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だいだい色の空

作者: ちくわぶ

………

気づいたら土砂降りの雨の中に立っていた


雨宿りのためすぐ近くにあったガレージに逃げ込み、止まっていたワゴン車の横でうずくまる事にした


いつから雨の中に居たのか、身体は冷え切っている


車は鍵が開いていた


寒さに耐え切れず車に乗り込み、後部座席の足元でしゃがみ込んで体温が戻るのを待つ


人の歩く足音が近づいて来る


やがてドアが開かれ、その人と目が合った

私を見て怒るわけでも困惑するわけでもなく、「なにしてんねん」と少し笑った


私を追い出すこともせずその人はエンジンをかけ車を走らせ始めた

しばらく車に揺られていると「あー疲れた、運転かわれる?」と言われその人は助手席へ、私は運転席へと移動した


ドライブ中何かを話した気がする

隣でその人は大きな口を開けのけぞるようにして笑っていた


雨は上がり夕陽が差してきた頃、辺りは田んぼしかない田舎道に差し掛かった


車を停め、どこからともなく自転車を見つけてきたその人は荷台に跨り、私は自転車を漕ぎ始める


後ろではしゃぐその人はまた大きな口を開けて笑っていた、まるで子供のようだった


二人乗りの自転車はバランスを崩して倒れ込み、私達は田んぼに投げ出された


泥まみれでまるでコントのようだとその人は笑った


綺麗な夕陽が沈もうとする中、その人の笑顔が1番明るくて美しくて、私はその笑顔が好きだと心からそう思った

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