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堕天使の下克上   作者: あかねこ
10/35

ギルドにて 2

「まだかなぁ。」

リーナはついさっきギルドの奥にいったギルド職員が自分のステータスプレートを手に奥から来ないか、キラキラした目で待っていた。ワクワクという文字が見えそうな程である。

「そんな見てて面白い物じゃないぞ?」

「ん、そうかもしれないけど。」

表情をキラキラさせて、でもねとリーナは続ける。

「やっぱり自分の力がさ、文字になって分かるようになるのは嬉しと思うの。いつもロイに護られていたからね。私もロイを護れるようになりたいの。」

リーナが可憐に微笑む。その微笑みに僕は見とれてしまった。

「それに解析魔法のLvが上がって『看破』が使えるようになれば、ロイの浮気にもすぐに気づけるしね。」

「浮気なんてしないよ!絶対。」

「ホント?」

「ほんとさ!僕の心はリーナだけのものだ。」

「ロイ………」

「リーナ………」

はっ!いけない。2人だけの世界に入ってしまっていた。

リーナも気づいたのか顔を真っ赤にしている。

「そっ、それより遅いね。」

「うっ、うん。そうだね。どうしたんだろう。」

どうやらギルドの奥が騒がしいようだ。


おかしい。


ギルドが騒がしいのは、普通、冒険者同士の諍いだ。

バースは魔族領土からかなり離れている。そのため付近には魔物は出現しない。

冒険者達は主に魔物の討伐で生計を立てて生活している。だから、魔物の出現がないこの地域には、冒険者はほとんどいない。

このギルドだって、商工ギルドの側面が強いのだ。諍いや喧嘩はまず無いはずだ。


なのにどうして?


どうしてそんな平和なギルドが騒がしいのか?

そんな疑問を抱いていると、先程対応していた若い男性ではなく、顎にひげをたくわえた男性がやってきた。

「リーナ・イースト様。このようなむさ苦しい所においで下さってありがとうございます。ここでギルドバース支部支部長をしております。マヤと申します。」

わざわざギルド支部長が来ての対応にリーナも不安と疑問が混ざった視線を送ってきた。僕はリーナの疑問を代弁するように質問した。

「何故、ギルド支部長のあなたがリーナに何の用ですか?」

「はい、リーナ様は特殊なジョブをお持ちになられております。ですのでリーナ様には早急に帝都に向かっていただきたいと。」

「帝都に?」

ジョブを持っているだって?リーナはまど14だ。ジョブを持っているはずがない。

まさか、


ロイの顔が驚愕に染まっていく。

「ロ、ロイ?どうしたの?」

「……………」

そんな僕を見て不安に思ったのか、リーナが僕に訪ねてくるが、僕は答えられない。

僕はこれから長い間、リーナの質問に答えられなかったことをひどく後悔することになる。

「!!!!!」

『何か』が西から凄まじいスピードでやってくる。

僕は混乱しているリーナをおいて、ギルドの表にでた。


金木犀の花の匂いがやけに鼻に残った。



金木犀の花は秋に咲きます。



常識かな?

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