第2時聖魔大戦 届いた光
ロイsideからから少し離れます。
「アピスぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
バリアンの後ろにいたはずのアピスの胸元で黒炎が爆ぜた。
即死だったのか、アピスの凛とした声を出していた喉は音を発しない。
バリアンは目の前にいる敵の存在を忘れ、アピスの元に駆け寄る。その細い体を抱き抱えようとするが、
ドォォォォォォォォォォンッッッッッ!!!!!
さらに大きな炎がアピスの元で膨れ上がる。
粉塵が舞い上がり、またひとつ大地に傷がついた。
バリアンはその光景を見て呆然とするが、ギリッと奥歯を噛み締め、この黒炎の発生源に怒りと憎しみに血走った目を向ける。
その敵は、バリアンたちに目を向けていなかった。ただ、騒ぎ散らしている。
「憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎いーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
敵____憤怒の魔王はただまっすぐ空に激怒と憎悪に真っ赤に染まった目を向けていた。
その様子はまるで自分たちなど敵ではないと、本命に向かうための踏み台でしかないと言うように。
バリアンは周りを見渡した。かつて豊かな草原であった大地は草1本見当たらない荒野と化し、見渡す限り白と青しかなかった空は真っ赤に染まっている。
そんな中にたっているのは、自分を含め4人。かつて7人だった仲間。互いに磨き合い、困難を共にしてきた他の3人はもういない。
4人は一瞬だけ視線を絡め、お互いの決意を伝え合う。
『盾』は、いとしい人を奪われた怒りを己の武器に宿す。全てを弾き、仲間を守り抜くために。
『杖』は、仲間への信頼を己の武器に宿す。敵の怒りの波動を全て受け止め、仲間を送り届けるために。
『手甲』は、この現実に対する哀しみを己の武器に宿す。敵の激情を打ち砕き、未来へ希望を届けるために。
『剣』は、自らの信じる正義を己の武器に宿す。その聖なる光をもって、諸悪の根源たる大罪を断ち切るために。
4つの光が混じり合い、やがて大きな光となる。全ての邪を祓い、敵の憎悪を、憤怒を食らいつくし、敵に永遠の眠りと安寧を与える光に。
光が爆ぜ、荒れ狂い、世界が純白に包まれる。
やがてその光の奔流がはれたとき、広大な荒野の先にあった光景は______
憤怒の魔王の胸を、剣の勇者の、人々の希望の刃が貫いた光景。
世界に希望という名の光が満ちた瞬間だった。




