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ギルド会館へ

 次の日。


 私は、ひとつの建物を見上げていた。



「……ここがギルド会館……」



 白いコンクリートのような外壁。入り口にはドラゴンと剣のデザインがされたエンブレムが飾られている。


 私は今からここで、冒険者になる手続きをするのだ。



「そうよ。入ってみましょ」



 スクリーンはそう促してくる。



「うん」



 私は少しドキドキしながらも、中に入った。


 ギルド会館の中は思った以上に、広い。


 周りを少し見回すと、私以外の冒険者もいるらしく、それは人であったり、そうでなさそうな人もいた。


 ……頭から黄色いモフモフの耳と尻尾がひょっこりと出ている。



「あれは、キツネの獣人ね」



 スクリーンが小声で教えてくれる。へぇ……この世界には人間以外の種族までいるんだ。


 少しでもいいから交流を持ってみたいな、と思った。


 私はカウンターに行き。



「こんにちわ。私は冒険者志望の者なのですが、こちらで登録はしてもらえますか?」



 そう受付の女性に声をかける。若く綺麗な人だ。



「はい。……でしたら、こちらの書類に記入して頂けますか」



 受付の女性は書類を手渡してくる。


 Lv。名前。扱える武器の種類。実戦経験の有無。


 ……私はカウンター上にある羽ペンを借り、記入洩れのないよう書き込んでいく。


------------------------


<Lv> 3


<名前> オデット


<使える武器種> 近接:短剣 遠距離:銃。


<実戦経験の有無> 有。


------------------------


 実戦経験とは、最初に降り立った、森の中での青いドラゴンや、街に向かう途中に狩ったゴブリンやボアのことでいいのだろうか?


 多少、不安に思いながらも書いておく。



「出来ました」



 そう手渡す。



「はい、……確かに」



 女性は書類に目を通し。確認をしてくる。



「……こちら"実戦経験あり"とのことですが、具体的にはどのようなモンスターと戦われました?」



「えぇと。ルフニュの森で、ゴブリンとボアを倒しました」



 そう伝える。ブルー・ベルベット・ドラゴンのことは、昨日のクキの言葉からややこしくなる気がしたので、言わないでおいた。



「ゴブリン。ボア。というと……どちらもLv15前後の敵ですよね。……申し訳ないのですが、そのことを証明して下さる方はいらっしゃいますか?」



 そう聞いてくる。



「……いえ。私ひとりでこなしたことだったので……。その場にいたのは、このスクリーンしかいません」



 私はスクリーンを指差すと、受付の女性はそのあたりを見つめる。



「・・・スクリーン?」



 そして怪訝な顔をする。



「おっしゃってる意味が分かりません。……少々、お待ち下さい」



 そう言い、受付の女性は、手続きをしに奥に引っ込んでしまう。




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 そして、数分は待っただろうか。



「お待たせしました」



 と言い、おっぱいにメロンでも詰め込んでいるのか?と聞きたくなるような胸をした女性が奥の部屋から現れた。


 肩まである真紅の髪を後ろでゆったりとまとめ、きちっとしたスーツのような服を着ている。


 だが、中にシャツを着ていない。



「……い、いえ」



 その姿に圧倒されてしまう。



「わたくし、ミネッサ・エンペンドと申します。オデット様。先ほどは失礼をいたしました」



 一礼をし、ニコリ……と微笑む女性。



「……い、いえ」



 圧倒され、また同じことを言ってしまう。



「オデット様は、冒険者様希望……ということで、当ギルド会館心より歓迎を致します。つきましてはこれから「あるクエスト」を受けて頂き、達成・合格されることで、本登録。となります。その点、宜しいでしょうか?」



 書類を片手に、にこやかにそう告げてくる。



「……!はい。もちろんです!」



 私は冒険者になるのだ。



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