第二話 覚醒
高校を卒業した俺は真っ先に探索師ギルドへ向かった。夢にまで見た探索師についになれるのだ。ワクワクしながらギルドに行き、登録を済ませステータスを獲得するためにE級ダンジョンへ向かった。この世界はどうやらダンジョン内の魔力に触れることでステータスが獲得出来るらしい。どう言う仕組みかはしらないけど…。そして、俺は人生初となるダンジョンに足を踏み入れた。すると、頭の中に声が響いてきた。
『個体名「田中零」はダンジョンに初挑戦である事を確認。これよりステータスの獲得を開始します。……成功しました。続いてスキルの獲得を行います。……成功しました。ユニークスキル「ショップ」を獲得。』
「へぇ〜こんな風に聞こえるんだ。ってそれよりもユニークスキル!?この俺がか?でも、「ショップ」か。一体どんなスキルなんだ?ついでにステータスも確認したか」
〈ステータス〉
個体名 田中零
レベル 1
HP 100/100 MP 10/10
攻撃力 15
耐久力 10
素早さ 5
精神力 50
運 10
〈ユニークスキル「ショップ」〉
ステータスはこんな感じか。まぁ普通だな。よし。次はショップについてだ。
〈ユニークスキル「ショップ」〉
このスキルを発動中は専用のコインを使うことによって道具を買う事が出来る。
「は…?これだけ?」
とりあえずショップを開いてみたが、武器や防具、家具などが、売っているだけで他は特に何もなかった。因みに専用のコインは魔物から取れる魔石をつかって換金するみたいだ。
「これなら普通に店に買いに行くのと同じじゃないか…」
俺は失望した。強い探索師になってみんなの憧れの存在になる事を夢見ていた俺には厳しすぎる現実だった。ただ、レベルを上げれば叶わないこともないが限りなく0に近かった。だが、俺は諦めずレベルを上げながら荷物持ちを2年間続けた。そして例のB級ダンジョン攻略レイドに参加することになる。
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「はぁ……はぁ……はぁ……」
俺は何とか初撃を躱したものの致命傷を負ってしまった。
「自分で苦を選ぶとは…まぁいい。次は確実にお前を殺してくれる…!」
俺は何も出来ない弱い自分を許せなかった。そして何より俺にはまだ妹という大事な存在もいるのだ。ここまで俺を支えてきてくれた妹の為にもここで死ぬわけには行かない。
「どうか…俺に力を…!」
『個体名「田中零」の祈願を受諾。ユニークスキル「ショップ」が進化します。……成功しました。ユニークスキル「ショップ」からユニークスキル「ステータスショップ」に進化。特典として100000コインを付与…完了しました。」
それは一瞬の事だった。ブラックドラゴンも聞こえていたらしく、攻撃の手を緩めている。一方俺は考える事をやめ「ステータスショップ」を開いた。
〈ステータスショップ〉
所持コイン 10万
レベル+1 (必要コイン1枚)
攻撃力+1 (必要コイン1枚)
耐久力+1 (必要コイン1枚)
素早さ+1 (必要コイン1枚)
精神力+1 (必要コイン1枚)
運+1 (必要コイン1枚)
〈スキル〉
鑑定 (必要コイン10枚)
疾風 (必要コイン10枚)
剛力 (必要コイン10枚)
俺はこれを見た瞬間全てのコインを素早さに注ぎ込んだ。そして俺は素早さ10万の力で全速力で逃げた。ブラックドラゴンは流石に追いかけてくることはなかった。こうして俺は絶対絶命のピンチを乗り越える事ができた。