大乱闘スマッシュパーティー
ジャ、ジャ、ジャン!!
「何!? この人の数~っ!?」
そうなのだ。
現場へと向かってみると、魔物退治に来たのであろう冒険者が軽く50人はいた。
「しかも――」
しかも、何故か仲間同士で戦っているのだ!
「魔物が幻覚を見せているんです!」
「この魔物は仲間を敵に見せるブレスを吐くようなんです!」
「おかげでどれだけ冒険者を呼んでも収拾がつかなく……うぅ……」
「ここに長時間いると儂達もやられてしまう……後は頼みましたよ!」
そう言って、町の人達は逃げていってしまった。
「ちょっとちょっとぉ!?」
逃げていった町の人の後ろ姿を振り返った瞬間、
「あぁっ!? こんな所に魔物がっ!?」
「へっ!?」
今度は慌てて声の方へ振り返る。
目にしたものは、ストームがマニュアに向けて指を突き付けている姿。
「あ……」
さっきの町の人の言葉を思い出す。
『この魔物は仲間を敵に見せるブレスを――……』
「うぇぇ……これは……」
マニュアがたじろぐ。
次の瞬間、ストームは仲間である筈のマニュア、そして隣にいるティルに向かって攻撃態勢に入った!
「よし! 魔物に攻撃するために、魔法少年に変身だ!」
「「魔法少年!?」」
「サンシャシンパワー・レベルアーップ!」
ストームが変身の魔法らしきものを唱えた!
……しかし、何も起こらなかった。
「なんだそれ――――――!! 行のムダ遣い!」
「バカ……」
ティルも横で溜め息を吐いていた。
「仕方ない! 短剣で攻撃だ!」
ブンッ!
「わっ!」
すんでの所で避ける。
その短剣はマニュアの頬を掠った。
「あっ! 魔物!」
「魔物がいるぞ! やっつけろー!」
アリスとニールも、ストームと同じようにマニュアに向かって攻撃をしてきた。
「ど、どーなってるの!?」
何故だかマニュアとティルにはブレスは効いていないようだ。
「おらぁぁぁぁ!!」
「うわっ!」
ニールの拳を躱す。
「えーいっ!!」
アリスも踊り子の扇子を振り翳す!
「ちょっと……ストーップ!!」
「どーすりゃいいのさ!?」
ティルもマニュアも……絶体絶命のピーンチ!!




