仮題 Bestbout
いつかよりよく死ねるように彼は願った。
ただただ生きている意味が分からないだけであった。
彼が生きていることを感じられるのは、戦いの中に身を置いている時だけだ。
死線に踏み込み命を削り合うその瞬間だけはおそらく、きっと世界中の誰よりも自分が幸福であると思えた。
だか彼は強かった。
常軌を逸するまでに強かった。
その強さは彼を孤独にした。
彼に勝てるものなどその世界にはいなくなっていた。
死ぬこともなく、目的のないまま。
先に世界が滅んだ。
ただただ生きている意味が分からないだけであった。
彼が生きていることを感じられるのは、戦いの中に身を置いている時だけだ。
死線に踏み込み命を削り合うその瞬間だけはおそらく、きっと世界中の誰よりも自分が幸福であると思えた。
だか彼は強かった。
常軌を逸するまでに強かった。
その強さは彼を孤独にした。
彼に勝てるものなどその世界にはいなくなっていた。
死ぬこともなく、目的のないまま。
先に世界が滅んだ。
1章.宝呪の少女
目的のない男
2016/12/12 12:41
(改)