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最速レベルアップで世界最強  作者: 桐ヶ谷零
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第五話 再び

俺は今A級ダンジョンに来ていた。少し不安もあったが、ツクヨミと衣があるお陰で難なく攻略できていた。しかし、45階層を探索している時にそれは起こった。


「うおっ!なんだ急に!?」


突然ダンジョンが揺れだしたのだ。そして俺はこの揺れを知っていた。


「またあの時と同じか…!」


そう俺のスキルが覚醒した日に起こった揺れだったのだ。揺れが収まったと思うと違う場所にいる。これも前と同じだった。しかし、前と違うところが一つある。それはここがA級ダンジョンという事だ。B級ダンジョンでS級のブラックドラゴンもとい破壊王(ブレイカー)がいたのだ。もしかするとEX級モンスターがいるかもしれない。俺はダンジョン攻略を開始した。


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探索師ギルドはA級ダンジョンがEX級ダンジョンに変化したと報告を受けて、日本で唯一のEX級探索師の大島息吹に応援要請をし、EX級ダンジョンに向かってもらっていた。


「ちっ…めんどくせぇな。S級ならそこそこいるのに何で俺だけなんだよ」


大島息吹はそう言いながら、ナイトスパイダーを真っ二つにした。そして目の前に巻き込まれたのであろうパーティーが苦戦していた。それも無理はない。何たって相手があの破壊王(ブレイカー)なのだ。


「はぁ…本当めんどくせぇ」


息吹が一歩踏み出した時だった。破壊王の首に線が入りズルリと滑り落ちたのだ。


「は…?」


息吹はもちろん、相手をしていたパーティーの奴らも驚いている。


「何が起きたんだ…?この俺が見えない攻撃だと…?」





俺、田中零は因縁の相手をこの手で殺す事ができ、満足していた。


「しっかり、借りは返したぜ」


そして俺はまたレベルアップの為モンスター達を狩って行った。そして、しばらく狩りをしていたら急に血の匂いが濃くなっていく。


「こっちか…」


向かっている途中にはいくつもの探索師の死体が転がっていた。そして俺は目撃する。人型の蟻のようなモンスターが今にも女性探索師を殺そうとしているところを。



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私、桐谷香織は絶対絶命のピンチに陥っていた。


「どうして…こんな目に…」


遡る事、数時間前…。香織はパーティーメンバーと共にA級ダンジョンに来ていた。最近強くなってきていて調子に乗っていたのかもしれない。しかし、苦もなく順調に攻略できていた。そんな時にあの揺れが起きたのだ。


「な、何!?」


「何が起こってるんだ?!」


パーティーメンバーも何が起こっているのか分からず混乱していた。しかしそれも直ぐに収まり、状況を確認する。まずは今自分達がいる場所はさっきまでいた場所とは全く違うところだった。そして、どういう事か魔力濃度も濃くなっているみたいだった。


「ど、どうする?」


「留まっていても良いが、俺は先に進んでみたい」


「えぇ、危険じゃない?どう見てもここに留まっておくべきでしょ!」


「俺も進んだ方がいいと思う。生憎俺達は食料をあまり持ってきていない。救援を待つよりも自分達で出口に向かうしかない」


「うっ…確かにそうね…」


パーティーメンバー全員が出口に向かう事に賛成したのですぐに行動を開始した。後にこの判断が間違っていたとパーティーメンバー全員が後悔することになる。


香織達は結構奥まで来ていたらしくなかなか階段が見つからない。かれこれ2時間くらいは歩いている。おかしい…そう全員が思っていた時だった。目の前を歩いていたパーティーメンバーの頭が()()()


「きやゃゃゃぁぁぁぁ!!」


何が起きたのか分からず、叫ぶ事しか出来なかった。そうしている間にもパーティーメンバーがどんどん殺されていき、とうとう香織だけになってしまった。そしてそいつは香織の前に姿を現した。人型の蟻のようなモンスターだった。


「あ……」


香織はモンスターを目の前に恐怖で動けなくなっていた。そしてそいつがゆっくり腕を持ち上げている。あぁこいつは私を殺す事を楽しんでいるのか。そう思い、死を覚悟した。しかし、いつになっても腕は振り下ろされない。ゆっくり頭を上げるとモンスターの腹に刀が刺さっていた。


「間に合ったようだな…」


「え…?」


一瞬の出来事だった。モンスターはすぐに後ろへ下がり傷口を修復していた。そしてモンスターの姿が消えた。


「ちっ流石に見えないか…」


気がつくと先程助けてくれた少年のすぐ側にモンスターはいた。


「いつのまに…」




俺は内心焦っていた。なんとコイツはEX級のモンスターだったのだ。まさかこんなに早く出会うとは思っていなかった。今のステータスじゃコイツには勝てない。コイツの動きが全く見えないのだ。そこで俺は余っている30万コインを()()レベルアップにつぎ込んだ。すると体の奥底から力が湧いてきて、モンスターの動きがゆっくり見える。いや俺が速くなり過ぎたのだ。そこからは一方的だった。俺は影移動を繰り返し、モンスターの体に傷をつけていく。


「キエエエェェェェェ!!!」


モンスターは叫ぶ。身体強化を発動したようだが、俺からしたらそれは些細な変化だった。


「そろそろ終わらせるか…」


気がついた時にはモンスターの姿は消えていた。殺し損ねた訳ではない。首を切った後、()()()()のだ。ツクヨミを使っている打ちに新しく能力が増えたのだ。それは昼間でも闇のエネルギーが使えるようになり、次元収納が使えるようになったのだ。モンスターの死骸はそこに収納している。


「あの…ありがとうございます」


「大丈夫でしたか?」


「お陰様で…ところで貴方は一体何者なのですか?」


「俺は零と言います。俺の事は誰にも言わないでください」


「え?でも…」


「それでは」


「あ、ちょっ…」


俺は走り去って気がついた。あれ?これ置いていったらまた同じ事になるんじゃね?それに気づいた俺はすぐに戻った。


「あれ?」


「一緒に来てください」


「あ、はい」


そしてもう一つ俺は重大な事に気がついた。


「俺が見えてる…?」


「え?はい」


「俺が来ている衣、気配を完全に遮断して見えなくなる筈なんだけど」


「あぁ、私のユニークスキルのせいですね」


「ユニークスキル?」


「はい、私のユニークスキルは『視える者』です。私にはどんなに優れた隠密能力でも無破れるのです!」


ドンっと胸を張っている彼女を見て目を逸らした。可愛らしかったからだ。決して揺れた胸に目が行き目のやり場に困ったからではない。


「どうしました?」


「いや、何でもない。それより名前は?」


「香織です!先程は命を救っていただきありがとうございました!」


「急に元気になるな…まぁ気にするな。たまたま通りかかっただけだしな」


「それでもです!」


「は、はぁ…」


この後香織と話しながらそしてたまにモンスターを狩りながら無事ダンジョンから出る事ができた。

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