表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/28

アンデット確定

 結局、私はブルー・ベルベット・ドラゴンを倒さなかった。


 残りHPも少ないため、私たちは出来るだけ慎重に森の中を進んでいく。


 途中、剣を持ったゴブリンや、イノシシのような獣・ボアと交戦した。


 しかしそのどちらもブルー・ベルベット・ドラゴンのような強さではなく、私でも何とかギリギリ処理できるレベルだった。



「脇腹が痛い……」


 ブルー・ベルベット・ドラゴン戦で受けた箇所が痛む。


 立ち止まり少しはマシになるかと、手でさすってみるが、あまり効果はない。


「……やっぱ痛い。少し休む。」


 私はドサっとその場にしゃがみ込む。


 さっきまでとは少し雰囲気の違う。土とコケがまざったような地面だ。


 まわりに生える草木の背も低く、あちらこちらにキノコのようなものが見える。



「無茶するから。」



 スクリーンは呆れたように、そう言う。



「……」



 自分でもそう思う。


 なんで私はあんなことをしたのだろう。


 そこでふと気が付く。



「あれ?私、最初に回復魔法とったよね?」



「そうね。でも……」



 そこでスクリーンが言いよどむ。



「何?どうかした?」



「さっきまで戦闘中だったから言えなかったんだけど……」



「うん?」



「スキル効果「対毒・異常ウィルス耐性」……毒攻撃と、ウイルスによる感染を完全に防ぎます。<あなたはこの効果により属性「不死」となりました。>」



「……え!?」



「「デッド・ヒール」……不死属性のみ回復するスキル。それ以外の属性に使用した場合、その対象は一定確立で死亡します。ご注意ください。またこのスキルで敵を葬った場合、2時間のクールタイムが発生します」



「……!!!?!?」



 驚きすぎて声も出ない。


 ちょっと待って欲しい。


 私って今……アンデット人間なの……?


 手の平。腕。と見ていく。足も大丈夫だ。



「皮膚はただれてないし、肌色も紫じゃない。」


 見た目は以前と変わらない。と思う。鏡がないので顔は分からないが。


 それなのにアンデットなの??



「試してみたら……?」



 スクリーンがこちらを伺うように言う。



「スキルを……?ウン。そう……だよね。」



 このまま悩んでても仕方ない……。ちょっと怖いけど……。



「……よし、「デッド・ヒール」!!!」



 詠唱する。すると……。


 ピロリロリン♪と音がなり、緑の爽やかなエフェクトと共に、脇腹の痛みが和らぐ。



「……」



「……」



 その日、私はアンデット確定となった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ