私も手伝ったし、だいたい2週間に一度村へ来るリュウとドラゴンのナーガも手伝ってくれた。


 外観は、昔アニメで見たアルプスの女の子の家のよう。まぁ、私の描いたデザインがそれを真似したんだけど、まさか同じように建ててくれたのにはびっくり。家の土台やら暖炉やらは【土魔法】家の木材を切るのは【風魔法】を使う。


 私も魔法の練習がてら手伝った。家は高床式で3段の階段を上がった所に玄関ポーチ兼ウッドデッキがあり、丸太ベンチとテーブルがある。ここで、おばぁ達とお茶したら気持ち良いという理由だけで作ってもらった。


 内装は、リビング、ダイニング、キッチン、風呂、トイレがある。こちらの世界のトイレは、ちゃんと水洗だった。これも迷い人のお陰で、それ以前は汲み取り式トイレの中にスライムを入れていたらしい。リビング、ダイニングは吹き抜けでとても開放感がある。しかもロフト付きで、そこが私の寝室になる。


 家を彩るカーテンやクッション、寝具カバーなどはおばぁ達のお手製。私もおばぁに混ざり久々に裁縫した。まだ、一般社員の時は時間があって、編み物や小物を作っていた。私は一度ハマると、とことんやりたいタイプで旅行で気に入ったハワイアンキルトをネットで調べながら作るほどだった。まぁ、連勤術師になってからは裁縫道具が埃を被っていたけど……。


 トントントン。

「イツキー、いるか?」

「いるよー」


 ドアを開けると、そこにはリュウが立っていた。肩の上にはナーガが片手を上げて、挨拶をしているようだった。


「リュウ、ナーガも。久しぶりだね。ようこそ、我が城へ!」

「あっははは、城とは大きく出たもんだな」

『グルルゥ〜』

「もー、良いじゃない。2人して笑わなくてもー。まずは入って入って」


 中に案内して、ソファーに座るよう促す。ソファーもおじぃとおばぁの合作。丸太で作ったベンチにクッションを敷き詰めたもの。


「あっ、ナーガ用もあるんだ」


 ナーガ用のソファーは、犬用ベッドを参考にしたもので、小型サイズになったナーガにピッタリなサイズで私が作った。


「どう? 気に入ってくれた?」

『グルゥ〜ン』

「良かった〜。はい、コーヒー。ブラックだよね? ナーガにはホットミルク」

「おう。……相変わらず、イツキの淹れるコーヒーは美味いな」

「まぁね〜。伊達に何年も淹れてないからね」


 キッチンは3口コンロ、過去の迷い人が作った冷凍庫付き冷蔵庫、シンク。全て稼働するのには魔石を使っている。ちなみにコーヒーは、普通に流通していた。


 魔石は魔獣を討伐する事で得られるそうで、討伐レベルの高い魔獣ほど魔石が大きく、高価だという。ちなみにそこら辺の草むらにいるスライムの魔石は、小石程度の大きさで買取りも低価格らしい。


「はい、新居祝い」


 そう言ってリュウに渡されたのはワイン。


「ありがとう。ってか、今どこから出したの?」

「ん? あぁ、これだ」


 リュウが何もない腰の部分を触ると次の瞬間には手に小さなバッグを持っていた。


「これはマジックバッグで、登録して身につけると不可視化出来るんだ。この大きさだが、容量は爺様の屋敷は軽く入る」

「は? あのデカい屋敷が? この小さいバッグに?」

「あぁ。不可視化しているから盗られる心配もないし、時間停止機能も付いているから出来立ての料理を入れて、後で取り出しても温かいまま食えるぞ」


「すっげー。でも、お高いんでしょう?」

「まーな。この容量で機能を考えると安くはない」

「だろうね。まっ、私にこれぐらいで十分だけどね。今のところ、そんな入れるものないし」


 そう言って、腰に付けているカラビナポーチをポンポンと叩く。ちなみに中には、あと僅かになったタバコのケースとオイルライター。


「ん? 珍しい形のバッグ……おい、これイツキの世界のか?」

「うん、そうだけど?」

「ちょっと来い!」

「へ?」


 何かに気付いたリュウは目を見開き、そしていきなり立ち上がると私の腕を取り外へと出た。向かった先は、バルカン爺ちゃんの所だった。ドワーフ族でアポロ婆ちゃんの旦那さんのバルカン爺ちゃんは、濃緑色の髪に茶色の瞳でやはり一般男性よりもやや小柄のおじぃ。



【バルカン・レムノス】

 ドワーフ族。伝説の錬金術師。

 土属性。スキル多数。

  〈その他〉

   錬金術に関しては右に出る者はいない。

   無類の酒好き。

   


 そしてバルカン爺ちゃんとアポロ婆ちゃんの家には、バルカン爺ちゃんの趣味と実益を兼ねた魔道具のコレクションが所狭しと飾ってある。


「バルカン爺、ちょっと良いか?」

「おう、リュウか。どしたんじゃ? おぉ、イツキもおったか」

「コレ見てくれよ」

「ん? これは?」

「私がこっちに来た時に持ってたポーチ」


 バルカン爺ちゃんが手を出すので、腰からカラビナポーチを外し渡すと、触ったり中を開けたり熱心に見ていた。しばらくして、私にカラビナポーチを返してくれた。


「イツキの世界じゃ、普通のポーチだったんじゃろうが、マジックバッグになっておるな」

「えーー!? マジで?」

「あぁ、スマホで検索してみろ」


 言われるままスマホで写真を撮り検索してみる。



【イツキのポーチ】

 異世界では普通のポーチだったが、こちらに来た時に

 魔道具に変化。

 時間停止機能。ソート機能。容量♾️。

  〈その他〉

   エンブレムに血を垂らせば、不可視化できる。

   イツキのリュックも同じように登録すると、

   中身の共有化が可能。



「うっわ、ホントだ」

「お、おい!なんだ? その魔道具」

「あー、これ? スマホ」

「いや、だからそれは何なんだ?」


「リュウ、ちょっ待って。バルカン爺ちゃん、リュックも持って来るから、リュウに説明しといて!」

「しょうがねぇな。スマホってのはなーー」


 バルカン爺ちゃんがリュウに説明してくれる間に、家にリュックを取りに行った。リュックの中には、元の世界から持って来た物も入れっぱなしだったので、そのまま持って行く。




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『享年82才の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜』

も、良かったら読んでみて下さい。

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