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【連載版】連勤術師の悠々自適な生活  作者: ラクシュミー


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28.プレゼンテーション

今回は、短めでスミマセン……。

 アドベントゥーラには中央門、東門、西門の三つの門がある。中央門を入ると広場があり中央には噴水があって、その広場から三本に延びる大通りがある。左右の二本の道は東門に向かう東通り、西門に向かう西通りがある。そして真っ直ぐ奥に延びる中央通りは集会所や図書館、教会などがある所に向かう道だ。


 その中央通りの側道を入った所に、ミャンさんの薬屋がある。噴水広場には、毎日のように屋台が出ている。でも、聞いた話ではここで商売するには、商業ギルドに登録し場所代を納めないといけない。しかも、人気のスポットなので何組もの露天商が順番待ちらしい。

 

「ルミナスさん、こんにちは」

「あら、イツキじゃない。今日はどうしたの?」

「えっと、今日は相談なんですけど……」


 私は、ルミナスさんに携帯食を販売しようと思っていること、販売場所をどうしたらいいか等相談するとルミナスさんはちょっと考えてから立ち上がると、付いてくるように私に言ってギルドに併設されている食堂へ案内してくれた。


「ガイルさーん!」

「なんだー? おぅ、ルミナスか。どうした?」


 ルミナスさんが食堂の厨房に声をかけると、解体長のロックさんのような筋骨隆々な男性が出て来た。


「イツキ、この人は食堂の料理長のガイルさん。ガイルさん、この子はイツキ。あの元ギルマス達の秘蔵っ子」

「あー、あの噂の期待の新人か。で、その秘蔵っ子がどうした?」

「実は……」


 ルミナスさんが、私の代わりに説明してくれている間に背負っていたリュックから、試食として作ってきたおにぎり三種類とBLTサンドウィッチ、唐揚げ棒、アメリカンドッグを取り出していた。


「なるほど、携帯食をなぁ〜。って、嬢ちゃんは何をしてんだ?」

「えっ!? あっ、話だけでなく実際に食べてもらったらわかりやすいかなぁ〜と思いまして。試食なので実際販売するものより小さいサイズで作ってきたんですよ」

「「………」」


 あとから聞いた話だと、こちらの世界ではプレゼンテーションで試食という概念がないらしい。戸惑いながらも、ガイルさんとルミナスさん、それから食堂のスタッフのエドモンドさんが食べてくれた。


「うまいな。この、おにぎり? の中身ってなんだ?」

「今回は、キングサーモンの塩焼き、ジェットブルの時雨煮、ワイルドボアとナスの味噌炒めです」

「……ほぼ魔の森の魔獣だな」 

「はい! 具材の材料費はタダですよ。米はアグリ産です」


 ガイルさんにおにぎりの説明をしている間にも、エドモンドさんは他の試食品を「うまっ、うまっ」と言いながら食べ進めている。その横では、ルミナスさんがエドモンドさんの様子を呆れて見ながらも、唐揚げを頬張って目を見開いていた。


「イツキ、唐揚げって鶏肉じゃないの? 前に王都で食べたことあるけど、それより美味しいわ」

「あー唐揚げは基本鶏肉ですけど、今回のはコカトリスです」

「コカトリス!? イツキが仕留めたの? ソロならランクBよ?」

「ソロじゃなく、今回はおじぃ達と共闘だから」

「「あぁ〜なるほど」」


 試食会を行った結果、店舗を出す前にしばらくの間お試しとして食堂の一角にスペースを作って販売することになった。ギルマスに許可取りしなくて良いのかガイルさんに聞くと、ギルマス、ガイルさん、解体長のロックさんはパーティを組んでいた幼馴染らしく「後で言っておく」とのこと。本当に助かる。


 販売は来週からということになり、ガイルさんとルミナスさん、エドモンドさんにお礼を言いギルドを出た。その後、ガイルさんから話を聞いたギルマスが「俺も食いたかったのにー! 呼べよー!!」と駄々を捏ねたとか捏ねないとか……。


 私がオチュード村に戻って、おじぃおばぁ達に報告すると「やったな! 今夜は宴じゃー」とそのまま宴会に突入してしまった。本当は、携帯食のストックを作ろうかと思っていたけど、宴会モードのおじぃ達には言いにくかったので今日は諦めて明日から頑張ろうと決め、おばぁ達の手伝いをする為に後を追った。



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