第四話 新たな力
俺のこのスキルについては周りには隠しておこう
と思う。だからソロでやっていこうと思っている
のだが、それだといろいろ面倒になってしまう。
ギルドに入るのが良いのだが、それだとスキルが
バレてしまう可能性がある。だから限界を感じるまでソロで活動し、その後どこかのギルドに所属することにする。
「そうと決まればレベルアップだな」
それから俺はモンスターを狩って魔石を全て換金していった。
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あれから数時間モンスターを狩っては換金し、ステータスを上げる行為を繰り返していた時、前に聞いた声が聞こえてきた。
『〈ユニークスキル「ステータスショップ」〉がレベルアップしました。ステータスショップ内に「装備」が追加されました』
「装備…?」
〈ステータスショップ〉
所持コイン500枚
必要コイン1枚
レベル+1
攻撃力+1
耐久力+1
素早さ+1
精神力+1
運+1
〈スキル〉
必要コイン10枚
隠密
賢者
剣聖
〈装備〉
必要コイン20枚
夜刀神ツクヨミ
隠密神の衣
「な、なんだ…!これは…!」
名前からしてヤバそうなものが沢山あった。とりあえず鑑定でそれぞれ見てみることにした。
〈夜刀神ツクヨミ〉・・・黒洞々たる夜を纏った刀。夜に使用すると闇のエネルギーを扱う事が出来る。昼に使用しても弱体化する訳ではない。
〈隠密神の衣〉・・・見た目はただの黒いマント。しかし、このマントを纏った者の発する魔力、生命力を遮断する。よく目を凝らさないと姿を見ることは出来ない。
〈賢者〉・・・スキルを使用する際に消費するMPを0にする。全ての魔法を扱う事ができる。
〈剣聖〉・・・剣を用いて戦う場合、最大の補正がかかる。剣の扱いが飛躍的に上手くなる。
「………疲れた。もう帰ろう」
俺は隠密神の衣を纏って帰路についた。
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「ただいま」
「おかえり!お兄ちゃん!ご飯出来てるよ!」
「ありがとう、今日の晩飯は何かな?」
「ふふん、今日は唐揚げだ!」
咲は胸を張ってドヤ顔をしている。俺はそれを見て微笑んだ。そして椅子にすわる。
「いただきます」
「どうぞ召し上がれ」
そして俺はものの数分で全て平らげた。
「ふぅ〜美味かった」
「ふふ、ありがとう」
その後咲と少し話した後、俺は寝る事にした。ベッドに横たわり静かに目を閉じる。そして俺の意識は深い眠りについた。
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俺は今C級ダンジョンにいる。ツクヨミの試し切り兼腕試しの為だ。C級以上のダンジョンにソロで入る場合、ステータスの開示や書類にサインなどめんどくさい事をしないといけないので俺は隠密神の衣の能力を使いこっそり入ってきたわけだ。早速目の前にファイアウルフが3体いる。ファイアウルフは名前の通り火属性魔法を使ってくる。その上近接戦も出来る為そこそこ強い魔物だ。そして俺は影に潜りファイアウルフの目の前まで行きツクヨミで3体同時に頭を落とした。
「やっぱり、この能力はチートだな」
さっきの能力はツクヨミの能力である。外では夜の間でしか使えないが、ダンジョン内ではいつでも使えるようだ。この能力の凄いところは気づかれる事なく接近出来る事だ。それに加えて隠密神の衣で気配を消しているのだから気付いた時には死んでいるのだ。
「ツクヨミの方も物凄い切れ味だな。剣聖の効果も絶大だしな」
俺はツクヨミを鞘に収め、今度は「賢者」を試す事にした。だが、俺は魔法を使った事がない。見た事もない。いや、さっき倒したファイアウルフのファイアボールは見たな…。俺はそれを試してみる事にした。
「はあぁっ!」
すると、先程見たファイアウルフのファイアボールの約10倍程のファイアボールが飛んでいき、近くにいた魔物を灰になるまで燃やし尽くしていた。ある程度覚悟はしていたが、まさかここまでとは思わなかった。俺は取れた魔石を換金してステータスを上げた。
〈ステータス〉
個体名 田中零
レベル 300
HP6500/6500 MP15000/15000
攻撃力 6000
耐久力 9000
素早さ 100020
精神力 600
運 60
〈ユニークスキル「ステータスショップ」〉
〈スキル〉
鑑定 疾風 剛力 隠密 賢者 剣聖
ここまで来るのに一週間もかかっていない。驚異的な速度で成長している。今のステータスだとB級探索師くらいだ。このレベルでB級なのだから10万レベルまでいったEX級探索師がどれだけ規格外かわかっただろう。
「俺は…その規格外すら…超えて世界最強になるんだ…!」
俺はそう誓い、妹の待つ家へと帰るのであった。