第三話 ステータスショップ
あれから数時間の時を経て俺は地上へと帰還した。けれども、素早さがアップしただけで受けた傷は治ってはいなかった。
「零…?零なのか!?おい!みんな零が帰って来たぞ!!」
玄さんがそう言うと他の人も集まってきた。そこでようやく生き延びた事を実感し俺は意識を手放した。
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「ん…ここは…?」
目を覚ますと、白い天井が見えた。そして背中から感じる感触からしてベッドに寝かされているのだろう。体を起こそうとするとお腹辺りに激痛がはしったのでやめておいた。そして視界の端にベッドに寄りかかって寝ている妹の咲が見えた。
「ん…お兄ちゃん…?っ!お兄ちゃん!起きたんだね…!良かったぁ〜」
「あぁ、心配かけたな…」
どうやらここは病院のようだ。今妹が見舞いに来てくれている。
「よぉ!零。体は大丈夫か?」
「玄さん…。はい、大丈夫です」
「先ずは謝らせてくれ。みんな無事に地上へ帰すと言ったくせにお前だけ帰す事ができなかった。申し訳ない。」
そう言って玄さんは俺に頭を下げてきた。
「そんな…頭を上げてください。玄さんのせいでは無いですから。それにこうして生きて帰ってこれただけで十分ですよ。」
「そうか…でも必ず何らかの形で返す。これは何を言われようが必ず返す。」
「…分かりました。」
そうして玄さんと咲とダンジョン内での話をしたりした。けど、スキルが覚醒したことはどちらにも伝えていない。先ずは自分で色々試したいと思ったからだ。
そして一週間後、俺は退院した。
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俺は朝早く起きて、咲が作ってくれた朝飯を食べダンジョンへ向かった。今日行くのは家の近くにあるE級ダンジョンだ。理由はもちろん覚醒したスキルを試す為だ。先ずはショップ画面を開いてみる。
〈ステータスショップ〉
所持コイン0枚
必要コイン1枚
レベル+1
攻撃力+1
耐久力+1
素早さ+1
精神力+1
運+1
〈スキル〉
必要コイン10枚
鑑定
疾風
剛力
ちなみに俺のステータスはこんな感じだ。
〈ステータス〉
個体名 田中零
レベル 10
HP200/200 MP150/150
攻撃力 25
耐久力 20
素早さ 100020
精神力 100
運 30
〈ユニークスキル『ステータスショップ』〉
最初にコインを手に入れる為にゴブリンを狩って魔石を取り出しコインに換金した。ゴブリンの魔石ではコインを1枚ゲットできた。試しにその1枚てレベル+1を購入する。
『レベルアップしました。』
ステータスを確認すると
〈ステータス〉
個体名 田中零
レベル 11
確かに上がっていた。ふと俺は思った。このスキルチートじゃね?コインがたったの1枚でレベルがほいほい上がっていく。俺が2年間かけて10までレベルを上げたのは何だったのか…。それに今の俺の素早さは10万を超えている。もはや人間の速度ではなかった。その後俺はE級モンスターとたまに出会うD級モンスターを大量に狩っていった。そしてその全てを換金しステータスとスキルを買った。
〈ステータス〉
個体名 田中零
レベル 150
HP2500/2500 MP3000/3000
攻撃力 1000
耐久力 1500
素早さ 100020
精神力 500
運 200
〈スキル〉
鑑定 疾風 剛力
〈ユニークスキル『ステータスショップ』〉
短時間でこんなステータスとなった。ちなみにこのステータスだとC級探索師くらいだ。一番上のランクはEX級探索師だが、この人達は世界に数人程度。レベルは10万を超えている。最近一人の日本人が日本で初めてのEX級探索師になって話題になっていた。この調子だとすぐにでも行けそうだが、それはもうちょっと先に取っておく。まだ確認したい事が沢山ある。
「ふぅ…今日はこれで終わりにするか。よし、帰ろう」
そして俺は帰路につくのだった。