いつかまた平和になったら
再度アリスと合流し、ニールも――やはりいい顔はされなかったものの、なんとか家族から旅の許可を得た。
あとは、リナに別れの挨拶に行くだけ――
***
「もう行っちゃうの――……?」
旅支度を終えたマニュアに、リナが寂しそうに言う。
「うん……。本当に色々とお世話になったね。ありがとう、リナちゃん!」
リナは首を横に振った。
「そんな事ないよ……。私、楽しかった。――嬉しかった。冒険者に良い人達がいるってわかったもの」
「リナちゃん……」
感動のお別れシーンだ。
「また遊びに来てよ」
「うん。絶対にまた来るよ」
「ホワちゃん!」
「リナちゃん!」
ひしっ!
マニュアとリナは力強く抱き合った。
「……今度は、平和になったら遊びに来るから。待っててね」
「うん」
リナは涙目で、それでも笑顔で頷いた。
「じゃあね!」
「バイバーイ!!」
こうして、5人と1匹に増えたパーティーは静かに町を後にした。
リナはその後ろ姿に向かって、いつまでも手を振り続けていた……。
***
「……そうやって綺麗なオチに見せかけておいてさ」
マニュアが呟いた。
「いつまで経っても森を抜けられないってどーゆー事ぉ!?」
嘆く5人。
5人は迷いの森で、森の名の如く、迷っていた……。
「おい! また魔物が現れたぞ」
魔物が現れた。
5人は戦闘態勢に入る。
「こんなの俺が1発で倒してやるよ!」
「ストーム! だめぇ!」
「よし。マニュア、歌いまーす♪」
「その方がもっとだめええええええええ!!」
「いっきまー……」
「みんな、あいつを止めろ!!」
「な、何!? そんなやばいの!?」
わーわーぎゃーぎゃー!
「なーんなのぉ? とにかく、歌うからねっ!」
「マー、スト――――ッ………………!!」
……………………。
こんな調子で、(第4章が始まるまで)果たして無事に生き延びれるのだろうか……?
ますます賑やかなパーティーのハチャメチャな旅は続く。




