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グローリ・ワーカ  作者: 川柳えむ
第3章:災難・その後
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束の間(?)の平和な時間

「とりあえず。買い物どうする?」


 戻ってきたお金を見て、ティルが言う。


「俺達じゃ買いに行けねーな。冒険者だから」


 ストームの言葉に、


「ストームのせいでね」


 すかさず言うティルだった。


「……オレンジ、いい加減に機嫌治せよ……」

「私が買ってこようか?」


 アリスからの有難い申し出。

 皆は頷き、


「そうだね。サンキュー! じゃあ道具屋で復活の粉5個買ってきて!」

「OK!」


 そうやり取りし、一旦アリスと別れた。


   ***


 待ち合わせ場所は、町外れの小さな公園。

 そこでマニュアとティルはベンチに座り、それにニールとストームが向かい合って立っていた。

 残された4人は他愛ない話をしていた。


「でも、まさか、こんな所で会うとは思わなかった……」

「同じ町だったの?」


 マニュアとニールの過去。

 ティルの質問に、マニュアはこくんと首を縦に振った。


「いやー懐かしいね。ニールさー、いっつも一緒につるんでる奴がいてねぇ……」

「それよりも、こいつなんかな。あだ名が――」

「うわー!! それは言わなくていい!」

「え? 何々!?」

「おい! 俺も話に混ぜろ!」


 目が輝いているティル。横から割って入るストーム。


「混ざんなくていいし!」


 マニュアは焦っている。

 一体どんなあだ名だったというのだろうか?


「気にしなくていい!」

「むぅ」


 残念そうに、ティルはむくれた。


「じゃあさ、彼は『クラちゃん』ね」


 ティルが今度はニールを指差して言った。

 ニールはぶっと吹き出して、


「おい! あとついでに人を指差すな!」

「『クラベット』だから?」

「うん。クラちゃん」


 楽しそうに笑うティル。マニュアと出会ったばかりの頃の彼女に比べると、もう別人だ。

 ストームも会話に混ざり、


「おい! クラ!! クララ!」

「クラちゃん、クラちゃん。いやーかわいいね!」


 マニュアが笑ってニールの背中を叩いた。


「バカにしてねーか!? むっかつくよ!」


 笑い声が、青い空に響いた。


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