表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
グローリ・ワーカ  作者: 川柳えむ
第3章:災難・その後
20/46

部屋の鍵だけ閉めてきた

 3人と1匹は、男達を縛り上げたまま置き去りにして、夜の街へと繰り出した。

 こんな森の中の町だ。大した遊び場などない。

 ただ1箇所を除いて――。


   ***


「お~ぢ~さ~ん~??」


 ここはこの町に1軒だけの酒場。舞台では踊り子達が踊っている。ここがリナの言っていた人気の酒場だろう。それは、もしかしたら、単に他の娯楽がないだけなのかもしれないが。


 酒場の明るい雰囲気の中、一部だけ、どす黒い気が渦巻いていた。


「どーゆー事ですか?」


 その一部分。どす黒い気の発信源は、マニュア、ティル、ストームの3人であった。

 マニュア達は男に詰め寄っている。


「宿をほっぽって、何してるんだよ!?」

「いや、ねぇ。だから、早くから待ってないと、満席になっちゃうんで――ねぇ? ここの踊り子、人気あるんですよ……!」


 その男――つまりは、宿の主人だったりするわけだが、なんともふざけた言い訳をしていた。


「そんな事で仕事さぼって、い・い・の・か・い!?」

「あ、ほらほら! あっ、あの右端の踊り子! いーですよねー! まだ若いらしいんですよ!」

「ごまかすなぁ!」


 そう言いつつ、マニュアもそちらの方に目をやった。

 他の踊り子に比べたらまだ幼くはあるが、整った顔をしている。踊りもとても上手だ。


「確かに綺麗だけどさぁ。踊り見てても……私にはつまらんし」

「でも凄いねー。上手」


 ティルも感心した様子で見ている。

 ストームはでれでれしている。

 その様子に気付いたティルが、ストームの頬を抓った。


「いでででででで! 何すんだっ!」

「別に」


 マニュアは舞台をぼーっと眺めていた。

 次の瞬間、何を思い立ったのか、マニュアが口走ったのは――


「私も踊る!」

「ええええええっ!?」


 舞台に乱入しようとするマニュア。


「私も目立ちたい! 何なら歌も歌いたい!!」

「ヤメロ。待て。早まるな!」

「ちょっと――迷惑掛かるよ! 本当に迷惑掛かるよ!!」


 必死に止めに入るストームとティルであった。


「ピュウピュウ」


 その様子を見ていたピュウは「やれやれ」といった感じで首(?)を振った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ