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第39話 悪魔の軍勢

39話目です~

 パイモンが再び大音声の咆哮を上げると床にさっきの倍以上ある魔法陣が描かれとてつもない魔力を放ちながら光り輝き始めた。


「ッ!?」


 この魔力の密度‥‥そして魔法陣の大きさ‥‥まさか上級のデーモンを召喚するつもりか!?


 あたり一帯に敷き詰められた魔法陣を見てそれが再び召喚術のたぐいであること、そしてさっきとは比べ物にならないほどの魔力が込められていることに気が付く。


「エリスっ!!さっきとは比べ物にならんものが出てくるのじゃ!!」


「え!?なに?この声のせいで聞こえないんだけど!?」


 ッチィ‥‥エリスに危険を知らせようにもパイモンのこの声のせいで何も通らない。仕方がないならエリスに()()語りかけるとしようかのぉ。


「連携 シンクロ」


 パイモンの声が未だに部屋の中に響く中、儂は魔法を詠唱する。これで儂が思ったことがエリスとつながるはずじゃ。


『エリス聞こえるかの?』


『え!?なにこれ!?頭の中でグリアの声がする。』


 耳をふさぎながらも突然頭の中で儂の声が聞こえたことに驚きを見せるエリス。残念じゃがこんなことで驚いてもらう時間はない。


『いいかの?エリス、今ここに描かれている魔法陣は全て上位のデーモンか何かを召喚するための魔法陣じゃ。』


『まさかと思うけど、この魔法陣全部からそれが出てくるわけ!?』


『大半はそうじゃな。じゃがこの中にさらに質が良いものも紛れておる。下手したら最上位のデーモンも出てくるやもしれん。』


 そう、大半は上位のデーモンを召喚するための魔法陣だが、その中には質の悪いことにさらに強力な魔力が込められている魔法陣もある。それから何が出てくるのかはいよいよもって儂でも予想がつかん。最上位のデーモンか、もしくはそれこそ名のある悪魔か‥‥。

 名のある悪魔といえば‥‥あのパイモンとやらどこかで聞いたことがある名じゃ。はて、どこじゃったか?

 どこかで耳にしたパイモンという名を思い出そうと頭をひねっているうちに、パイモンの作った魔法陣から続々と上位のデーモンが現れ始める。そしてデーモンたちが現れたのを確認するとパイモンは口を閉じ、辺りに一時の静寂が訪れた。


「ハハッ!!今度は僕の軍の精鋭たちだよ~?まぁ、()()()にやられてだ~いぶ減っちゃったけど‥‥たかだか少し強いぐらいの人間を殺すなら十分だよねっ。」


 そしてパイモンは儂らのほうを指さし号令を下した。


「殺れ!!」


 相変わらず大音声だったが確かに殺れと今度ははっきりと聞くことができた。そしてその号令を待っていたとばかりにデーモンたちがこちらへと押し寄せてくる。


「のぉエリス。そっちは任せても大丈夫かの?」


「誰に向かって言ってんのよ、任せなさい。その代わりそっちこそ‥‥後ろは任せたわ。」


 儂の後ろはエリスが、そしてエリスの後ろは儂が守る。さぁて‥‥ではではせっかくのパイモンとやらのもてなしじゃ。儂も全力をもって答えてやるとしよう。


「エルフ流剣術 五式 妖精姫の舞(ティターナダンス)!!

 炎水氷雷土木 六精 エレメンタルボム!!」


 向かってくるデーモンたちにエリスはエルフ流剣術の奥義らしきものを使って対抗し‥‥儂は六属性を圧縮した超高火力の魔弾をデーモンの群れの中へと撃ち込んだ。

 エリスはまるで舞うように一匹ずつデーモンの首を落としていく。対する儂は指先から六属性を圧縮した魔弾をデーモンに撃ち込み一匹一匹爆発させていった。





「ふ~ん結構頑張るじゃん。」


 愛用のラクダの形をしたデーモンの背中にまたがりながらパイモンはグリアとエリス二人の戦いを興味深げに眺めていた。


「パイモン様、少々我が軍のほうが劣勢かと思われます。」


 下で跪き、そう進言するのはパイモンの右腕的存在であるラバルだ。その進言に同調するようにラバルの隣で跪くアバリムもパイモンへと進言する。

 この二人こそパイモンの右腕と左腕的存在のネームドデーモンである。


「恐れながら(わたくし)、アバリムもラバルと同意見でございます。」


「そっか、じゃあ雑魚がみんなやられちゃったら‥‥二人にお願いしよっかな。」


「「御意に‥‥」」


 もしもの時のことを二人の部下に任せ、大量の上位デーモンにひるみもせずなぎ倒し続ける人間二人をパイモンは興味深げに眺めるのだった。

それではまた明日のこの時間にお会いしましょ~

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