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【連載版】連勤術師の悠々自適な生活  作者: ラクシュミー


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33/39

33.看板娘

「で、シェサール辺境伯家の末姫様のステラ様がどうして?」

「あら、イっちゃん聞いてない? これからしばらく護衛が付くって」

「それは聞いてましたけど……。えっ!? もしかしてステラ様が?」

「は、はい……。すみません、私なんかが護衛だなんて……」


アポロ婆ちゃんが言うには、カサドル男爵とはいえ元はシェサール一族、つまり身内のいざこざ。それを外部の人を雇って護衛なんぞしたら、身内の恥を晒すようなもの。それにシェサール辺境伯家は、使用人も含めて全員が武芸や魔術に長けている。


 だから、今、比較的仕事や時間にゆとりのあるステラ様に白羽の矢がたったらしい。ステラ様は十七歳で魔法省の魔術師団に所属で、アポロ婆ちゃんが王宮に行った時はサポートに付くぐらい優秀だという。


「本当にすみません……。ウチの身内がご迷惑を……」

「まぁ、昔からちょっとねぇ〜。猪突猛進と言うか、考えなしの一直線と言うか」

「あー、そういう人なんだ」


 ちなみにトラッシュ・カサドル男爵には子供が二人。その子供も中々の癖のあるらしい。


「えっと……長男が二十二歳で獣騎隊所属で、その下の長女が十四歳で学院生です。私もここ何年も会ってないんですけどね……」

「えっ? でも、長男には王宮で会ったりするんじゃないの?」

「いえ、獣騎隊は王宮でも端っこにあるので私がいる魔法省からは遠いので」


 以前、王宮に訪れた時に見た竜舎もそうだったが、獣騎隊の獣舎も文官や魔法省のいる建物からは離れているそうだ。しかも、許可を得た人しか入れないという。


「そういえば、竜舎って入ると中が広いよね?」

「あー、それは竜舎も獣舎も空間魔法が使われてあるからよ」


 竜舎にしても獣舎にしても、育てるにも運動させるためには広大な場所が必要となる。しかしそんな広大な場所が王都にあるわけがない。だから空間魔法で場所を作っているらしい。しかもその空間魔法は、なんとアポロ婆ちゃんが作り上げたものだった。



*****



「おっはよーございまーす! 開店でーす」

「か、開店します……」


 護衛とはいえお手伝いもしてくれるということで、先日我が家を訪れた時のローブ姿ではなく街娘風のワンピースに編み上げブーツ姿のステラ様。アドベントゥーラの冒険者ギルドは、幼少期以来だということもあり初めて顔を見る冒険者達がざわめいている。


「ねぇねぇ、お姉さん名前は?」

「ス、ステラです……」

「ステラちゃんかー。可愛いー!」

「はいはい、買ったらどいて下さいねー」


「ステラちゃん、何歳?」

「じゅ、十七です……」

「じゃあ今度飲みにーー」

「はーい、どいて下さいねー」


「ステラちゃん、彼氏いる?」

「あ、いや、彼氏はいないですけど……」

「マジで!? じゃあーー」

「はい、お客さん終了でーす」


「うわぁ〜、ステラちゃんの手すべすべ〜」

「あ、あの……」

「お客さん、お触り禁止ですよー。……おい! 出禁にするぞ」

「ご、ごめん」


 携帯食屋のはずなのに、何故どこぞのアイドルの握手会にいる ”はがし” のようなことをしているのか……。まぁ、可愛いもんなぁ〜ステラちゃん。ちなみに、護衛兼お手伝いなので、様付けではなくちゃん付けで呼ぶことになった。でも、今日の状況だとどっちが護衛なのかわからないな。


「あざーっした! 完売でーす」


 ステラちゃん効果もあってか、いつもより早く売り切った。閉店準備している間もステラちゃんに言いよる冒険者の多いこと多いこと……私だけの時はそんな事なかったのに。解せぬ。


「ステラちゃん、お疲れ様。どうだった?」

「わ、私役にたったんでしょうか?」

「たったよ。いつもより早く売り切れたし」

「はぁ〜、それなら良かったです」


 いつも通り閉店後に食堂で軽食を食べながらステラちゃんと話をしていると、厨房からブランカが何かを持って出て来た。


「ねぇ、イツキ。これ、味見してみてよ。ステラちゃんもぜひ!」


 ブランカが持って来たのは、ハヤシライス。以前、解体場でジェットブルのすじ部分が使い道がないということでゴミになっていることを知り、私が貰って煮込みを作ったところ、酒に合うということで大好評になった。その時に、煮込み以外の料理を聞かれたので、ハヤシライスを教えていたのだ。


「んー、美味しい!」

「美味しいです」

「でも、イツキが作ったものよりコクが足りない気がしてさ〜」

「最後にバター入れた?」

「あっ! 入れてない。それだ! ありがとう、イツキ!!」

 

 迷い人が昔から多くいた事で、ケチャップやらソースやら現代の地球と変わりない調味料があるこの世界。でも、ここ何年も料理人の迷い人がいないせいで、王都ならまだしも辺境の他まで料理のレシピがなかなか入ってこないらしい。




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