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グローリ・ワーカ  作者: 川柳えむ
第3章:災難・その後
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いつかまた平和になったら

 再度アリスと合流し、ニールも――やはりいい顔はされなかったものの、なんとか家族から旅の許可を得た。

 あとは、リナに別れの挨拶に行くだけ――


   ***


「もう行っちゃうの――……?」


 旅支度を終えたマニュアに、リナが寂しそうに言う。


「うん……。本当に色々とお世話になったね。ありがとう、リナちゃん!」


 リナは首を横に振った。


「そんな事ないよ……。私、楽しかった。――嬉しかった。冒険者に良い人達がいるってわかったもの」

「リナちゃん……」


 感動のお別れシーンだ。


「また遊びに来てよ」

「うん。絶対にまた来るよ」

「ホワちゃん!」

「リナちゃん!」


 ひしっ!


 マニュアとリナは力強く抱き合った。


「……今度は、平和になったら遊びに来るから。待っててね」

「うん」


 リナは涙目で、それでも笑顔で頷いた。


「じゃあね!」

「バイバーイ!!」


 こうして、5人と1匹に増えたパーティーは静かに町を後にした。

 リナはその後ろ姿に向かって、いつまでも手を振り続けていた……。


   ***


「……そうやって綺麗なオチに見せかけておいてさ」


 マニュアが呟いた。


「いつまで経っても森を抜けられないってどーゆー事ぉ!?」


 嘆く5人。

 5人は迷いの森で、森の名の如く、迷っていた……。


「おい! また魔物が現れたぞ」


 魔物が現れた。

 5人は戦闘態勢に入る。


「こんなの俺が1発で倒してやるよ!」

「ストーム! だめぇ!」

「よし。マニュア、歌いまーす♪」

「その方がもっとだめええええええええ!!」

「いっきまー……」

「みんな、あいつを止めろ!!」

「な、何!? そんなやばいの!?」


 わーわーぎゃーぎゃー!


「なーんなのぉ? とにかく、歌うからねっ!」

「マー、スト――――ッ………………!!」


 ……………………。


 こんな調子で、(第4章が始まるまで)果たして無事に生き延びれるのだろうか……?

 ますます賑やかなパーティーのハチャメチャな旅は続く。


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