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グローリ・ワーカ  作者: 川柳えむ
第5章:ペンダント
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意外で斬新で適当過ぎる解決方法

「なんで私ばっか攻撃すんのっ!? むしろストームとニールはわざとやっている気がー!」


 マニュアは1人、ストーム、ニール、アリスの攻撃を避けていた。


「魔物のブレスで操られている――というか、敵に見えているって……どうすればいいかなぁ?」


 ティルがマニュアに尋ねる。


(――操られ…………魔……私……)

「マー?」


 ティルの呼ぶ声にはっと我に返る。


「あっ! え、何だっけ?」


 焦ってマニュアはティルを振り返った。


「もしかして、マーも操られそうになってた?」

「え、いや、どうだろ……?」

「もー。しっかりしてよぉ! 皆こんな事になっちゃって……どうすれば……」


 ティルが不安そうに言う。


「あ。今、襲われてるの私だし。今のうちに、ティルちゃんが魔物を呼んで――」


 皆からの攻撃を避けつつ、マニュアはティルにこの状況を打破する方法を提案しようとした。

 ――次の瞬間、ニールが振り返り、ティルに向かって拳を向ける。


「私だけ襲われてると思ったけど、そうでもなかったー!!」


 ティルは慌ててマニュアのマイクでそれを防いだ。


「って、おい、ティルちゃあぁぁぁぁ~ん!! それ、私のマイク!」

「ごめんごめん」

「ていうか、いつの間に私のマイクを!?」

「いやー……マーなら、その身1つでも……」


 その時、ティルはふっとある事を思い出して叫んだ。


「マー! あれやって、あれ!」

「あれ!?」


 マニュアの頭の中に、変な物が色々と行き来をする。


「違う! ム・キ・ム・キ!!」

「ムッ……!!」

「ムー!」

「む、むちむち!?」


 なんだか18禁になりそうな響きである。


「違う!! ムキムキ! 早く!」

「わ、わかった! はァ~~~~ッ……! ムキムキッ! ムキムキッ!!」


 マニュアはポーズをキメている!

 皆はそれを呆れて見ている……。

 これが吟遊詩人とは、到底思えない状況である。


「……さぁ、早く仕事に戻るべ」

「さっさと用事済ませなきゃ」

「さ、帰ろ帰ろ」

「あ、お昼の時間じゃ」

「おい。あんたら冒険者だろ……キャラクターが変わってるぞ」

「よっし! みんな我に帰ったよー!」


 そして、皆は町に帰ってしまった。魔物まで巣に帰ってしまったようだ……。


「私の華麗なるポーズに心を打たれ、正しい心を取り戻したんだね……! アリちゃんの踊りも目じゃないな……!」


 マニュアは自分に感動している。


(何か違う! それに、私の考えが良かったんだ!)


 ティルは心の中でツッコんでいた。


「というか、真面目な話、解決方法がコレって……。よく思い付いたね……?」

「さっき呆れて凄く力が抜けたからいけるかなって」

「…………」


 解決したのは良いが、マニュアは何とも複雑な気持ちになった。


「……何があったんだ……?」


 ともかく。他3人も無事、我に帰ったようだ。


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