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【連載版】連勤術師の悠々自適な生活  作者: ラクシュミー
21/39

21.ナルシスト?

「失礼しました。お三方のご尊顔が素晴らしくて、つい」

「ハッ。先の迷い人の女と同じだな」

「先の迷い人の女性?」


「あぁ、迷い人の世界では〈ヒロイン〉だの〈悪役令嬢〉だのが出てくる遊戯があるのだろう?そこに出てくる貴族男性は全員イケメンだと聞いた。だからカワムラ嬢も私達の顔を見ていやらしく笑っていたのだろう?」


 イケメンって自分で言っちゃうんだ……。まぁ、確かにイケメンの部類ではある三人だけど。でも、イケメンだからニヤけてたわけではないんだけど、言っていいものかどうなのか。でも、さっきから言われ続けてイライラしているのも事実だし。まずは、お伺いかな?


「ほら、事実ゆえに何も言えまい」

「……ドリー様、私は未だにこちらでの言葉遣いなど慣れてはおりません。クノン様に説明したくとも不敬になるのではないかと心配で……」


「確かに。あなた方の世界では、平民が主だったと聞いている。この場では不敬にならないと宣言しよう。クノンもいいな」

「ええ、構いませんよ」


「では……クノン様、確かにその様な遊戯や本はありましたよ。先の迷い人がどう言ったのかわかりませんがね。確かにお三方ともイケメンですよ。でも、ご自分でイケメンだと言うのはどうなんです?ご自身のお顔に自信があると……あー、ナルシストですか?」


「ちがっーー」

「それに、私が写真を見てニヤけていたのは、イケメンだからではありませんけど?」

「では、なんだと言うんだ」

「クノン様が検索の情報が子供の様だと思ったからですけど?何か?」


「検索だと?」

「ええ、負けず嫌いのツンデレで、あれが好きでこんなのが嫌いでとか?」

「う、嘘だ! そんな機能があるだなんて」

「ありますよ。見てみます?」


 そう言って、先程の写真を出してクノン様を検索し、それを本人に見せる。


「こ、こ、これは……」

「クノン、どうなんだ?検索出来ているのか?」

「は、はい。出来ております。カ、カワムラ嬢……その情報は消せないのか?」

「ん〜、難しいですね。何がダメなんです?」


「そうだぞ、クノン。何が困るのだ?」

「クノン兄上、俺も好き嫌いはありましたよ」

「何だ、リュウは嫌いな食べ物があったのか?」

「はい、ドリー兄上。ピーマンが嫌いでした。でも、イツキの料理で美味しいとわかり食べれる様になりましたけど」


 リュウとドリー様が話している時に、クノン様が私にコソッと話してきた。


「……どうにか消してくれ」

「だから、何でダメなんです?」

「虫が嫌いとか、男として恥ずかしいだろ」

「へぇ〜……私の世界では、昆虫食というのもありましたよ。食べます?」


「うっ……や、やめてくれ。カワムラ嬢に嫌味を言ったことは謝る。大人気なかった、本当に申し訳なかった」

「謝罪を受け取ります」

「では、消してくれるのか?」

「いえ、これは記念なので」

「ぐっ……」


 そのやり取りを見聞きしていたリュウとドリー様は……


「カワムラ嬢は、なかなか良い性格をしているな。オチュード村の影響か?」

「それもあると思いますけど、イツキの場合たぶん元からの性格もあるのではないかと……」


「久々にクノンがやり込められているところを見れたな」

「確かに。クノン兄上のことをあそこまで出来る方は、みんなオチュード村にいますからね」


 その頃、オチュード村のあちこちでクシャミをしているおじぃおばぁがいたのを私は知らない。


和解をした後再びお茶をしながら話していると、リュウが思い出した様に私に話しかけてきた。


「そう言えば、イツキのスキルってクノン兄上の仕事に役に立つのでは?」

「カワムラ嬢のスキルとは?」

「【充電】です」

「「【充電】?」」


 簡単に充電について説明をすると、やはりクノン様仕事に役に立つようで、先程の態度とは打って変わって「ぜひ! 私の執務室へ!!」と懇願されてしまった。後々「先にそれを言っておけばクノンも嫌味を言わなかっただろうに」とドリー様に笑われた。



*****



 お茶会が終わるとドリー様は自分の執務室へ、私はリュウと共に魔法省へ向かった。


 魔法省は、先程いた王宮から出て馬車での移動だった。なんでも、色々な魔道具を扱ったりすることもあるので王宮から離れているそうだ。馬車で5分ほど走ったところで、到着した魔法省は地下3階の地上2階の白い石造りの建物だった。


クノン様の案内で執務室へ入ると、秘書官の方々が立ち上がり頭を下げるので私もつられて頭を下げると秘書官達は驚いた顔をしていた。それに首を傾げつつ勧められたソファーに座ると、リュウが理由をコソッと教えてくれた。


「俺がここに来ることは滅多にないし、クノン兄上も中々人を連れて来ないから。しかも、女性なんて尚更な」

「聞こえているぞ、リュウ」


 対面のソファーに座ったクノン様の手には木箱があった。その木箱をローテーブルの上に置き、クノン様が中身を出して始めると、そこには見たことのある品々が。


 ポケベル、ガラケー、ゲーム機、モバイルバッテリー、ハンディーファンなどなど。


「これらを動かせるように出来るだろうか?」

「たぶん。本体自体に問題がなければですけど……。あっ、大丈夫そうです」

「おぉー、確かに。……おい!誰か、シュンスケを呼んで来てくれ!」

「はっ」


 しばらくすると、白衣を来てボサボサ髪の男性が連れて来られた。前髪が伸びて目は隠れていて表情はわからない。


「なんすか? 室長〜」

「シュンスケ……また、帰らなかったのか?」

「あー、まぁ。帰るのも面倒なんで。あははは」

「ったく……。あー、紹介しよう彼はシュンスケ・フウマ。迷い人で今はこの魔法省で研究者をしている」


 初めて自分以外の迷い人にあった……。





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