プロローグ:俺、ただの高校生なんだけど
前回のシリーズは、短いわりに完結するのに時間が長くかかりましたが、今回はもっとかかりそうです……。
ですが、完結しても短編ぐらいだと思います。ちなみに魔法を使っているときの描写って、難しくないですか。
目の前におっさんがいる。顔に傷があり、サングラスをかけていて、
真っ赤なアロハシャツを着ている。どう見てもかたぎの人ではない。
「なんだ、にいちゃん、その嬢ちゃんの彼氏かい?」
「……違います」
俺の横にいる雛菊を舐めるように眺めるおっさん。俺は不快感で
思わず舌打ちをしてしまう。
「なんだ? にいちゃん、人前で舌打ちするなって、学校で教わらなかったかい?
特に、俺みたいなおじさんの前ではさあ」
おっさんは、ポケットに手を突っ込み、中から何かを取り出した。
見ると、折り畳み式のバタフライナイフだった。
「逃げろ、日向」
雛菊、何言ってんだ。それは俺のセリフだろう。
おっさんは俺の方へゆっくり近づいてきた。
しかし、俺との距離があと2メートルというところで……。
「悪いねえ。俺はそっちの嬢ちゃんに用があるんだよっ!」
と、いきなり方向転換し、雛菊のほうへナイフを突き出した。
「雛菊っ!」
俺は、かばうこともできなかった。
だが、雛菊は傷つけられることはなかった。
なぜなら、雛菊からの距離30センチのところで、氷の板のようなエフェクト
が展開し、おっさんのナイフがそこに刺さっていて、おっさんの身動きが取れなくなっていた
からだった。
信じられるか?
俺の高校の制服を着ているものの、俺の高校には在籍していない美しい謎の女がいて、
その正体が、魔法使いらしいことなんて、
俺は絶対信じらんねえ。
プロローグだけです。更新がなかったら察してください。
お読みいただきありがとうございました。