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堕天使の下克上   作者: あかねこ
15/35

バリアン

第2章スタート。

多分1番長いかな?

守るために、


守るためには、


僕は、


いや…、



()()


……………………………




エルドニア帝国西方、国境、対魔族最前線の街。バリアン。


その街のギルドには、多くの冒険者達がいて、お互いに自慢話をしたり、談笑していたり、あるいは喧嘩をしているなど、普段はかなり騒がしい光景なのだが、今は驚く程に静かだった。

それはギルド前の広場も例外ではなく、騒がしいはずなのだがー

普段うるさい冒険者達が口を開けて驚きながら見つめている先にいるのは、薄汚れた服装の青年とその前で倒れている大男だ。

青年の方が、困ったように呟く。


「やり過ぎたか、」



20分前_____


「ここがバリアンか、」

バリアンの街でひとり呟くのは、薄汚れた服装に目深にかぶったフードという怪しさ大爆発のロイドだ。


もっとも、ここには冒険者崩れの強盗に身ぐるみ剥がされ浮浪者になってしまう様な人もいるので、それほど浮いてはいない。


「取り敢えず、ギルドに行くか。」


ロイは、大剣を担いだ大男や、強盗一歩手前ぐらいの格好をしている小男など、冒険者であろう人達が出てくる建物を目指す。


かなり大きな建物だ。5階はあるだろうか、横にも長く、そこらの貴族の屋敷よりも大きいだろう。


その建物の入口を抜ける。


中もかなり広い。正面にはギルド嬢のいるカウンターが複数あり、右手には上だけでなく下にも向かっている階段が、左手には、多くの冒険者がいる酒場がある。


漂ってきた酒の臭いに顔を歪ませながらも、正面の受付に向かう。


「こんにちは。見かけない方ですが、こちらのギルドは初めてですか?」

1人のギルド嬢が対応してきた。

「ああ、初めてだ。」

誤魔化すことでもないので、正直に言う。

「そうでしたか、分かりました。何の御用ですか?」

「冒険者をしたい。どうすればいい?」


瞬間、周りの空気が冷えていくのを感じた。


見れば、近くにいた冒険者達が俺を訝しげに見る。


そして


「おいおい、ガキ。お前みたいなひょろひょろしてる明らかな雑魚がここで冒険者できるわけねえだろ?」


「………ああ?」


「あぁん?なんだその目は、俺に喧嘩売ってんのかぁぁ?」

「………お前なんかに止められる筋合いはないな。黙ってろ。」

ロイは、つい強い口調で言ってしまった。

「いえ、その方の言う通りですよ。ここで冒険者をやるには、最低Dクラスでなくては。」

「そうなのか。」

それは知らなかった。たしかに弱い奴らは、魔物に殺されてしまう。無駄な犠牲を減らす為だろうか。

だが、俺はそんな雑魚では無い。

「手っ取り早くランクを上げる方法はないのか?」

「えーっと、Cランクを決闘で倒せば、Dランクには、」

Cランクを倒すか、


俺はさっき声をかけてきた大男に話しかける。


「お前、何ランクだ?」

「ああ?まさか俺とやるってのか?」

「そう言ってんだ。」

「……ハッ、おもしれえ、俺はお前がお望みのCランクだ。やってやろうじゃねえか。」

そう言って、外を指指す。どうやら外でやろうと言いたいらしい。

「なあ、あんたも来てくれ。俺がここでどこまで通じるか知りたいからな。」

「は、はぁ…………いや!やめた方がいいですよ!あの人は、あんな感じでも強いんです!」

おいおい、外に行ったから良かったものの、聞かれたらどうしてたんだ。


2人で外に出る。そこには両手にガントレットを付けた大男がいた。

「へっ、お前みたいな魔物舐めてここにくる奴がたまにいるんだかよ。お前ほど舐めてるやつは初めてだ。」

「そうか。」

ロイは魔力を練りながらそう答えた。

「魔法使いか、めんどくせぇな。」

「魔力を感じられるのか?」

「んなBランクみたいな真似はまだ出来ねえよ。」

他人の魔力を感じられたらBランクか、それだけじゃないだろうが、Bランクに上がるのも簡単だろう。

「じゃあいくぜえ。泣くんじゃねえぞ!」

ああ、こいつを倒さなきゃならなかったんだ。

……アピールする為にも、派手にやるか。

「……………」

俺は黙って蒼炎を五つ浮かべる。

「!?なっ!」

大男や、いつの間に集まってきたのこ周りの野次馬が驚きの声を上げるが、俺は気に止めない。

そのまま蒼炎をぶち当てた。

ドトォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーン!!!!!

轟音が昼時のバリアンに響き渡り、


大男は黒焦げになっていて、既に意識を手放していた。


「やり過ぎたか、」




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