表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

社会ヨタヨタ話

なぜギリシャが話題となるのか

作者: 矢道快

 連日ギリシャの財政問題が各メディアに扱われています。


・経済

・歴史

・軍事

・民族


 上記あたりを、だいたい見ました。個人的に注目しているのは、経済がらみの世界情勢の変化です。それは、一つの問題を見つめるよりは、大雑把に物事を捉えた方が見やすいかとは思います。ただ、大雑把に見ていくので細かな見落としが、そのまま落とし穴になる欠点もあります。


 



 今回のギリシャ問題を『経済』だけで終わっているニュースが非常に多い。そこから日本にも『経済的』影響があることを懸念しています。

 当然、あるにはあるのですが、その煽りはドイツの方が酷くなるでしょう。単純にお金を貸しているということではなく、

「ヨーロッパにおけるドイツのポジション」

 というものです。

 歴史や他のことにも絡めると、ドイツ経済の好調はまさに、EUや『ギリシャの放蕩ぶり』がもたらしました。『アリとキリギリス』に例えられていますが、アリは自国の工業製品を売りつけることで儲けていた。

 ある種の WIN-WIN関係 が成り立っていました。

 わざわざドイツの緊縮政策を非難するのは、そこにあります。

 ギリシャが一方的な放蕩息子ならば、ギリシャだけが悪いのですが、それにつけ込む形でドイツは金儲けをした。それもEUの一人勝ち状況とも言う学者が出るほどです。

「儲けたんだから、一部は還元しろ」

 そう言われているのです。

 

 加えて、ドイツは欧米からの監視もされています。これは日本も同様です。いわゆる『戦後情勢』において、

「日本とドイツには戦略兵器を持たせない」

 という暗黙の了解があるそうです。


 信憑性に欠けますが、「反ファシズム」の態度をする以上、それをやりつづけなければ、同盟を維持できないところがある。

 私はその程度の理解でとどめています。


「戦後ドイツはどうあるべきか」


 そう大雑把にまとめます。

 ヨーロッパ全体のまとめ役として、ギリシャの債務を抱え、きちんと財政指導をするのか。

 ドイツだけのことを考え、ユーロとマルクという通貨のバランスを見て、ここぞというタイミングで通貨を切り替えるのか。

(マルクになると価格高騰が起きるから、ドイツ製品が売れないという懸念はある)



 次に、ロシアがギリシャを組み込むという噂。

 クリミアやウクライナで、ヨーロッパ態勢の『結束力がまるで無い』ことを如実に示しました。

 NATO(北大西洋条約機構)との戦いになるだろうと、一時期騒がれましたが、それは実現しなかったように思えます。

 

「ロシアがヨーロッパに接近してもアメリカは関係無い」


 これを暗に認めたと言われたのです。

 現在、アメリカがギリシャの話題に首を突っ込むのは、この時の失態を挽回するためと言われています。

 

 ロシアがギリシャを編入するとなると、黒海を越えて地中海に拠点を持つことになります。

 ロシアは『タタールのくびき』により、ヨーロッパ人から一段下に見られることがありました。特にイングランドが酷かったらしく、ロシアの反英感情はそのあたりかもしれません。

 ロシアが「自称ヨーロッパ文明発祥の地・ギリシャ」を抑えたり、保護すると、ヨーロッパ文明そのものを抑えたという話に広がることもできるでしょう。


 クリミア併合によって『タタールのくびき』に終止符を打った。

 さらに、ギリシャ編入まで果たすと、どうなるのか。

 ロシアが東方正教でギリシャとの繋がりをアピールするのも、単純な仲好しごっこではないのです。


 私見ですが、

 アメリカが今、キューバとの国交を回復しようとしているのも、このあたりだと思います。

 オバマ大統領は歴史に名を残したくてやっている、と軽く扱っているところもありますが、『キューバ危機』をアメリカは体験しました。


 ロシアがギリシャに揺さぶりをかけることで、アメリカ情勢が動いているとも見られるでしょう。

 

 オバマ・アメリカは一手二手遅い。遅きに失する政権。

 さんざん言われてきましたが、ヨーロッパ危機まで呼び込んだ。

 信用を失うことの恐ろしさは、まさにこういうドミノ倒し現象があることでしょう。


「ロシアとアメリカ。諸国はどっちを重要視するのか」

 大雑把過ぎますが、現段階はこの程度ではないでしょうか。



 まとめていくと、


・戦後ドイツの信用

・欧州連合の実質的な力

・ロシア外交

・アメリカ外交


 こういうことが、ぶつかり合った。


 私は、そう見ています。


 そして、日本はどうなのか。


 要するに、「貿易を結ぶパートナーとしての資質」が問われている。

 貿易を結ぶ以上、両者共通の『秩序を守る』という原理・原則があるわけです。

 自国が儲かれば良いので、他国との約束は守らない。


 それをやると、一時期は儲かるかもしれませんが、信用を失います。以降、失った信用の回復には多くの時間と労力が必要となります。


 また、相手国と付き合うならば、きちんと約束を守らせることも重要です。

 守らない相手が悪い、と言っているだけでは事態が悪化する恐れもあります。

 両国ともに、約束は守る。

 そのための行動力をもたないと、いけないでしょう。



 余談ですが、世界大戦規模の戦争は無いと思います。

 それをやると、どの国も経済破綻をおこして戦争をする意味がなくなる。小競り合い程度に収めて、妥結していくと思います。

 後は、目に見えての大きな変化も無いと思います。

 あるとしたら、

 日露の友好貿易機構くらいか。

 そこから、アメリカとロシアの仲をとりもつ。

 


 そういえば、ロシアもアメリカもヨーロッパ社会から弾かれたり嫌悪されたところか。

 それがヨーロッパの命脈を握るというのは、感慨深い。

 イギリスの責任逃れが呼んだとも言えるあたり、国家の信用は失墜させてはいけないなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ