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最速レベルアップで世界最強  作者: 桐ヶ谷零
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第一話 絶対絶命



俺の名前は田中零だ。俺は今、B級ダンジョンの攻略レイドに参加している。って言っても荷物持ちだ。E級探索師の俺には戦うことなんてできないからな。


「今日は集まってくれてありがとう!知っているとは思うが俺はA級探索師の武田玄だ。このレイドのリーダーをさせてもらう」


玄さんが挨拶をし始めるとレイドに参加している探索師は全員目を向けていた。そして、「玄がいるなら安心だな」「やっぱり玄さんはいつ見てもかっこいいぜ!」などなど聞こえてくる。それほど彼らから信用されているのだ。玄さんはA級探索師であり優秀なスキル「守護者(ガーディアン)」を持っている。このスキルは文字通り守りに特化したスキルだ。


「今日の予定は特に決まってはいないが、行けるところまで行こうと思う。それと万が一の事態が発生した場合はA級以上の探索師が事態の対応する手筈になっている。よし!みんな準備は出来ているな?攻略開始だ!」


「「「「「「「おおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」」」」」」」


こうしてダンジョン攻略が開始された。


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レイド開始から数時間経ったが特に問題はなく、40階層まで来ていた。そして、今は休憩中で俺はみんなに水分や食料を配っていた。


「お!ありがとな零!」


「零!こっちにもくれよ!」


ここまで先頭で戦ってきた探索師の人達は皆楽しんでいるようだった。俺はこの雰囲気が大好きだった。戦闘では役に立たないけれど荷物持ちとして役に立てるのならば喜んで仕事を受けてきた。しかし、そんな日々も突然終わりを告げる。突如ダンジョンが激しく揺れ出した。


「なっ!なんだ!?」


「どうなってる!?」


不足の事態に全員が混乱していると一人の探索師が声を上げた。


「ナイトスパイダーが出たぞ!」


「なっ!?ナイトスパイダーだとっ!?」


「ナイトスパイダーがB級ダンジョンに…!?」


ナイトスパイダーとはSよりのA級モンスターであり、普通ならA級ダンジョンに出現するモンスターなのだ。だからB級ダンジョンに出てくるのはおかしい。


「みんな一ヶ所に集まれ!俺のスキルが有れば皆んなを守れる!」


そう玄さんが指示を出し、非戦闘員は全員一ヶ所に集まった。そして通路の奥からナイトスパイダーが出てきた。


「くるぞ!全員構え!突撃!」


「しゃあああぁぁぁ!!!!!」


「やってやらぁぁぁぁ!!!!」


玄さんの掛け声と共に戦闘員は突撃していく。その間玄さんは出来る限りその場から動かず近づいてくる雑魚敵を倒したり、ナイトスパイダーからの流れ弾を防いでいた。そしてナイトスパイダーと戦うこと数十分、無事倒す事が出来た。


「突撃の事でびっくりしたが、なんとか対処できたな。ところでここはどこなんだ?今までダンジョン内の構造が変わった事なんて一度もなかったぞ?」


玄が言う通り俺達がさっきまで休憩していた場所とは大きくかけ離れていた。そして、何人かの班に分かれてA級探索師が出口を探しにいった。


「みんな安心してくれ、何としても俺達が無事に地上まで返してやる」


玄さんの言葉はとても心強かったが、俺はさっきからどうも嫌な予感がしてままならなかった。そして俺の嫌な予感は見事に的中した。なんと一人の探索師が血まみれ状態で戻ってきたのだ。急いで玄さんは駆け寄ったが生きているのがやっとの状態だった。そして彼は死に際にこんな事を言った。


「……この……奥に…破壊の…王……ブラックドラ…ゴン…が…い……る………」


「っ!?おい!目を覚ませ!死ぬな!頼む!目をあけてくれぇぇぇぇぇ!!!!!」


ダンジョン内に玄さんの苦痛の叫びが響く。そしてその後何者かの足音が聞こえてきた。この足音からしてブラックドラゴンで間違い無いだろう。だが、ブラックドラゴンはS級ではあるが実際のところはそれ以上と言われている。とてもじゃないがここには太刀打ちできる探索師はいない。


「撤退だ!逃げ道は他の班の奴らが見つけてくれた!俺についてこい!」


その声を聞き固まっていた人達が全員全力で走っていく。そんな中俺はいくつもの人に押され足を挫いてしまった。そして俺は一人取り残されることになったのだ。


「ほぅ…怪我をして逃げ遅れたのが一匹か」


「っ!?…………」


「ハハッ!恐怖で動けないようだな。怪我をして逃げ遅れるとは憐れな子よ。せめてもの救いに苦を味わわぬようこれしてくれようぞ!」


そして、ブラックドラゴンは強靭な爪を俺に向けて振りかざしていた。それを俺は眺めることしか出来なかった。そして俺は今までの記憶が滝のように流れ込んできた。


「これが走馬灯ってやつか…」


そして俺はずっと頭から離れないあの日のことを思い出していた。



それはずっと憧れていた探索師になった日のことだった。




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