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第一章:俺と二人の女 (1)

少しずつ上げていこうと思います。短いです。ご了承ください。

「ねーえ、ホントだってばー」


 朝からピーチクパーチクうるさい。

 俺は、凍えるような朝の時間に、隣から世迷言を聞かされつつ、学校へ登校

していた。俺の横で端的に言えばうるさい、見た目だけはいいこの女は、影浦水穂。

 花の16歳である。

 ちなみに俺は、日向翔。心外だが、この女と俺は、幼なじみというやつである。

 小学校から、高校まで、ずっと同じクラスであった。そろそろ一週間ぐらい視界にこいつを

入れたくない。


 その水穂が、朝、俺にあいさつ代わりにクソ重いカバンを背中にたたきつけた後、

妙なことを言い出した。


「本当に、私の前世は、おとぎ話の中のヒーラーだったの! しかも、勇者と結婚して、

子どもまでいたの!」


「それは貴重な体験をしたな。そろそろ病院に行ったほうがいいぞ」


「でもね、勇者様の顔が、全然思い出せないんだ……。絶対イケメンのはずなのに……」


「二次元を恋人にしても、むなしいだけだぞ。そろそろ恋人でも作ってみろよ。例えば、

俺とか」


「アンタは絶対いや」

理由をお聞かせ願おう。

「まず、寝起きが最悪。私服のセンスも最悪。私の幼なじみなのも、最悪」

はて、この子は本当に俺の幼なじみだろうか?モブA子さんじゃないのか?


「とにかく、信じてよねっ」


そう言って、水穂は、女友達を見つけて、そっちのほうに話しかけに言った。


ーー今の電波な話は、俺にしかしてないんだろうなあ。


水穂は、なんでも俺に話す。まるで、俺が、なんでも秘密を守るシュレッダーであるかのように。


そして、ほかの友達には、そういう本音は、絶対に言わない。自分の将来の夢も、

俺にしか言ってない。


たくっ、こっちの身にもなってみろっつの。


まるで、俺は、水穂の中身のデータベースみたいじゃねえか。


俺は無意識に眉間にしわを寄せながら、学校への門をくぐった。



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